RAV4のガソリンで後悔しない:ハイブリッドとの違い早見表

RAV4のガソリンで後悔するか?ハイブリッドとどっちがいい? トヨタ

「RAV4のガソリンモデルを選んで後悔しないだろうか?」──これは、RAV4の購入を検討している多くの方が一度は抱く疑問ではないでしょうか。優れた走行性能と使い勝手で人気のRAV4ですが、ガソリン車とハイブリッド車、どちらを選ぶべきかという問題は非常に悩ましいものです。

ハイブリッドの優れた燃費性能は魅力的ですが、その分、車両価格は高くなります。一方で、価格の安いガソリン車を選んで、後々の燃費やパワー、静粛性に不満を感じてしまったら…と考えると、なかなか決断できませんよね。「本当にガソリンで十分なのだろうか?」と迷うのも当然です。

この記事では、そんなあなたの悩みを解決するため、RAV4のガソリン車とハイブリッド車の違いを徹底的に比較し、あらゆる角度から分かりやすく解説していきます。読み終わる頃には、あなたにとって最高の選択がクリアになっているはずです。

▼この記事でわかること

  • 一目で分かる、ガソリンとハイブリッドのスペックの決定的な違い
  • 実際の乗り心地や静粛性にどれくらい差があるのか
  • 燃費と価格差を計算!元を取るには何キロ走る必要があるのか
  • ヘッドライトや内装など、意外と知られていない見た目の違い
  • あなたの使い方に合った「後悔しない選び方」の最終結論

RAV4のガソリンとハイブリッド:後悔しないための一目で分かる一覧表

RAV4のガソリン車とハイブリッド車の違いは、約64万円の価格差を筆頭に、燃費性能、パワー、そして一部の装備にあります。ハイブリッドはモーターによる力強い出足と静かさが魅力ですが、ガソリン車にも独自の4WDシステムなど選ぶ価値がしっかり存在します。どちらが良いかは、あなたのカーライフにどちらの特性がフィットするかで見えてきますよ。

まずは、ふたつのパワートレインの主な違いを一覧表で見ていきましょう。この表を見るだけでも、それぞれの得意なこと、苦手なことがなんとなく掴めるはずです。

比較軸 ガソリン(2.0L) ハイブリッド(2.5L + モーター/E-Four)
システム最高出力 126kW(171PS)
※エンジン
163kW(222PS)
WLTC燃費 15.2km/L 20.3–20.6km/L
車両価格帯(税込) 3,237,300–3,912,700円 3,859,900–4,532,000円
代表グレード価格差 Gグレード比較 ハイブリッドが638,000円高い
エンジン 2.0L (M20A-FKS) 2.5L (A25A-FXS)
モーター出力(前/後) 88kW / 40kW
変速機 Direct Shift-CVT 電気式無段変速機
駆動方式 機械式4WD E-Four(電気式4WD)
ヘッドライト 3灯式LED Bi-Beam LED
ドライブモード操作 プッシュ式 ダイヤル式

▼意外と知られていない見た目の変化点

かつては「青いエンブレム=ハイブリッド」という見分け方ができましたが、2024年11月の改良でこの青い差し色が廃止され、「Beyond Zero」バッジへと移行しました。そのため、最新モデルではパッと見でハイブリッド車だと見分けるのが少し難しくなっています。見た目の違いは、後述するヘッドライトの方が分かりやすいかもしれません。

▼価格差をどう捉えるか?

約64万円という価格差は決して小さくありません。この差額を燃費の良さだけで取り戻そうとすると、10万kmを優に超える距離を走る必要があります。そのため、「静かな走り」や「スムーズな加速」といった、燃費以外の付加価値にどれだけ魅力を感じるかが、ハイブリッドを選ぶかどうかの大きな判断材料になりそうですね。

RAV4のガソリン:乗り心地は?

