アウトランダーPHEV充電なしの燃費は?後悔しない徹底解説

アウトランダーPHEV充電なしの燃費は?後悔しない徹底解説 三菱

「アウトランダーphevの燃費は、充電なしだとどうなるの?」という疑問は、この素晴らしいPHEV(プラグインハイブリッド車)を検討している多くの方が抱く、とても大切なポイントですよね。充電できる環境がない、または長距離移動が多くてガソリン走行がメインになるかもしれない、そんな状況でも本当に「使える」のか、気になるところだと思います。

特に、アウトランダーPHEVはガソリンのみでの燃費や、高速道路での燃費、さらにはバッテリー残量を維持するセーブモードや、積極的に発電するチャージモードでの燃費など、特殊な走行モードがあるため、従来のガソリン車とは少し考え方が異なります。また、もしバッテリーが空に近くなる「電欠」状態になったらどうなるのか、不安に思う方もいるかもしれません。

この記事では、そんなあなたの疑問や不安を解消するために、車マニアの視点からアウトランダーPHEVの「充電しない」使い方に焦点を当てて、その実力を徹底的に解説していきます。

この記事でわかること

  • 充電なしで走行した時の具体的な燃費の目安
  • ガソリン代と電気代を含めたトータルコストの考え方
  • 燃費が良くなる走り方と悪くなる条件
  • 「セーブモード」と「チャージモード」の効果的な使い分け
  • 自宅での200V充電や急速充電の料金に関する知識

アウトランダーPHEVの実態と燃費の考え方

多くの方が気になる、アウトランダーPHEVの充電なしでの燃費ですが、結論から言うと「ハイブリッド車(HEV)として問題なく走れる」というのが答えになります。バッテリーの電気がなくなっても、エンジンが発電してモーターを動かしたり、状況に応じてエンジンが直接タイヤを駆動したりするため、走行不能になることはありません。ここではその実態と、燃費の正しい考え方について見ていきましょう。

まず、「充電なし」とは、外部からの充電をせず、ガソリン給油のみで運用することを指します。この場合、アウトランダーPHEVはエンジンで発電し、その電気でモーターを駆動する「シリーズ走行」や、高速走行時にエンジンが主役となる「パラレル走行(エンジン直結)」を自動で切り替えながら走る、高性能なハイブリッド車として機能します。

ただし、その燃費は乗り方や環境によって大きく変動します。カタログに記載されているWLTCモード燃費はあくまで特定の条件下での測定値。実際の燃費は、市街地や高速道路といった走行シーン、エアコンの使用状況、特に冬場の暖房、そして回生ブレーキ(減速時のエネルギーを電気に変える機能)の上手な使い方など、様々な要因に左右されるのです。

【オーナー評価傾向】 充電なし(ハイブリッドモード)での運用が中心のオーナーの報告を見ると、実燃費は季節や道路状況に応じておおむね13km/L~16km/Lの範囲に収まることが多いようです。これはWLTCモードの数値を下回りますが、2トンを超える車重の四輪駆動SUVとしては、十分に良好な数値と評価できるでしょう。

【車選択メモの考察】 PHEVの最大の魅力は、電気自動車(EV)としての静かで滑らかな走りや、外部から充電した電気による燃料費の安さです。充電せずにハイブリッド車として使うことも十分可能ですが、その場合はPHEVならではのメリットが少し薄れてしまう点は理解しておく必要があります。ご自身の使い方で、充電するメリットと手間を天秤にかけることが、満足のいくカーライフに繋がるでしょう。

アウトランダーPHEVの費用と運用最適化(SAVE/CHARGE・電気代/ガソリン代)

アウトランダーPHEVの維持費を考えるとき、ガソリン代だけでなく電気代も考慮に入れると、より賢い運用が見えてきます。特に、バッテリー残量をコントロールする「SAVEモード」と「CHARGEモード」は、アウトランダーPHEVの充電なし燃費を最適化する上で欠かせない機能です。これらのモードをうまく使いこなすことで、トータルの費用を抑えることが可能になります。

全体の費用は、「ガソリン代」と「電気代(自宅充電や外部充電)」の合計で考えます。SAVEモード(バッテリー残量を維持するモード)は、例えば高速道路を走行後、静かに走りたい市街地でEV走行するためにバッテリーを温存したい、といった場面で役立ちます。一方、CHARGEモード(エンジンを使って積極的に充電するモード)は、山道の登坂前に力強いモーターアシストを得るために、あらかじめ電力を確保しておくような使い方が考えられます。

