ランクルSEの最新情報、そして一体いつ発売されるのか、心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。2023年の「JAPAN MOBILITY SHOW」で衝撃的なデビューを飾って以来、トヨタの新しい電動SUV「ランドクルーザーSE」は、世界中から熱い視線を集めています。これまでのランクルのイメージを覆すような、都会的で洗練されたデザインと、BEV(電気自動車)ならではの静かで力強い走りは、多くのクルマ好きの心を掴んで離しません。
コンセプトカーの発表から時が経ち、「いったいいつになったら乗れるの?」「価格はいくらくらいになるの?」といった具体的な疑問も増えてきました。
この記事では、そんな注目度MAXの「ランクルSE」に関する最新情報を、初心者の方にも分かりやすく、そして徹底的にまとめました。購入を検討している方はもちろん、未来のクルマに興味があるという方も、ぜひ最後までご覧ください。
▼この記事を読めば分かること
- ランクルSEの発表から現在までの最新動向が時系列でわかる
- 日本や海外での具体的な発売時期の予測がわかる
- 他の車種との比較から導き出した、納得感のある予想価格がわかる
- コンセプトモデルの美しいデザインや内外装が画像で詳しくわかる
- 世界と日本のBEV普及の現状と、ランクルSEの立ち位置がわかる
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ランクルSeの最新情報【随時更新】
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トヨタの新型EV「LAND CRUISER Se(ランドクルーザーSe)」は、2023年10月の「JAPAN MOBILITY SHOW」で世界初公開されて以来、大きな注目を集めています。その最新動向を時系列で追うと、コンセプト発表から生産準備、そして市場投入までの一貫した流れが見えてきます。この流れは、トヨタが次世代の電気自動車(BEV)戦略を本格化させていること、そしてランドクルーザーという伝統あるブランドを未来へどう進化させようとしているのかを明確に示しています。
ここでは、ランクルSEに関する公式発表や主要な報道を、時間の流れに沿って分かりやすく整理しました。コンセプトの誕生から、生産拠点の決定、そして専門家たちの予測まで、最新情報を追いかけてみましょう。
ランクルSEの最新情報:時系列
- 2023年6月13日:トヨタが「次世代BEV戦略」を発表。2026年に次世代BEVを導入する方針を示し、ランクルSE登場の土台が整えられました。
- 2023年10月21日:「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」にて、「LAND CRUISER Se」が世界で初めてお披露目されました。3列シート7人乗り、静かで力強いBEVならではの走りと、高い悪路走破性を両立するコンセプトが示され、全長5,150mm、全幅1,990mm、全高1,705mmという堂々たるサイズも公表されました。
- 2024年10月3日:北米ケンタッキー工場で予定されていた3列シートBEV SUVの生産開始が、当初の2025年から2026年前半へ延期されると報じられました。これがランクルSEの量産計画ではないかと見られています。
- 2025年2月5日:トヨタがノースカロライナに建設中の電池工場(TBMNC)が、4月から電池の出荷を開始すると発表。北米でのBEV生産を支える重要なピースが揃い始めました。
- 2025年9月10日:トヨタがケンタッキー工場で2車種の3列シートBEV SUVを生産する計画であることが改めて報じられました。
- 2025年9月12日:海外メディアが、上記2車種は「電動ランドクルーザー」と「電動RAV4」である可能性が高いと報じ、期待が一気に高まりました。
▼車選択メモの考察
これまでのランドクルーザー(70、250、300系)が持つ「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」という本格オフローダーの信頼性を追求してきたのに対し、このSeは明らかに違う道を指し示しているように思えます。モノコックボディを採用し、静粛性や都市部での快適性を重視している点から、これは「新しい顧客層」に向けたランドクルーザーブランドの拡張戦略と見て取れます。高級サルーンや欧州製のプレミアムSUVからの乗り換えも視野に入れた、全く新しいラグジュアリーBEVとしての提案なのかもしれません。
▼今後の注目ポイント
まず最大の注目点は、市販モデルの正式名称です。「Se」はあくまでコンセプト名であり、市販時の名称は未確定です。また、心臓部であるバッテリーの容量や航続距離、モーターの出力といった詳細スペックの公式発表が待たれます。これらは、おそらく生産開始が近づく2026年頃に明らかになるでしょう。価格と共に、購入を検討する上で最も重要な情報となりそうです。
ランクルSeの日本発売はいつ?