RAV4の乗り心地は、ガソリン車とハイブリッド車で基本骨格が同じなため、基本的な乗り味は共通しています。ただし、ハイブリッド車の方が約80〜160kg重いため、その重量感がしっとりとした落ち着きにつながることがあります。むしろ乗り心地の差は、パワートレインの違いよりも、装着されるタイヤのサイズ(17〜19インチ)による影響の方が大きいと言えるでしょう。

クルマの乗り心地は、毎日乗るものだからこそ気になる大切なポイントですよね。RAV4はしっかりとした骨格(TNGA-Kプラットフォーム)のおかげで、どちらを選んでもSUVらしい安定感のある走りを体感できます。その上で、細かな違いがどこにあるのかを見ていきましょう。

  • 基本構造は同じ前ストラット、後ダブルウィッシュボーンというサスペンション形式はどちらも共通です。これにより、揺れが少なく安定した走り(操縦安定性)の素性は同じです。
  • タイヤサイズの影響が一番大きいRAV4はグレードによって17インチ、18インチ、19インチと異なるサイズのタイヤが装着されます。一般的に、タイヤが大きく薄く(扁平に)なるほど、路面の細かなデコボコを拾いやすくなり、「コツコツ」とした硬めの乗り心地に感じる傾向があります。試乗する際は、希望するグレードと同じタイヤサイズの車に乗ってみるのがおすすめです。
  • ハイブリッドの重さがもたらすものハイブリッド車はバッテリーなどを積むため、ガソリン車より少し重くなります。この「重さ」が、路面の細かな凹凸によるクルマの上下動を抑える効果を生み、特に街中などでは、乗り心地がマイルドに感じられることがあります。
  • 口コミから見るそれぞれの印象
    • ハイブリッド:「発進がモーターで静かでスムーズ」「静かな分、タイヤが路面を転がる音(ロードノイズ)が少し気になる」といった声が見られます。
    • ガソリン:「ガソリンエンジンでも十分に静か」「タイヤによっては段差で硬さを感じる」など、評価はタイヤや路面状況によって様々です。

▼後席に乗る人のことも考えてみよう

ご家族や友人を後ろに乗せる機会が多い方は、後席の乗り心地も気になりますよね。一部の口コミでは、「後席だと突き上げ感を少し感じる」という意見も見られます。これは特に19インチタイヤを履いたモデルで感じやすい傾向があるようです。大切な人を乗せるなら、購入前に一度後席にも座って乗り心地を確かめてみると、より後悔のない選択ができるでしょう。

▼乗り心地は「空気圧」で調整できる

意外と見落としがちなのがタイヤの空気圧です。SUVは特に、空気圧が少し違うだけで乗り心地が硬く感じられたり、逆にフワフワしたりすることがあります。もし「ちょっと硬いかな?」と感じたら、まずはガソリンスタンドなどで空気圧が適正値になっているかチェックしてみるのが、手軽にできる乗り心地改善の第一歩ですよ。

RAV4のガソリン:燃費で選ぶと後悔する?

RAV4の燃費は、ハイブリッドがWLTCモードで20.3–20.6km/Lと、ガソリン車の15.2km/Lを大きく上回ります。ただし、Gグレード同士の価格差約64万円を燃料費だけで回収するには、最新のガソリン価格(175.3円/L)で計算すると約21万kmもの走行が必要です。そのため、単純なコスト回収だけでなく、静粛性や走りの質といった付加価値を含めて判断することが大切になります。

クルマ選びで最も気になると言っても過言ではないのが「燃費」と「価格」のバランスですよね。ここでは、具体的な数字を見ながら、どれくらい走ればハイブリッドがお得になるのかをシミュレーションしてみましょう。

▼まずは公式燃費と価格差をおさらい

  • 公式燃費(WLTCモード)
    • ガソリン車 (4WD):15.2km/L
    • ハイブリッド車 (E-Four):20.3–20.6km/L
  • 得意なステージが違う
    • 特に差が大きいのが市街地モードです。ハイブリッド(18.1km/L)はガソリン(11.5km/L)を圧倒します。これは、信号待ちからの発進などでモーターが活躍するためです。
    • 一方、高速道路モードではその差が縮まります(ハイブリッド約20km/L台、ガソリン約17km/L台)。
  • 代表グレードの価格差
    • G(ガソリン4WD)とHYBRID G(E-Four)の価格差は638,000円です。

▼差額回収シミュレーション

では、この638,000円の価格差をガソリン代で取り戻すには、どれくらいの距離が必要になるのでしょうか。ガソリン価格を変えて計算してみました。

ガソリン単価(円/L) 1kmあたりの燃料費差 回収に必要な距離 年間1万km走行時の目安年数
160円 約2.76円 約231,000km 約23.1年
175.3円 約3.02円 約211,000km 約21.1年
190円 約3.28円 約194,700km 約19.5年

※上記はカタログ燃費(WLTC)を基にした単純計算です。

▼実際の燃費(実燃費)で考えると?