ただし、CHARGEモードを多用すると、発電のためにエンジンが余分に働くため、その分ガソリンを消費し、見かけ上の燃費は悪化する傾向にあります。大切なのは、これから走る道の状況を予測して、最適なモードを事前に選んでおくことです。

【なぜ分析】 なぜモードの使い分けが重要かというと、アウトランダーPHEVは「電気とガソリンのどちらを、どの場面で使うのが最も効率的か」をドライバーがある程度コントロールできるからです。例えば、ガソリン代よりも深夜電力の電気代が安い場合、自宅で充電した電気を積極的に使い、ガソリン消費を抑えるのが経済的です。充電なしで運用する場合でも、高速道路などエンジン効率の良い場面でCHARGEモードを使っておき、燃費が悪化しがちな市街地でEV走行に切り替える、といった工夫が考えられます。

【数値で見る】ガソリンと電気のコスト比較シミュレーション

言葉だけでは分かりにくいので、最新の公式データや市場価格を基にコストを比較してみましょう。

【前提条件】

  • ガソリン価格:174.2円/L (※1)
  • 自宅の電気料金(深夜電力):20円/kWh (契約プランによる例)
  • ハイブリッド走行時の燃費:17.6km/L (WLTCモード・Mグレード)(※2)
  • EV走行時の電費:4.59km/kWh (WLTCモード参考値)(※2)

【100km走行あたりのコスト比較】

燃料 計算式 100kmあたりのコスト
ガソリンのみ (100km ÷ 17.6km/L) × 174.2円/L 約990円
電気のみ(自宅夜間) (100km ÷ 4.59km/kWh) × 20円/kWh 約436円

このように、最新の数値を基に計算しても、自宅で安価な夜間電力を利用して充電した場合、走行コストをガソリンのみの場合の半分以下に抑えられることがわかります。ちなみに、バッテリーを空の状態から満充電(20kWh)にするための電気代は、深夜電力(20円/kWh)なら約400円です。

<small>※1 2025年8月25日時点のレギュラーガソリン全国平均価格を参考。 ※2 アウトランダーPHEVの公式諸元(Mグレード)および関連データを参考。WLTCモードでの等価EVレンジは、Mグレードで106km、G/Pグレードで102kmです。</small>

アウトランダーPHEVは充電しないとどうなる?

「もし充電を全くしなかったら、何か問題は起きるの?」と心配されるかもしれませんが、全く問題ありません。アウトランダーPHEVは、駆動用バッテリーの残量が少なくなると、自動的にエンジンを始動させてハイブリッド車として走行を続けます。

【オーナー評価傾向】 実際に充電せずに運用しているオーナーからは、「普通のハイブリッド車として快適に乗れている」「給油さえしていれば、電欠の心配は全くない」といった声が多く聞かれます。一方で、「せっかくのPHEVなので、やはり充電してこそ真価が発揮される」という意見も少なくありません。

アウトランダーPHEVのガソリン走行時の挙動

充電がない状態でのアウトランダーPHEVは、主に3つの走行モードを状況に応じて自動で使い分けています。それぞれの特徴を理解すると、より燃費の良い運転に繋がります。

走行モード 主な使われ方 特徴
シリーズ走行モード 発進時、市街地走行など エンジンは発電に専念し、その電気でモーターを駆動して走行。滑らかで力強い加速が魅力です。
パラレル走行モード 高速道路での巡航など エンジンの力が得意な速度域で、エンジンが主体となってタイヤを駆動。モーターは補助的にアシストします。
EV走行モード バッテリー残量がある時 バッテリーの電気のみでモーターを駆動。エンジンは停止し、静かで排出ガスもありません。

【車選択メモの考察】 この自動切り替え機能が、アウトランダーPHEVが充電なしでも効率的に走れる秘密です。ドライバーは特に意識する必要はありませんが、例えば高速道路でアクセルを一定に保つとパラレル走行モードに入りやすく、燃費が伸びる傾向がある、といったことを知っておくと運転がさらに楽しくなるかもしれません。

WLTC燃費(17.2–17.6km/L)の読み方と実燃費のズレ

カタログに記載されているWLTCモードの燃費は、国際的な測定基準で、「市街地」「郊外」「高速道路」の各モードを平均して算出された数値です。現行アウトランダーPHEVのハイブリッド燃料消費率は17.2~17.6km/L(グレード差)で、例えばMグレードは17.6km/L(市街地モード19.1km/L、郊外モード16.8km/L、高速道路モード17.6km/L)です。

