ランクル70ナローの再再販はある?海外は有るのに無い理由

ランクル70ナローの再再販は? トヨタ

ランクル70のナロー再再販について、その可能性が気になる方も多いのではないでしょうか。

2023年に日本で待望の「継続販売モデル」として復活したランドクルーザー“70”。しかし、現行ラインナップはオーバーフェンダーを備えた全幅1,870mmの「ワイドボディ(AXグレード)」のみとなっています。

「かつてのような細身のナローは出ないの?」 「海外にはナローがあるって本当?」 「もしあるなら、なぜ日本にはないの?」

そんな素朴な疑問が浮かんできますよね。

この記事では、専門家ではない筆者が、皆さんの代わりにトヨタの公式情報や国内のイベント情報、海外のラインナップ事情などを調査。「ランクル70ナロー」に関する気になる情報を、初心者の方にも分かりやすく整理してまとめます。

この記事でわかること

  • ナローボディ再再販に関する「公式発表」の現状
  • イベント展示など、将来に期待が持てる「観測情報」
  • なぜ海外にはナローが「存在し続ける」のか
  • なぜ日本にはナローが「ラインナップされない」のか

ランクル70ナローの再再販はありますか?

ランクル70ナローの再再販に関するトヨタからの公式発表は、現時点(2025年10月調査時点)ではありません。ただし、国内イベントでの海外仕様ナローボディの展示事例が確認されており、これらが市場調査の一環である可能性も報道されているため、将来的な可能性が完全にゼロとは言い切れない状況、というのが現実的な見方とされています。

継続販売(GDJ76)のサイズ

まず大切なのは、今、日本で公式に販売されているモデルを知ることです。

2023年11月から継続販売されているランドクルーザー“70”は、「AX」という一つのグレードが基本です。
ランクル70価格・グレード

このモデルの車幅(全幅)は1,870mmとなっています。これは、タイヤ周りを覆う「オーバーフェンダー」が標準で装備されているためです。現行モデルは、良くも悪くも「この仕様(ワイド)しかない」という状態です。ナローにこだわりがない場合は、このAXグレードを検討するのが現実的な選択肢と言えそうです。

海外(豪州)のナローボディ事情

日本にはナロー設定がありませんが、目を海外に向けると事情が少し異なります。

例えばオーストラリア市場では、同じランクル70シリーズの中に、複数の仕様が存在しているようです。

その中には、全幅が約1,790mmとされるグレード(WorkMate系など)が含まれているとの情報があります。

これは、日本の現行モデル(1,870mm)と比べると、かなり細身な設計ですね。

もちろん、オーストラリアにも日本と同じ1,870mm幅のグレードも併存しているようです。

海外では、用途に応じてワイドとナローがラインナップされ続けている、という状況がうかがえます。

▼海外仕様から見えること
海外にナロー仕様が現存するという事実は、ナローを待つファンにとって少し希望が持てる情報かもしれません。ただし、それはあくまで海外の事情や需要に基づいたもの、という点は冷静に見ておく必要がありそうです。

イベント展示は再再販の伏線?

ナロー再再販の期待が高まるきっかけとなったのが、国内の自動車イベントでの展示です。

2024年7月の「群馬パーツショー」や、2025年1月の「東京オートサロン」といったイベントで、海外仕様のナローボディ車が展示され、話題を集めたと報じられています。

特にオートサロンでは、オーストラリア仕様のナローモデルが展示されたとのことです。

これら一連の動きについて、一部のメディアでは「トヨタが市場の反応を探っているのではないか」という見方(観測気球)が示唆されました。

▼この情報の受け取り方
あくまで「展示」であり、「発売決定」ではない点に注意が必要です。とはいえ、メーカー関連の動きとしてナローが国内で披露された事実は、単なる噂話よりも一歩進んだ情報として注目されています。

ナロー再再販のハードルとは

では、なぜすぐにナローが発売されないのでしょうか。そこにはいくつかの「ハードル」があると考えられています。

一つは、生産や管理の複雑さです。

現在の日本仕様は「AX」グレードに集中させることで、注文が殺到する中での供給をなるべく安定させようとしている意図がうかがえます。
ランクル70価格・グレード
ここにナロー仕様を追加すると、部品や生産ライン、認証手続きなどが複雑になり、コストや時間がかかる可能性があります。

もう一つは、法律(保安基準)への対応です。

近年の改正が相次いだこともあり、ナローボディ専用のバンパーや安全装備などを、現在の日本の基準に改めて適合させる必要があるかもしれません。ワイドとナローでは別の規格になるため、適合するためのコストが余計にかかると予想されています。(道路運送車両の保安基準

さらに、日本と海外の需要の違いも影響しているかもしれません。

海外(特に豪州など)では、鉱山や農場などで使われる「作業車」としての需要が根強く、シンプルなナローボディに合理性があるようです。一方、日本の需要は個人ユーザーが中心と見られ、装備の充実したワイドボディが優先された可能性があります。

▼私たちの視点
「欲しい」という声だけでは動かせない、メーカー側の事情(コストや法律)がある、ということのようです。このハードルを越えるほどの強い需要や生産ラインが日本市場にあるかどうかが、鍵となりそうです。

ナロー化カスタムと受注再開情報

ナローの登場を待つ間、私たちはどうすれば良いのでしょうか。いくつか情報を整理します。

公式情報を待つ
最も確実なのは、トヨタ自動車の公式サイトやニュースルームを定期的に確認することです。
現時点では、販売店などに問い合わせても「未定」という回答になる可能性が高いと考えられます。

海外モデルの並行輸入は?
海外のナローモデルを個人で輸入(並行輸入)することは、制度上は可能かもしれませんが、非常に難易度が高いとされています。日本の保安基準や排出ガス規制に適合させる必要があり、専門業者への相談が不可欠です。

