「スペーシアギアは乗り心地悪い」という悩みへの解決方法を探していますか?確かに、一部の口コミではその個性的なデザインの裏で、路面からの突き上げや硬さを指摘する声も見られます。
この記事では、なぜスペーシアギアの乗り心地が硬いと感じられるのか、その構造的な理由から解説し、誰でも簡単に始められるタイヤの空気圧調整から、本格的なサスペンション交換まで、具体的な乗り心地改善の方法をステップバイステップでご紹介します。愛車の突き上げ改善を目指し、より快適なカーライフを手に入れましょう。
この記事でわかること
- スペーシアギアの乗り心地が「悪い」と言われる構造的な理由
- 費用をかけずに始められる簡単な乗り心地の改善方法
- 乗り心地を劇的に変える効果的なタイヤの選び方
- サスペンションやダンパー交換で突き上げを根本から改善する手順
- 目的別のサスペンションカスタムにおける注意点
スペーシアギアは乗り心地悪い?【突き上げ改善5ステップ】
スズキのスペーシアギアは、そのアクティブで遊び心あふれるデザインから多くの注目を集めていますね。ただ、車の購入を考えるとき、特に毎日乗るなら「乗り心地」はとても大切なポイントです。インターネットの口コミなどを見ると、「スペーシアギアは乗り心地が硬い」「段差で突き上げを感じる」といった声を見かけることもあり、少し不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。
これは、スペーシアギアが持つ「全高約1,800mmという背の高さに対し、ホイールベース(前輪と後輪の距離)が約2,460mm」という、軽ハイトワゴン特有の構造が関係しています。キビキビとした走りには貢献するものの、路面の凹凸からの衝撃が伝わりやすい傾向があるのは事実です。
でも、安心してください。もし乗り心地に不満を感じたとしても、改善するための方法はいくつもあります。大切なのは、**「高価で大変な対策から始めるのではなく、安くて簡単なものから一つずつ試していくこと」**です。
この記事では、スペーシアギアの乗り心地を改善するための具体的な5つのステップを、初心者の方にも分かりやすく、試しやすい順番でご紹介していきます。
- タイヤの空気圧調整(費用:0円〜)
- タイヤ交換(費用:あくまで目安 約2.5万円〜)
- バンプラバー交換(費用:あくまで目安 約0.5万円〜)
- ダンパー交換(費用:あくまで目安 約5万円〜)
- アライメント調整(費用:あくまで目安 約1.2万円〜)
まずは最初のステップを試すだけでも、乗り心地の印象がグッと変わるかもしれませんよ。
スペーシアギアの乗り心地改善方法①:タイヤの空気圧
スペーシアギアの乗り心地改善で、まず最初に、そして最も手軽に試せるのがタイヤの空気圧調整です。費用もほとんどかからず、ほんの数分の作業で車の乗り味がマイルドになる可能性を秘めています。指定された空気圧を基準に、ほんの少しだけ調整することで、路面からのゴツゴツとした感触を和らげることができるかもしれません。
具体的には、以下の手順で進めてみましょう。
手順 | やること | ポイント |
1. 確認 | 【最重要】運転席のドアを開けたところにあるシールで、ご自身の車の正しい指定空気圧を確認します。 | タイヤが冷えている朝一などに作業するのが理想です。年式や仕様によって指定値は異なります。あくまで一例として、240kPa(2.4キロ)前後が指定されているケースがあります。必ずご自身の車のラベルを優先してください。 |
2. 測定 | ガソリンスタンドの空気入れや、市販のエアゲージで現在の空気圧を測ります。 | 信頼できるエアゲージを一つ持っておくと、いつでも正確な管理ができて便利です(1,500円程度から購入できます)。 |
3. 調整 | まずは指定値通りに合わせた後、乗り心地を確かめます。硬いと感じる場合、自己責任において、指定値から-10kPa〜-20kPaの範囲で少しだけ下げてみる方法もあります。 | 【注意】空気圧を指定値より下げる調整はメーカー非推奨です。燃費の悪化、タイヤの偏摩耗、走行安定性の低下といったリスクを伴います。 特に高速道路を走る前や、乗車人数が多い時、重い荷物を積む際は、必ず指定値に戻してください。 |
4. 点検 | 空気圧のチェックは、月に1回を目安に習慣づけるのがおすすめです。 | 気温が下がると空気圧も自然に低下するため、季節の変わり目には特に注意すると良いでしょう。 |
▼たったこれだけで本当に変わるの?と感じるかもしれませんが、タイヤはサスペンションの一部です。中の空気がパンパンに張っている状態から、少しだけ圧を抜いてあげることで、タイヤ自体がクッションのようにしなやかに動くようになり、路面の細かな凹凸を吸収してくれるようになります。まずはここから試してみる価値は十分にありますよ。
▼ガソリンスタンドの空気入れはとても便利ですが、お店によっては計測器に若干の誤差があることも考えられます。一度、ご自身で用意したエアゲージで測った数値と比べてみると、より正確な管理ができるようになるかもしれませんね。