ユーザーの報告を見ると、実燃費はガソリン車が10〜13km/L台、ハイブリッド車が平均17.4km/Lあたりになることが多いようです。この実燃費で計算し直すと、回収に必要な距離は約16万km程度まで縮まりますが、それでもかなりの長距離であることに変わりはありません。

▼あなたの乗り方が答えを出す

このシミュレーション結果を見て、「自分にはハイブリッドは合わないかも」と感じた方もいるかもしれません。しかし、これはあくまでお金だけの話。**「街中でのストップ&ゴーが多い」「静かな車内で会話や音楽を楽しみたい」**という方にとっては、ハイブリッドの価値は数字以上に大きいものです。逆に、「高速道路の長距離移動がメイン」「年間の走行距離が短い」「数年でリセールを考えている」という方なら、RAV4ガソリン車の方が経済的な満足度は高いかもしれませんね。

▼見落としがちな税金の差

ハイブリッド車は排気量が2.5L、ガソリン車は2.0Lのため、毎年支払う自動車税にも差が出ます。ハイブリッドの方が年間で7,500円高くなります。これも維持費の一部として頭に入れておくと、より正確なコスト比較ができますよ。

RAV4のガソリンとハイブリッド:見た目の違いは?

RAV4のガソリン車とハイブリッド車の見た目における最大の違いは、キリっとした印象を与える「ヘッドライト」のデザインです。ハイブリッド車にはBi-Beam(バイビーム)LEDが、ガソリン車には3灯式LEDが採用されています。かつてハイブリッドの象徴だったエンブレムの青い差し色は最新モデルで廃止され、全体的な外観の差は小さくなっています。むしろ、見た目の印象はガソリンかハイブリッドかの違いよりも「グレード」による違いの方が大きいと言えるでしょう。

クルマの「顔」とも言えるフロントマスク。毎日見るものだから、デザインは妥協したくないですよね。ここでは、最新モデル(2024年11月改良後)の見た目の違いを詳しく解説します。

  • 一番分かりやすいのは「目元」
    • ハイブリッド:1つの光源でハイビームとロービームを切り替える**「Bi-Beam LED」**を採用。すっきりとしてシャープな印象を与えます。
    • ガソリン:3つのLEDランプが並ぶ**「3灯式LED」**。メカニカルで力強い目つきが特徴です。(ただしadventure特別仕様車にはBi-Beam LEDの採用があります)このヘッドライトの違いが、フロント全体の印象を大きく左右します。
  • 【要注意】エンブレムの「青色」はもう無い従来モデルでは、トヨタエンブレムの背景が青いのがハイブリッド車の目印でした。しかし、2024年11月の改良でこの仕様は廃止され、代わりに「Beyond Zero」という小さなバッジが装着されるようになりました。そのため、中古車市場などで古い情報を見た際は注意が必要です。
  • インテリアの小さな違い運転席に座ると、センターコンソールにあるドライブモードセレクターの形が違います。
    • ハイブリッド:クルクルと回すダイヤル式
    • ガソリン:カチカチと押すプッシュ式どちらも操作性に優れていますが、見た目の質感が少し異なります。
  • 見た目の印象は「グレード」で決まる:実は、RAV4の外観はガソリンかハイブリッドかよりもグレードによる違いの方がはるかに大きいです。例えば、アクティブな印象の「Adventure」や、都会的な「G“Z package”」など、グレードによってフロントグリルやバンパー、ホイールのデザインが全く異なります。もし見た目にこだわりたいなら、まず好みのデザインのグレードを決めてから、ガソリンとハイブリッドのどちらにするかを選ぶ、という手順もおすすめですよ。

RAV4のガソリン:静粛性は?