現行モデルをナロー風にできる?
現在販売されているワイドボディ(AX)のオーバーフェンダーを外す「ナロー風カスタム」も考えられます。しかし、これも注意が必要です。

フェンダーを外すことでタイヤがボディからはみ出すと、保安基準に適合しなくなる可能性があります。合法的に行うには、タイヤやホイールの変更、場合によっては「構造変更手続き」が必要になるため、専門知識を持つショップへの相談が必須です。

▼車選択メモのまとめ
確実な情報を待つのが一番ですが、「どうしても」という場合は並行輸入やカスタムという選択肢もゼロではありません。ただし、どちらも相応のコストと専門知識、そして法規順守の意識が求められる、ということは覚えておきたいポイントです。

なぜ海外のランクル70ナローはあるのに、日本のランクル70ナローはなくなったのか

日本のランクル70ナロー設定がなくなった(現行モデルで採用されなかった)明確な単独の理由はトヨタから公式に明言されていません。しかし、海外(特にオーストラリアなど)で作業車用途として1,790mm幅のナロー相当モデルが存続しているのに対し、日本では「保安基準への対応コスト」、「供給安定化のための1グレード集中戦略」、「個人ユーザー中心の市場構造」といった複数の要因が複合的に絡み合い、結果としてワイドボディ(1,870mm)のみに絞られた、と分析されています。

理由1:保安基準(法律)の壁

ナローモデルを日本で販売する上で、大きな壁の一つとされるのが「保安基準(法律)」への対応です。

近年、自動車に求められる安全基準は年々厳しくなっており、特に歩行者を保護するための基準(バンパーの形状など)が強化されている背景があります。

もしナローモデルを出す場合、ナロー専用のバンパーや灯火類の位置などを、改めて現在の日本の基準に適合させる必要が出てくるかもしれません。

また、タイヤのはみ出し(ハミタイ)も重要なポイントです。現行の日本仕様(AX)は、幅の広い「265/70R16」というタイヤを履き、それを「オーバーフェンダー」で覆うことで基準に適合させています。

仮にオーバーフェンダーのないナローボディにする場合、タイヤやホイールの設計自体を見直さないと、タイヤがはみ出して法律違反になってしまう可能性があるのです。

これら一つ一つに対応するには、多くのコストと時間がかかると予想されます。

▼法律の壁は厚い?
昔の車が今の基準では売れないことがあるように、70も「継続」販売モデルとして、現代の厳しい安全基準をクリアする必要があったわけですね。ワイドボディ化は、その最適解の一つだったのかもしれません。

理由2:供給優先と納期への影響

メーカー側の「商品企画」や「生産」の都合も、大きな理由の一つと考えられています。

ご存知の通り、新型ランクル70は発売直後から注文が殺到し、供給が追いつかない状況が続いていると報じられています。このような状況下で、トヨタは日本仕様を「AX」という1グレード(ワンバリエーション)に絞りました。

安全装備(Toyota Safety Sense)なども標準化し、仕様をシンプルにしています。

これは、生産ラインや部品管理、在庫、そして法規認証などをなるべく複雑にせず、少しでもスムーズに供給しようとする戦略(選択と集中)と見ることができます。ここにナロー仕様という「別の仕様」を追加することは、この戦略に逆行し、さらなるコスト増や混乱を招く可能性があったのかもしれません。

▼購入者側から見ると
「色々選べた方がいい」と思うのが普通ですが、メーカー側には「まず1台でも多く確実に届けたい」という事情があるようです。ナローの追加は、この供給問題が落ち着いてからの話になる、と考えるのが自然かもしれません。

理由3:日本と海外(豪州)の需要差

そもそも、日本と海外ではランクル70に求められる「役割」が少し異なるようです。

オーストラリアなどでは、ランクル70は今でも鉱山や広大な農場、公的機関などで使われる「本物の作業車(ワークホース)」としての需要が非常に大きいとされています。

そうした現場では、飾り気のないシンプルな装備で、狭い場所にも入りやすい「細身のボディ(ナロー相当)」が合理的な選択肢として根強く残っているのです。

一方、日本の場合はどうでしょうか。

もちろんお仕事で使われる方もいますが、多くは個人ユーザーが趣味やレジャー、日常の足として使う「乗用車」としてのニーズが中心と見られています。

その場合、見た目の迫力や走行時の安定感につながる「ワイドボディ+オーバーフェンダー」という組み合わせの方が、市場の好みに合いやすい、と判断された可能性があります。

▼「道具」か「愛車」か
同じランクル70でも、海外ではタフな「道具」として、日本では愛着を注ぐ「愛車」としての側面が強いのかもしれません。その需要の違いが、ボディ幅の違いに表れていると考えると分かりやすいですね。

Q&A:ナロー化

ナローとワイドに関して、よく聞かれる疑問についても整理しておきましょう。

Q. 今のAXのフェンダーを外せば、簡単にナロー化できますか?

A. そのまま外すだけでは、保安基準違反(違法改造)になる可能性が非常に高いです。
日本には「タイヤのはみ出し」に関する厳しい基準があります。
保安基準・細目(外装等)

AX標準の太いタイヤ(265/70R16)は、オーバーフェンダーがある前提で装着されています。フェンダーを外すとタイヤがボディから突出してしまう可能性が高く、そのまま公道を走ることはできません。

合法的に行うには、細いタイヤや適切なホイールへの交換、構造変更手続きなど、専門的な対応が必要になります。

▼まとめとしての考察
日本でナローがなくなった(採用されなかった)のは、「法律」「コスト」「需要」という複数の現実的な理由が重なった結果と言えそうです。海外にナローが残り続けているのは、日本とは異なる「作業車」としての明確な需要があるから、という背景が見えてきますね。