しかし、これはあくまで一定の条件下での数値。実際の燃費は、運転の仕方や環境要因によって、これよりも良くなることもあれば、悪くなることもあります。

【なぜ分析】 実燃費とのズレが生まれる主な要因は以下の通りです。

  • エアコンの使用:特に冬場の暖房は、電力を大きく消費するため、エンジンがかかりやすくなり燃費が悪化します。
  • 渋滞:頻繁なストップ&ゴーは、どんな車でも燃費には厳しい条件です。
  • 急な加減速:穏やかなアクセル・ブレーキ操作が燃費向上の基本です。
  • タイヤの空気圧:空気圧が低いと走行抵抗が増え、燃費が悪化します。

【対策】 燃費を少しでも良くするためには、出発前にエアコンで車内を適温にしておく「プリコンディショニング機能」の活用(自宅で充電設備がある場合)や、タイヤの空気圧を定期的にチェックすることが有効です。

市街地・郊外・高速での燃費傾向

走行するシーンによって、アウトランダーPHEVの燃費傾向は異なります。

走行シーン 燃費傾向 理由
市街地 比較的良い 減速時に回生ブレーキが効率よく働き、バッテリーを充電できるため。
郊外 非常に良い 適度な加減速と一定速度での走行がバランス良く、システム全体が最も効率的に働きやすい。
高速道路 走り方による パラレル走行モードで一定速巡航すれば燃費は伸びるが、速度が上がると空気抵抗が大きくなり悪化しやすい。

【オーナー評価傾向】 オーナーからは、「郊外のバイパスなどを流れに乗って走るのが一番燃費が良い」「高速道路では時速80~90kmくらいで巡航するのが経済的」といった声が聞かれます。

ヒーター/エアコン使用時の燃費影響

特に注意したいのが、冬場のヒーター使用です。一般的に、冬季はEVでの走行可能距離が20~40%程度短くなる事例が報告されており、これは充電なしのハイブリッド走行においても燃費悪化に直結します。例えば、満充電で106km走れるMグレードでも、外気温が低い状況で暖房を強く使うと航続距離は65~85km程度に落ち込むことも考えられます。

【対策】 暖房を使う際は、車内全体を温めるエアコンの設定温度を少し下げ、体を直接温めてくれるシートヒーターやステアリングヒーターを併用するのが燃費に優しい使い方です。

【手軽な解決の可能性】 口コミでは、ひざ掛けや厚手の上着を一枚多く羽織ることで、エアコンへの依存度を下げ、燃費の悪化を防いでいるという人もいるようです。

「充電しないと走れない?」よくある誤解Q&A

Q. 充電していなかったら、いざという時にパワーが出ないのでは? A. 心配ありません。バッテリー残量が少なくなっても、エンジンが始動して発電し、モーターを力強くアシストします。登り坂など、大きなパワーが必要な場面でもしっかりと走ってくれます。

Q. ガソリンだけで走り続けると、バッテリーが劣化する? A. メーカーが想定した使い方なので、ガソリン走行がメインでもシステムがバッテリーを適切に管理してくれます。ただし、バッテリーの劣化速度は使用環境によっても変わるため、長期間の放置や高温下での駐車を避け、定期的な点検を受けることをお勧めします。

【予測】アウトランダーPHEVのリセールバリュー(残価率)

【編集部による試算】 車を所有する上で、将来的な資産価値、つまりリセールバリューは重要な判断材料です。アウトランダーPHEVは人気の高いSUVであり、PHEVという付加価値もあるため、比較的高いリセールバリューが期待できます。

【残価率の予測目安】

  • 3年後:55%~65%
  • 5年後:45%~55%

これは、新車価格が550万円だった場合、3年後の売却価格が約300万円~360万円になる可能性があることを示します。もちろん、これはあくまで目安であり、グレード、ボディカラー、走行距離、車両の状態によって大きく変動します。一般的に、最上位グレードの「P」や人気のホワイト系・ブラック系のボディカラーは、プラス査定に繋がる傾向があります。

アウトランダーPHEVのSAVEモード:使うべき場面と燃費影響

SAVEモードは、現在のバッテリー残量を維持したい時に使う機能です。

【提案】 例えば、以下のような場面での使用が効果的です。

  • 高速道路を走行中:この先の市街地区間や自宅周辺を静かにEV走行で帰りたい場合に、高速走行中にSAVEモードでバッテリーを温存しておきます。
  • 長距離ドライブの序盤:目的地でアウトドアや車中泊をする際に、家電製品を使うための電力を確保しておきたい場合に有効です。