乗り心地改善方法②:タイヤ交換
スペーシアの突き上げ改善で空気圧の調整で満足できなかった場合、次におすすめしたいのが「乗り心地を重視したタイヤ」への交換です。タイヤは車が唯一、路面と接している非常に重要なパーツ。どのタイヤを選ぶかによって、乗り心地や静かさは劇的に変わります。特に「コンフォートタイヤ」と呼ばれる種類は、路面からの衝撃を優しくいなし、静かな走りを実現するために設計されています。
スペーシアギアの純正タイヤサイズは**「155/65R14」**です。このサイズを維持したまま、快適性能の高いタイヤに交換するのが、乗り心地改善の王道と言えるでしょう。
【乗り心地改善におすすめのタイヤ銘柄例】
- BRIDGESTONE REGNO GR-Leggera: 軽自動車専用に設計されたプレミアムタイヤ。「ワンランク上の静粛性と乗り心地」を追求しており、突き上げの角を丸め、滑らかな走りを求める方からの評価が高いです。
- DUNLOP LE MANS V+: タイヤ内部に**サイレントコア(特殊吸音スポンジ)**を搭載することで、ロードノイズ(ゴーッという走行音)を低減する技術が特徴。乗り心地も柔らかめのセッティングです。
- TOYO TRANPATH LuK: 背の高い軽自動車のふらつきを抑えつつ、しなやかな乗り心地を提供することを目指したタイヤです。ユーザーからは「接地感が優しくなった」といった声も聞かれます。
交換にかかる費用はあくまで目安ですが、タイヤ本体と工賃を合わせて1台分でおおよそ2.5万円〜6.5万円です。価格は店舗や時期によって変動するため、必ず見積もりを取りましょう。また、新しいタイヤは性能を最大限に発揮するために、100km以上の慣らし運転が推奨されています。
▼乗り心地を良くしたい場合、ホイールを大きくする「インチアップ」は、一般的に逆効果になる傾向があります。タイヤの厚みが薄くなることで衝撃吸収性が低下しやすいためです。外径や耐荷重性能(ロードインデックス)、干渉の有無など、総合的な管理が必要になるため、乗り心地改善が目的なら純正サイズ維持が安心です。
▼どのタイヤを選べば良いか迷ったら、「静かさ」を最優先するのか、「衝撃吸収性」を重視するのかなど、ご自身の好みをタイヤ専門店のスタッフに伝えて相談してみるのが一番です。あなたの運転スタイルに合った最適な一本を提案してくれるはずですよ。
乗り心地改善方法③:バンプラバーの交換
スペーシアギアの乗り心地改善でタイヤを交換してもまだ気になる、特に大きな段差を乗り越えた時の「ガンッ!」という強い衝撃に悩んでいるなら、「バンプラバー」の交換という、少し専門的な選択肢があります。バンプラバーとは、サスペンションが最も縮んだ時に、それ以上縮まないように受け止める緩衝材のこと。いわば、サスペンションの“最後の砦”となるゴムやウレタン製の部品です。
このバンプラバーが硬すぎたり長すぎたりすると、強い底付き感として衝撃が伝わってきます。対策としては、純正品よりも柔らかい素材でできた社外品のバンプラバーに交換する方法があります。
- 期待できる効果: 大きな入力があった際の、角の取れたマイルドな当たり心地。
- 費用の目安: あくまで相場目安ですが、部品代で5千円〜2万円程度+交換工賃。
【注意】 バンプラバーの切削や短縮といった加工は、安全性や車検適合の観点から推奨されません。必ず、ご自身のスペーシアギア(型式:MK94S/MK54Sなど)への適合が確認された製品を、交換という形で使用してください。
▼この対策は、少しマニアックに聞こえるかもしれませんね。空気圧やタイヤ交換が乗り心地全体の質感を底上げするアプローチだとすれば、バンプラバー交換は「特定の不快な衝撃だけを狙い撃ちする」ような、よりピンポイントな対策と考えると分かりやすいでしょう。
▼作業には車体を持ち上げるジャッキアップや専門工具が必要になるため、基本的にはプロにお任せするのがおすすめです。サスペンションの構造を熟知したプロに任せることで、安全かつ確実な効果が期待できます。
乗り心地改善方法④:ダンパー交換
ここまでの対策でも満足できない、あるいは車の揺れの収まりの悪さや、フワフワとした落ち着きのない動きを根本的に解決したいという場合には、乗り心地の要である**「ダンパー(ショックアブソーバー)」の交換**が非常に効果的です。ダンパーは、スプリング(バネ)が路面から衝撃を受けて伸び縮みする動きを、適切な速さに制御する役割を担っています。
純正のダンパーは、コストや耐久性など様々な要素をバランスさせて作られていますが、これを「乗り心地の向上」に特化した社外品に交換することで、車の動きをより上質でフラットなものに変えることができます。社外品には、KYBの「NEW SR」シリーズや、TEINの「EnduraPro PLUS」シリーズなどが代表例として知られています。
【最重要注意点】