RAV4の静粛性は、信号待ちからの発進や低速走行時など、モーターだけで走れる場面が多いハイブリッド車に優位性があります。エンジン音がしないため、車内はとても静かです。しかし、速度が上がって風切り音やタイヤの音が大きくなる高速道路などでは、その差は小さくなる傾向にあります。静かさの感じ方は、走るステージや路面状況、そして装着するタイヤによって大きく変わってきます。

大切な人との会話や好きな音楽を楽しみながらドライブしたい…。そんなとき、車内の静かさはとても重要ですよね。ここでは、RAV4のガソリン車とハイブリッド車の「音」に関する違いを深掘りしていきます。

  • 静かさが際立つのは「街中」:ハイブリッド車の最大の強みは、低速時にエンジンを止めてモーターだけで走行できることです。信号待ちでエンジンが完全に停止し、発進時もスーッと滑らかに動き出す感覚は、一度味わうとやみつきになるかもしれません。この静かさは、特に渋滞の多い街中を走るときに、運転のストレスを和らげてくれます。
  • 静かなゆえに気になる音も?:皮肉なことに、ハイブリッド車はエンジン音が静かな分、これまで気にならなかった別の音が耳につくことがあります。それが、タイヤが路面を転がる**「ロードノイズ」や、高速走行時の「風切り音」**です。特に、ゴツゴツしたスタッドレスタイヤを履く冬場は、ロードノイズが大きく感じられるという声もあります。
  • ガソリン車の音の印象:最近のガソリンエンジンはとても静かになっており、RAV4も例外ではありません。普通に走っている分には、うるさいと感じることは少ないでしょう。ただし、急な坂道や高速道路での合流などで強くアクセルを踏み込むと、CVTの特性上、エンジン回転数が先にグンと上がり、「ウォーン」という音が少し大きく感じられる場面もあります。
  • タイヤ選びが静粛性の鍵:乗り心地の項目でも触れましたが、静粛性においてもタイヤは非常に重要な役割を担っています。一般的に、インチが大きく、スポーツ性能を重視したタイヤほどうるさくなる傾向があります。逆に、静粛性を重視した「コンフォートタイヤ」と呼ばれる種類を選ぶと、ロードノイズを大幅に減らすことができます。

▼**「うるさい」という噂の真相は?**

インターネット上では「RAV4はうるさい」といった意見を見かけることもありますが、これは比較する対象や個人の感じ方によるところが大きいようです。同クラスのSUVと比較すれば、RAV4の静粛性は標準的なレベルと言えるでしょう。もし静粛性を最優先するなら、より上級クラスの車種(例えばハリアーなど)と比較してみるのも一つの手です。

▼アクセサリーが音の原因になることも

見落としがちなのが、後から付けたアクセサリーの影響です。特に、屋根の上に取り付けるルーフラックやルーフボックスは、高速走行時に風切り音を発生させる大きな原因になります。アウトドアを楽しむために必要な装備ですが、音に敏感な方はその点を少し意識しておくと良いかもしれません。

RAV4のガソリンとハイブリッド:パワーは?【一目で分かる一覧表】

RAV4のパワーは、エンジンとモーターを合わせたシステム最高出力が222PSに達するハイブリッド車が、ガソリン車の171PSを大きく上回ります。この差は、特に発進時や合流加速といった場面で、モーターアシストによる力強くスムーズな加速感として体感できます。

「SUVに乗るなら、やっぱりパワフルな走りがいい!」そう考える方も多いのではないでしょうか。スペックの数字だけでは分かりにくい、実際の走行シーンでのパワー感の違いを、表を交えながら解説していきます。

▼スペック比較:パワー&加速指標

比較軸 ガソリン 2.0L(4WD) ハイブリッド 2.5L(E-Four)
エンジン最高出力 126kW(171PS) 131kW(178PS)
システム最高出力 163kW(222PS)
エンジン最大トルク 207Nm 221Nm
モーター最大トルク(前/後) 202Nm / 121Nm
0–100km/h加速(参考実測) (※約8.5–9秒台) (※約7.6–8秒台)

※0–100km/h加速は海外メディア(Car and Driver)の0-60mph実測タイムを換算した参考値です。くわえて米国RAV4ガソリン車は2.5L/8AT、日本は2.0L/CVTなので完全一致はしません。あくまで海外の参考例として提示しています。

▼シーン別パワー感の違い

  • 街中のストップ&ゴーハイブリッドの真骨頂です。信号が青に変わってアクセルを軽く踏んだ瞬間から、モーターが力強いトルクを発生させるため、重さを感じさせずスッと前に出てくれます。ガソリン車も十分な性能ですが、この「ひと蹴り」の軽快感はハイブリッドならではの魅力です。
  • 高速道路の合流・追い越し本線に合流する時や、前の車を追い越す時など、グッと加速したい場面でもハイブリッドの余裕が光ります。システム全体で222PSを発揮し、スムーズに速度を乗せていくことができます。ガソリン車も力不足ということは全くありませんが、より静かで力強い加速を求めるならハイブリッドに軍配が上がります。
  • 坂道や雪道での安定感ハイブリッド車が搭載する電気式4WD「E-Four」は、滑りやすい路面での発進などで、後輪をモーターで瞬時に力強く駆動させることができます。前後100:0から20:80まで駆動力を自在に変化させられるため、雪の積もった坂道発進などでも安定感が高いのが特徴です。