アウトランダーPHEVのCHARGEモード:目的地電力確保と燃費トレードオフ

CHARGEモードは、エンジンを使って強制的にバッテリーを充電する機能です。走行中でも停車中でも使用できます。

【注意点】 このモードはガソリンを消費して電気を作り出すため、燃費という観点では不利になります。あくまで「この先でどうしても電力が必要」という明確な目的がある場合に使用を限定するのが賢明です。CHARGEモードは停車中でもエンジンが始動するため、屋内や換気の悪い場所では絶対に使用しないでください(一酸化炭素中毒のリスクがあります)。

アウトランダーPHEVの自宅200V充電:電気代の目安と料金プランの注意

もし自宅に充電設備を設置できるなら、アウトランダーPHEVの経済性は飛躍的に向上します。特に、電気料金が安くなる深夜電力プランを契約している場合、ガソリン代と比べて走行コストを大幅に抑えることが可能です。

【車選択メモの考察】 充電設備の設置には初期費用(200Vコンセントの設置工事で概ね10万円前後が目安ですが、条件により増減します)がかかります。日々の走行距離が長い方ほど、その費用を早く回収できる可能性がありますので、毎日の通勤距離や月々のガソリン代を計算し、電気で走った場合のコストと比較検討してみることをお勧めします。

外部充電(急速/普通)の料金感と家庭充電との比較

外出先では、ディーラーや商業施設、高速道路のサービスエリアなどに設置されている充電スタンドを利用できます。

充電方法 特徴 コスト感
自宅充電(普通) 最も手軽で経済的。 深夜電力なら非常に安い(満充電で約400円)。
外部充電(普通) 時間がかかるが、急速よりは安いことが多い。 施設によって様々。無料の場合も。
外部充電(急速) 短時間で充電できるが、コストは割高。 **約32分(50kW急速器時)で約80%**が目安。

【注意点】 急速充電は便利ですが、頻繁に利用するとコストがかさみます。参考として、e-Mobility Powerのビジター料金は、50kW超の急速器で「最初の5分まで385円+以降77円/分」、50kW以下の急速器で「最初の5分まで275円+以降55円/分」といった具体的な料金設定になっています(2025年9月時点)。基本は自宅での普通充電をメインとし、遠出の際の「継ぎ足し」として急速充電を利用するのが、経済的な使い方と言えるでしょう。

アウトランダーPHEVで電欠に近いときの走らせ方

万が一、ガソリンもバッテリー残量も少なくなる「電欠」に近い状況になっても、慌てる必要はありません。

【対策】 まずは安全な場所に停車し、状況を確認しましょう。ガソリンさえ残っていれば、エンジンが始動して走行可能です。燃費を少しでも稼ぐためには、

  1. エアコンや不要な電装品のスイッチを切る。
  2. アクセル操作をより穏やかにする。
  3. SAVEモードを使い、無駄なバッテリー消費を抑える。 といった工夫が有効です。最寄りのガソリンスタンドまで、落ち着いて省燃費運転を心がけましょう。

まとめ:【アウトランダーPHEV充電なし燃費】運用の10のポイント

  • 充電なしでも全く問題なく走れる:ガソリンさえ入っていれば、高性能なハイブリッド車として機能し、走行不能になる心配はありません。
  • 実燃費は走り方次第で大きく変わる:カタログ燃費(WLTC:17.2~17.6km/L)は目安。エアコン、特に冬場の暖房使用や運転の仕方で燃費は変動します。
  • 走行モードは車が自動で最適化:EV、シリーズ、パラレル走行を状況に応じて自動で切り替え、効率の良い走りを提供してくれます。
  • PHEVの真価は充電にあり:充電なしでも優秀ですが、静粛性や経済性といったPHEV本来のメリットを最大限に享受するには、自宅などでの充電が鍵となります。
  • SAVEモードは「電力の温存」:高速道路の後など、EV走行したい場面のためにバッテリー残量を維持する賢い機能です。
  • CHARGEモードは燃費が悪化する:エンジンで発電するため、ガソリン消費が増えます。目的地での給電など、明確な目的がある時だけの限定的な使用がおすすめです。
  • 冬の暖房は燃費の大敵:車内全体を温めるエアコンより、シートヒーターやステアリングヒーターを併用する方が電力消費を抑えられます。
  • パワー不足の心配は不要:バッテリー残量が少なくても、エンジンがしっかりアシストするため、登り坂でも力強く走ります。
  • 賢い運転が燃費向上のコツ:穏やかな加減速を心がけ、減速時は回生ブレーキを意識することで、より効率的にエネルギーを回収できます。
  • コストはガソリンと電気のトータルで考える:充電なし運用でも優秀ですが、深夜電力などを活用した自宅充電を組み合わせることで、トータルの走行コストを大幅に削減できる可能性があります。

【参考出典】