ランドクルーザーSeの発売時期は、生産拠点となる北米で2026年後半から2027年初頭にかけて最も早く市場に登場し、日本では少し遅れて2027年中になる可能性が高いと予測されます。これは、ケンタッキー工場での生産開始が2026年初頭に予定されていることや、各市場の充電インフラ整備状況、そして北米での生産開始から右ハンドル仕様の展開までに一定の時間を要することなどを考慮した現実的なスケジュールです。
具体的な登場時期を、市場ごとに見ていきましょう。これはメーカーの公式発表ではなく、これまでの情報を基にした予測ですが、購入計画を立てる上で参考になるはずです。
市場 / 地域 | 想定「発表」時期 | 想定「予約」開始 | 想定「発売」開始 | 根拠(なぜそう言えるの?) |
北米(米) | 2026年上期 | 2026年中頃 | 2026年下期~2027年初 | アメリカのケンタッキー工場で3列シートの大型電動SUVを作ることが決まっており、それがランクルSeの有力候補だからです。 |
カナダ | 2026年下期 | 2026年下期 | 2026年末~2027年 | 基本的にアメリカ市場と連動しますが、寒冷地での最終テストなどのため少し遅れるのが一般的です。 |
日本 | 2026年末~2027年初 | 2027年初 | 2027年中 | トヨタの次世代BEV導入計画と合致します。国内では250系や70系が出たばかりなので、少し間を空けて投入するのが自然な流れでしょう。 |
欧州 | 2026年末~2027年初 | 2027年初 | 2027年中 | 環境規制が厳しい欧州では重要なモデルですが、まずは北米での生産・販売を軌道に乗せてから展開するのが合理的と考えられます。 |
豪州 / NZ | 2027年頃 | 2027年 | 2027年~ | ランクル人気が絶大な地域ですが、長距離移動が多く、BEVの使い勝手を慎重に見極める必要があるため、少し時間がかかりそうです。 |
中東 | 2027年以降 | 2027年以降 | 2027–2028年 | こちらもランクル天国ですが、酷暑というバッテリーに厳しい環境と充電インフラの問題から、導入は後になるでしょう。 |
中国 | 未定 | — | — | 現地ではbZシリーズなど中国市場向けのBEVが主力のため、Seが導入されるとしても限定的になる可能性があります。 |
▼なぜ北米が最初なの?
世界で最も3列シートの大型SUVが売れる市場が北米だから、と考えるのが自然です。大きなクルマへの需要が根強く、トヨタとしても最重要市場の一つ。そこで成功を収めることが、グローバルな展開への大きな足がかりになります。また、生産拠点(ケンタッキー工場)があるというのも、もちろん大きな理由です。
▼日本での発売が少し遅れるワケ
いくつか理由が考えられます。一つは、最近ランドクルーザー250や70が国内で発売され、まずはそちらの販売を落ち着かせたいという戦略的な判断。もう一つは、ランクルSeのような大型BEVを安心して使えるだけの急速充電インフラの整備を、もう少し待ちたいという意図もあるのかもしれません。北米での初期の評判や市場の反応を見てから、万全の体制で日本に導入したい、という丁寧な進め方とも言えそうです。
ランクルSeの価格予想
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ランドクルーザーSeの価格は、現在販売されているランドクルーザー250を基準に考えると、中心となるグレードで700万円台から900万円前後になる可能性が高いです。これは、既存のガソリン車やハイブリッド車をBEV化した場合、価格が上昇するという実例データに基づいた予測です。特に大型SUVのBEVは価格が上がりやすい傾向にあります。
まだ公式価格はもちろんありませんが、他のクルマの例からその値段を推測してみましょう。
▼価格差の具体例
クルマの電動化には、大きなバッテリーや強力なモーターなどコストがかかるため、どうしてもガソリン車より高価になります。実際に、いくつかの車種でどのくらい価格が違うのか見てみましょう。
- トヨタ bZ4X vs RAV4 (米国):同じトヨタのSUVで比較すると、BEVのbZ4X($37,070)はガソリン車のRAV4($29,800)より**約24.4%**高くなっています。
- レクサス RZ vs RX (日本):レクサスブランドでは、BEVのRZ300e(820万円)/RZ450e(880万円)は、ハイブリッドのRX350h AWD(811万円)などと比較して、グレードによりますが**約7.9%~8.5%**ほど高い設定です。