**社外品の足回りパーツを購入する際は、必ずご自身のスペーシアギアの年式・型式(MK94S/MK54Sなど)に適合しているか、メーカーの公式サイトなどでご自身で確認してください。**旧モデル(MK53Sなど)用の製品は現行モデルには取り付けられない場合がほとんどです。
- 費用の目安: あくまで目安ですが、部品代で5万円〜12万円、それに加えて工賃が2.5万円〜5万円程度です。
- 交換後の必須作業: 交換後はタイヤの取り付け角度がズレるため、アライメント調整もセットで行うのが基本です。
▼費用は決して安くありませんが、ダンパー交換は乗り心地の質感を根本から変えることができる、いわば“最終兵器”のような存在です。段差を乗り越えた後、車体がユサユサと揺れ続けることなく「スッ」と一回で収まる感覚は、運転の快適性や安心感を大きく向上させてくれる可能性があります。
▼一般的には、まずタイヤを快適なものに交換して路面からの当たりを柔らかくし、それでも解決しない揺れの収まりの悪さをダンパーでビシッと抑える、という順番で手を入れていくのが、最も効果を体感しやすい王道のステップと言えるかもしれません。
乗り心地改善方法⑤:アライメント調整
乗り心地改善の仕上げとして、そして車の性能を100%引き出すために大切なのが**「アライメント調整」です。アライメントとは、簡単に言えば車の“骨盤矯正”**のこと。それぞれのタイヤが、車体に対してどのような角度で取り付けられているかを測定し、メーカーが定めた基準値に正確に整える作業を指します。
縁石にタイヤを軽くぶつけてしまったり、長年走行したりするうちに、この角度は少しずつズレてしまいます。特に、ダンパーなどの足回り部品を交換した後は、必ず調整が必要になります。スペーシアギアの場合、主に前輪のトー角(進行方向に対するタイヤの角度)が調整の中心となります。後輪は構造上、基本的には調整できませんが、専門店では専用のシムを入れて補正することもあります。
- 作業のタイミング: タイヤやサスペンション部品を交換した後、車をぶつけてしまった後、まっすぐ走らないと感じた時。
- 費用の目安: あくまで目安ですが、測定と調整を合わせて1.2万円〜2万円程度。店舗によって価格に幅があります。
アライメントを適正値に戻すことで、車は本来の直進安定性を取り戻し、まるでレールの上を走っているかのようなスッキリとした乗り味になることもあります。
▼アライメント調整は、何か不満がなければ積極的に行う必要はないかもしれません。しかし、ハンドルセンターがズレている、なぜか運転が疲れる、といった漠然とした違和感の原因が、実はアライメントのズレだった、というケースは少なくありません。車の健康診断のような感覚で、一度測定してみるのも良いでしょう。
▼特に、高性能なコンフォートタイヤに交換した際は、その性能を最大限に引き出すためにもアライメント調整は非常に重要です。せっかくの良いタイヤも、地面への着き方が正しくなければ宝の持ち腐れになってしまうかもしれませんからね。
スペーシアギアは乗り心地悪い?【評判・疑問・まとめ】
- 乗り心地の評判はどうなの?
- サスペンションは意味ない?
- 【スペーシアギアは乗り心地悪い?】の記事まとめ
スペーシアギアの乗り心地の評判は?
結論から言うと、スペーシアギアの乗り心地は、一部のユーザーから「硬い」「段差での突き上げが気になる」という評判があるのは事実です。また、背が高いデザインのため、高速走行時の「風切り音」が少し気になるという声も見られます。
これらの弱点や欠点とも言える特徴は、スペーシアギアが持つ構造的な宿命と、そのキャラクターに起因しています。
- 背の高いボディと短いホイールベース: 限られた軽自動車の規格の中で、最大限の室内空間を確保するためのデザインです。ホイールベース2,460mmという数値に対し背が高いため、どうしても上下方向の揺れや衝撃が伝わりやすくなります。
- サスペンション形式: リアサスペンションには、スペース効率に優れる**「トーションビーム式」(ターボ車)やスズキ独自の「I.T.L.(アイソレーテッド・トレーリング・リンク)式」(NA車)**が採用されています。
しかし、これらの点は、スペーシアギアが持つ**「圧倒的な室内の広さや使い勝手の良さ」「アクティブに使える道具感」といった大きな魅力とのトレードオフ**の関係にあることを理解する必要があります。
この記事でご紹介してきた5つの改善ステップは、まさにこのスペーシアギアが持つ構造的な弱点を、オーナー自身の好みや予算に合わせて補い、より快適な一台に仕上げていくための具体的な処方箋なのです。
▼どんな車にも、得意なことと少し苦手なことがあります。スペーシアギアは、街乗りでの快適性だけを追求した車ではなく、週末に荷物をたくさん積んでアウトドアに出かけるような、アクティブな使い方を想定して作られています。少し硬めに感じる足回りは、そうしたシーンでの安定感を考えてのことかもしれません。そう考えると、少し見方が変わってきませんか?