▼CVTのフィーリングの違い

ガソリン車に搭載されている「Direct Shift-CVT」は、発進用にギアを追加することでダイレクトな加速感を実現しています。アクセルの操作にリニアに反応する感覚を好む方もいるでしょう。一方、ハイブリッドの電気式無段変速機はどこまでもスムーズなのが特徴ですが、人によっては加速時のエンジン音の高まりが少し気になるかもしれません。これは好みが分かれる部分なので、ぜひ試乗で体感してみてください。

▼参考:PHEVはさらにパワフル

RAV4には、さらにパワフルな「PHV(プラグインハイブリッド)」モデルも存在します。こちらは0-100km/h加速が約6.0秒という、スポーツカーに迫る俊足の持ち主です。今回の比較対象とはキャラクターが異なりますが、圧倒的な速さを求めるなら、こんな選択肢もあると知っておくと面白いかもしれませんね。

RAV4のガソリンに比べたハイブリッドの欠点は無い?【一目で分かる一覧表】

RAV4のハイブリッド車の欠点は、約64万円という購入価格の高さが最大のポイントです。その他にも、毎年かかる自動車税がガソリン車より7,500円高いこと、独特のブレーキフィールに好みが分かれること、そして長期的に見ると駆動用バッテリー交換の費用がかかる可能性などが挙げられます。

どんなに良いクルマにも、必ずメリットとデメリットがあります。ハイブリッドの魅力的な部分だけでなく、少し気になる点もしっかりと把握しておくことで、購入後の「こんなはずじゃなかった…」を防ぐことができます。ここでは、ガソリン車と比べた際のハイブリッドの弱点を正直に見ていきましょう。

欠点ポイント(ハイブリッド視点) 内容・影響
購入価格が高い Gグレード同士の比較で約63.8万円高い。初期費用を抑えたい方には大きな壁。
自動車税がやや高い ハイブリッドは2.5L、ガソリンは2.0Lのため、年間の税金が7,500円高い。
燃料費での差額回収が大変 年間走行距離が少ない場合や数年でリセールを考えている場合は、価格差をガソリン代で取り戻すのは非常に難しい。
ブレーキフィールに癖がある エネルギーを回収する「回生ブレーキ」のため、停止直前の感覚がガソリン車と少し違う。
将来のバッテリー交換費用 保証は5年または10万km。保証が切れた後の交換は数十万円かかる可能性がある。
4WDシステムの特性の違い ガソリン上級グレードの「DTVC-AWD」は、より悪路走破性やスポーティな走りに特化している。
静かさのメリットが薄れる場面も 高速道路では風切り音やロードノイズが主役になり、ガソリン車との静粛性の差が縮まる。
車両保険料が上がる可能性 車両価格が高いと、それに連動して車両保険の保険料も高くなる傾向がある。

▼欠点ではないポイント

  • 荷室の広さは同じ:ハイブリッドだからといって荷室が狭くなることはありません。どちらも広々とした580Lの容量を確保しています。
  • スペアタイヤも選べる:パンク修理キットが主流ですが、オプションで応急用スペアタイヤを搭載することも可能です(ガソリン/ハイブリッド共通)。

▼ブレーキの感覚は慣れが必要かも

ハイブリッド車の「回生協調ブレーキ」は、ブレーキペダルを踏むと、まずモーターで発電してエネルギーを回収し、さらに強く踏むと通常のブレーキが作動する仕組みです。この切り替わりの感覚や、停止寸前の「カックン」とした動きに違和感を覚える方もいるようです。ほとんどの方はすぐに慣れると言われていますが、ここは試乗の際にしっかりと確認しておきたいポイントですね。

▼長期的な視点を持つことの大切さ

特に10年以上乗り続けることを考えている方は、駆動用バッテリーの寿命を少しだけ意識しておくと安心です。トヨタのハイブリッドシステムは非常に信頼性が高いですが、バッテリーも消耗品であることに変わりはありません。新車から5年または10万kmの特別保証が付いていますが、その後の交換費用(20〜60万円程度が目安) も、クルマの生涯コストとして念頭に置いておくと、より計画的なカーライフを送れるでしょう。

【結論】RAV4はガソリンで十分?後悔しない?