- Kia EV9 vs Telluride (米国):ランクルSeと同じ3列シートSUVの例では、BEVのEV9($54,900)がガソリン車のTelluride($36,390)より**約50.9%**も高価です。大型車ほど価格の上昇率が高いことがわかります。
その他スバルフォレスターでは40%、アウディは20%、日産24%など、いずれも上昇傾向にあることがわかりました。
これらの実例から、BEV化による価格上昇率を**+20%~+35%**と仮定し、ランドクルーザー250の価格をベースにSeの価格を予想したのが以下の表です。
▼ランドクルーザーSe 予想価格一覧
(ベース:ランドクルーザー250の現行価格)
参照グレード(LC250 現行) | LC250 現行価格(税込) | Se予想(+20%) | Se予想(+27.5%) 【本命】 | Se予想(+35%) |
GX(5人乗り) | 約520万円 | 約625万円 | 約660万円 | 約700万円 |
VX(7人乗り) | 約630万円 | 約760万円 | 約800万円 | 約850万円 |
ZX(7人乗り) | 約735万円 | 約882万円 | 約940万円 | 約990万円 |
※上記はあくまで他の車種の価格差から算出した参考値です。
この表を見ると、最も現実的な「本命予想」のラインでは、多くのグレードが600万円を超え、最上級グレードでは1,000万円近くなる可能性が見えてきます。
▼この価格、高い?安い?
絶対的な金額としては非常に高価ですが、市場における立ち位置を考えると、一概に「高すぎる」とは言えないかもしれません。例えば、レクサスのBEV「RZ」も800万円台です。ランドクルーザーという強力なブランド力、そして最新のBEV技術が搭載されることを踏まえれば、これらのライバルと肩を並べる価格設定になることは十分に考えられます。
▼注意点:補助金を忘れずに
忘れてはならないのが、国や自治体からの**補助金(CEV補助金など)**です。BEVを購入する際には、この補助金によって最終的な自己負担額が数十万円単位で安くなる可能性があります。補助金の額は年度や車種によって変わるため、発売が近づいたら必ず最新の情報をチェックしましょう。上記の予想価格から、補助金分が差し引かれると考えると、少し身近に感じられるかもしれませんね。
ランクルSeの画像
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ランドクルーザーSeのデザインは、伝統的なランドクルーザーが持つ圧倒的な存在感や力強さを巧みに受け継ぎながら、BEVならではの先進的で洗練された都会的なスタイルを融合させているのが最大の特徴です。一目で「新しい時代のランクルだ」とわかる、未来的ながらもどこか親しみやすさを感じさせるデザインに仕上がっています。
▼エクステリア(外観)
まず目に飛び込んでくるのは、BEV特有のグリルレスデザイン。エンジンを冷やす必要がないため、空気抵抗を減らす滑らかなフロントフェイスになっています。ヘッドライトはシャープで薄型なデザインが採用され、「TOYOTA」の文字が中央に配置されているのも新しい印象を与えます。
サイドから見ると、その大きさがよくわかります。全長5,150mm、ホイールベース(前後のタイヤ間の距離)3,050mmというスペックが示す通り、非常に伸びやかで堂々としたプロポーションです。伝統的なランクルのような角張った武骨さよりも、風の流れを意識したような流麗なラインが特徴的で、都会の景色にも自然に溶け込みそうです。
リアに回ると、最近のトレンドである水平基調の一直線のテールランプが目を引きます。これにより、クルマの幅広さと安定感が強調されています。
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▼車選択メモの考察:これは「新しいランクル」
このデザインは、Seがこれまでのランクルとは少し違うユーザーを狙っていることを明確に物語っているようです。例えば、週末は家族でキャンプに行くけれど、平日は都心でスマートに乗りこなしたい、といったライフスタイルの人にはピッタリかもしれません。オフロードの走破性だけでなく、乗り心地の良さや静粛性、そして環境性能といった新しい価値観を重視する層に、この「都会派ランクル」は強くアピールしそうです。
▼コンセプトと量産モデルの違いは?