▼もしあなたがスペーシアギアの購入を検討しているなら、ぜひ一度試乗してみることを強くお勧めします。その際に、普段よく通る道や、少し路面が荒れた場所を走らせてもらうと、ご自身がその乗り心地を許容できるかどうか、より正確に判断できるはずです。その上で、この記事で紹介したような「改善していく楽しみ」があることも、魅力の一つとして捉えていただけたら嬉しいです。
サスペンションは意味ない?
乗り心地改善の話になると、「サスペンション交換」という言葉が出てきますが、ここで一つ注意点があります。それは、「乗り心地の改善」を目的とする場合、スプリング(バネ)だけの交換、特に車高を下げるための「ダウンサス」への交換は、逆効果になることが多いということです。
乗り心地は、スプリング、ダンパー、バンプラバー、タイヤなど、全てが絶妙なバランスの上で成り立っています。ダウンサスを組むと、見た目はスタイリッシュになりますが、サスペンションが動ける幅が狭くなり、結果として突き上げ感が強くなってしまうのです。
つまり、「サスペンション交換は意味がない」のではなく、**「目的とパーツのバランス設計が合っていない交換は意味がない」**と考えるのが正しいでしょう。現行のスペーシアギア(MK94S/MK54S)に対応した車高調なども販売されていますが、見た目の変化を優先すると、乗り心地は犠牲になるトレードオフの関係にあることを理解しておく必要があります。
▼見た目をカッコよくしたいという気持ちも、もちろん大切です。ローダウンによるドレスアップと、しなやかな乗り心地の追求は、残念ながら相反する要素を含むことが多いのが実情です。どちらを優先したいのか、ご自身のカーライフにおける目的をはっきりさせることが、満足のいくカスタムへの第一歩かもしれません。
▼また、長年乗った車のサスペンションが劣化している場合、それを新品の純正部品に交換するだけでも、乗り心地は新車のようにシャキッと蘇ります。「改善」だけでなく「リフレッシュ」という観点も、愛車と長く付き合う上では大切な視点ですね。
【スペーシアギアは乗り心地悪い?】の記事まとめ
- スペーシアギアの乗り心地が「乗り心地悪い」と言われるのは、背の高いボディと短いホイールベースという構造的な欠点が主な理由です。
- しかし、段階的な改善方法を試すことで、オーナーの好みに合わせた乗り心地改善は十分に可能です。
- 最も手軽な突き上げ改善の第一歩は、タイヤの空気圧を適正値に管理することから始まります。
- 空気圧を指定値より下げる調整はメーカー非推奨であり、安全上のリスクを理解した上で自己責任で行う必要があります。
- より効果的な乗り心地改善を求めるなら、静粛性や衝撃吸収性に優れたコンフォート系のタイヤへの交換がおすすめです。
- 乗り心地を重視する場合、インチアップは避け、純正と同じタイヤサイズを維持するのがセオリーです。
- 大きな段差での「ガン!」という強い衝撃には、サスペンションの底付きを緩和するバンプラバー交換という改善方法も有効です。
- 車の揺れの収まりなど、乗り心地の質感を根本的に変えたい場合、サスペンションの要であるダンパー交換が効果的です。
- 社外品のサスペンションパーツを選ぶ際は、必ず現行モデルへの適合をご自身で確認することが極めて重要です。
- 足回りの部品交換後は、車の骨盤矯正ともいえるアライメント調整を行うことで、本来の走行性能を引き出せます。
- 見た目重視のダウンサスなど、スプリングのみのサスペンション交換は、かえって乗り心地を悪化させる可能性があるため注意が必要です。
- 真の突き上げ改善は、タイヤやサスペンションなど、一つの部品だけでなく全体のバランスを考えてこそ実現します。
- この乗り心地悪いという評価は、広い室内空間という長所とのトレードオフの関係にあります
- 最終的にスペーシアギアは、乗り心地を自分好みに育てていける、楽しみの余地がある一台と言えるでしょう。