RAV4は、年間走行距離が少なく高速道路や郊外路の走行が中心で、予算を抑えつつ機械式4WDの走りを楽しみたい方なら、ガソリン車で十分満足できる可能性が高いです。一方で、街中でのストップ&ゴーが多く、静かでスムーズな発進加速に価値を感じる方や、雪道などでの安定性を重視する方にはハイブリッド車が強くおすすめできます。最終的には、燃費という数字だけでなく、あなたの使い方や走りの好みにどちらが合っているかで判断するのが後悔しないための鍵となります。

さて、ここまで様々な角度からRAV4のガソリン車とハイブリッド車を比較してきました。最後に、あなたがどちらを選ぶべきか、具体的なライフスタイルをイメージしながら結論を出していきましょう。

▼こんなあなたには「ガソリン車」がおすすめ!

  1. クルマを使うのは週末の遠出がメイン高速道路など、一定の速度で走り続けることが多いなら、ハイブリッドの燃費メリットが薄れ、ガソリン車でも十分に良い燃費が期待できます。
  2. 年間の走行距離が1万km以下走行距離が短い場合や数年でリセールを計画している場合、RAV4ハイブリッドの高い車両価格を燃料費で取り戻すのは困難です。初期費用を抑えられるガソリン車の方が、トータルコストで有利になるでしょう。
  3. 「Adventure」グレードの走りに魅力を感じるガソリンの上級グレードに設定される4WDシステム「ダイナミックトルクベクタリングAWD」は、後輪の左右に伝える力を自在に変えることができ、カーブなどでグイグイ曲がる楽しい走り味を持っています。この走りのキャラクターを重視するなら、ガソリン車を選ぶ価値は十分にあります。
  4. 昔ながらのダイレクトな運転感覚が好きアクセルを踏んだ時のエンジン回転数の上昇と加速感が一致する、ガソリン車+Direct Shift-CVTのフィーリングを好む方もいるでしょう。

▼こんなあなたには「ハイブリッド車」がおすすめ!

  1. 毎日の通勤や買い物など、街乗りが中心渋滞や信号待ちが多い環境では、モーター走行が活きるハイブリッドの燃費性能と静粛性が最大限に発揮されます。
  2. 静かで上質な乗り味を重視する発進時の静かさや、加速のスムーズさは同乗者にも喜ばれるポイントです。車内での会話を大切にしたい方にもぴったりです。
  3. 雪国にお住まい、またはウィンタースポーツを楽しむ後輪をモーターで力強く駆動する「E-Four」は、滑りやすい雪道での発進などで高い安定性を誇ります。安心感を求めるなら、E-Fourは頼もしい味方になってくれます。
  4. 少しでも環境に優しい選択をしたい燃費が良いということは、CO2の排出量が少ないということでもあります。環境への配慮もクルマ選びの大切な基準と考える方には、ハイブリッドが適しています。

▼後悔しないための最終チェックリスト

迷ったら、ぜひこの2点を実行してみてください。

  • 必ず「同じグレード」で試乗する:例えば「G」グレードで比較したいなら、ガソリンの「G」とハイブリッドの「HYBRID G」の両方に乗ってみましょう。タイヤサイズが違うと乗り心地の印象が大きく変わってしまうため、できるだけ条件を揃えるのがポイントです。
  • ブレーキの感覚を確かめる:試乗の際は、少し意識してブレーキペダルを踏んでみてください。特に停止寸前のハイブリッド特有の感覚が、ご自身に合うかどうかを確認しておくと安心です。

▼**「燃費」という呪縛から一度離れてみる**

RAV4選びは、つい「燃費で元が取れるか」という視点になりがちですが、クルマの価値はそれだけではありません。ガソリン車には操る楽しさがあり、ハイブリッド車には快適さと先進性があります。どちらも荷室の広さなど実用性は全く同じです。あなたのカーライフを一番豊かにしてくれるのはどちらか、という視点で選んでみてください。きっと、あなたにぴったりの一台が見つかるはずです。

RAV4はガソリンかハイブリッドか:後悔しない記事まとめ