市販される際には、いくつかの点が現実的に変更される可能性があります。例えば、コンセプトモデルで採用されているカメラ式のドアミラーは、通常の鏡のミラーに変更されるかもしれません(日本の法規ではカメラもOKですが、コストや見慣れた感覚を重視する可能性)。また、タイヤやホイールのデザインも、もう少し実用的なものに変わることが考えられます。しかし、全体的なシルエットやデザインの核となる部分は、このコンセプトモデルのイメージを色濃く受け継いでくれるはずです。
BEVの日本や世界での普及度合、推移
世界の**電気自動車(BEV)**の普及は、中国とヨーロッパが牽引役となり急速に進んでおり、2024年には世界の新車販売の約20%(5台に1台)がEV(PHEVを含む)となりました(出典:IEA)。一方、日本ではハイブリッド車(HV)の人気が非常に高いこともあり、BEVのシェアはまだ2%未満に留まっているのが現状です。ランドクルーザーSeのような新しいBEVが登場する背景として、この世界と日本の状況を知っておくと、今後のクルマ選びの参考になります。
▼世界全体の動き
世界的に見れば、BEVへのシフトは着実に加速しています。2024年には全世界で1,700万台以上のEVが販売されました。この背景には、各国政府の環境規制の強化や購入補助金、そして何よりバッテリー価格の低下があります。10年前に比べてバッテリーのコストは劇的に安くなっており、車両価格の低下や航続距離の向上につながっています。
▼地域ごとの普及状況
- 中国:世界最大の自動車市場である中国は、BEVの普及においても世界をリードしています。2024年には新車販売の約半数がBEVやPHEVなどの「NEV(新エネルギー車)」となり、街中を走るクルマの風景が大きく変わりつつあります。
- ヨーロッパ:厳しい環境規制を背景に、BEVのシェアが急拡大しています。2025年のデータでは、新車販売におけるBEVの割合が**約15.8%に達しています(出典:ACEA, 2025年1-8月YTD)。特に高速道路沿いで60kmごとに150kW級の高出力な急速充電器(かつステーション全体の総出力要件も規定)**の整備が義務化されるなど、インフラ整備も急ピッチで進んでいます。
- アメリカ:大きなクルマが好まれるアメリカでもBEVシフトは進んでおり、2024年のEV(BEV+PHEV)シェアは約8.1%。ただし、新車購入時の税制優遇措置は、2025年9月30日の取得をもって終了することが決まっており、今後の動向が注目されます(出典:IRS)。
- 日本:日本では、登録車におけるBEVのシェアは2024年時点で**約1.7%と、世界的に見るとまだ低い水準です(出典:自販連)。軽自動車を含めた統計でも、2025年8月時点で約1.45%**となっています。
地域 | BEVシェア(新車販売における割合) |
ヨーロッパ(EU) | 約15.8% (2025年1-8月, BEVのみ) |
アメリカ | 約8.1% (2024年通年, EV計) |
日本(登録車) | 約1.7% (2024年通年, BEVのみ) |
世界 | 約20% (2024年通年, EV計) |
▼なぜ日本ではBEVがまだ少ないの?
いくつかの理由が考えられます。最大の理由は、ハイブリッド車(HV)が非常に高性能で人気が高いことでしょう。燃費が良く、給油の心配もないHVは、多くの日本人にとって非常に完成度の高い「エコカー」と認識されています。また、マンションなど集合住宅に住む人が多く、自宅で手軽に充電できる環境が整っていないケースが多いことや、地方ではまだ急速充電器の数が十分ではないという不安感も、BEVの普及を緩やかにしている一因かもしれません。
▼ランドクルーザーSeのような大型BEVは日本で受け入れられる?
この状況で、ランドクルーザーSeのような大型・高価格帯のBEVが日本でどう受け入れられるかは、興味深いポイントです。おそらく、誰もが気軽に買うクルマにはならないでしょう。しかし、戸建て住宅に住み、自宅で充電設備を整えられる富裕層にとっては、非常に魅力的な選択肢になる可能性があります。その圧倒的な静粛性やスムーズな加速性能、そして「ランドクルーザー」というブランドが持つ特別な価値は、価格以上の満足感を与えてくれるかもしれません。爆発的なヒットとはならなくても、新しい時代の高級車として、一定の市場を築いていくのではないでしょうか。