ランクル250グレード徹底解説【GX、VX、ZX違い】どれがいい？

ランクル250グレードのGXとVXとZXの違い詳細全体像

ランドクルーザー250のグレード選びは、ライフスタイルやクルマに何を求めるかによって、最適な一台が変わってきます。基本となる「GX」、装備と価格のバランスが取れた中核の「VX」、そして全ての魅力を詰め込んだ最上級の「ZX」。この3つのグレードは、価格だけでなく、乗車定員から悪路走破性に関わる専門装備まで、それぞれに明確な個性と役割が与えられています。

まずは、それぞれの違いを一覧で比較して、全体像を掴んでみましょう。

▼まずは「何人乗りが必須か？」で考えると、5人乗りのGXか、7人乗りのVX/ZXか、最初の大きな選択ができますね。

▼オフロードを走る方にとって、ZXの最低地上高の高さ（+10mm）は、見た目以上に大きなアドバンテージになるかもしれません。

ZXの悪路走破性能：SDMと電動リヤデフロックとマルチテレインセレクトの解説

ランドクルーザー250「ZX」の悪路走破性は、単に3つの機能が搭載されている、という話ではありません。それは「①路面を最適化する頭脳（マルチテレインセレクト）」「②タイヤを接地させる足の長さ（SDM）」「③最後の脱出を担う腕力（電動リヤデフロック）」という、役割の異なる機能が連携するシステムです。ここからは、それぞれの機能がどのように連携し、ZXを比類なきオフローダーたらしめているのかを解説します。

1. SDM（スタビライザー・ディスコネクト・メカニズム）

役割：悪路でタイヤを地面にしっかり接地させる

普段の道では車体を安定させる「スタビライザー」という部品を、スイッチひとつで一時的に無効化できる機能です。悪路でこの機能をONにすると、サスペンションがより大きく動けるようになり、デコボコな道でもタイヤが地面から浮きにくくなります。

• 普段の道（OFF）： 安定性を保ち、カーブなどでのふらつきを抑制。
• 悪路（ON）： タイヤの動きを良くして、地面をしっかり捉え続ける。

これにより、乗り心地の向上や横揺れの軽減にも繋がります。

2. 電動リヤデフロック

役割：ぬかるみ等から脱出するための「最終兵器」

片方の後輪がぬかるみや雪にはまって空回りしてしまった時に使う**「緊急脱出用の機能」**です。スイッチを入れると左右の後輪が直結され、空回りしていない方のタイヤに強制的にパワーを伝え、力強く脱出するのを助けます。

• 注意点：
  • あくまで緊急用です。脱出したらすぐにOFFにしましょう。
  • 時速8km以上での使用や、舗装された道で使うと車が故障する危険があります。

3. マルチテレインセレクト（MTS）

役割：路面に合わせて車のパワーを自動で最適化

「土」「砂」「泥」「雪」「岩場」など、走行中の路面状況に合わせて、車のパワーやブレーキのかけ方を自動で最適にコントロールしてくれる賢い機能です。

• 使い方：
  • ダイヤルを回して路面状況を選ぶだけ。
  • 「AUTO」モードにしておけば、車が自動で最適な設定を選んでくれます。

GX vs VXの違い比較

GXとVXの比較では、約110万円（ディーゼル車同士）の価格差で「乗車定員」と「快適装備」が大きく変わる点が最大のポイントです。5人乗りで実用十分なGXか、7人乗りで内外装の質感を高めたVXか、ご自身の使い方や家族構成に合わせて選ぶことが大切になります。

具体的に何が違うのか、下の表で詳しく見ていきましょう。

※VXのシート表皮は本革ですが、インパネなど一部の内装には手触りの良い合成皮革が使われています。

GXはランクル250のタフな基本性能はそのままに、装備をシンプルにすることで価格を抑えたグレードです。一方、VXは3列目シートを備えるだけでなく、本革シートや前席のシートヒーター＆ベンチレーションなど、同乗者が喜ぶ「おもてなし」の装備が充実しています。

▼3列目シートが絶対に必要かどうかが、最初の大きな分かれ道になりそうです。普段は使わないけれど、いざという時に7人乗れる安心感はVXの大きな魅力ですね。

▼夏のドライブや長距離移動が多い方にとっては、VXの前席シートベンチレーション（座面から涼しい風が出る機能）は、価格差以上の価値を感じさせてくれるかもしれません。一度体験すると手放せなくなる快適装備です。

GX vs ZXで違い比較

GXとZXの比較は、約215万円という大きな価格差が示す通り、「本格的な悪路走破性能」と「内外装の豪華さ」に決定的な違いがあります。道具としてシンプルに使い倒すGXか、所有する満足感を隅々まで満たしてくれる最上級のZXか、という、ある意味で最も分かりやすい選択になります。

その価格差は、以下のような装備の違いに表れています。

ZXは、見た目の迫力からしてGXとは一線を画します。さらに、岩場や深い雪道など、極限の状況でクルマを前に進めるためのマルチテレインセレクトやSDMといった専門的な装備が標準で備わります。内装も、後席に乗る人まで快適に過ごせるよう配慮されており、まさに「全部入り」のグレードです。

▼見た目の迫力はZXが圧倒的ですね。特に、片側2cmずつ張り出したワイドフェンダーは、GXとの大きな違いとして所有満足度に直結しそうです。

▼SDMや電動リヤデフロックといった装備は、本格的なオフロード走行をしない方には「宝の持ち腐れ」になってしまう可能性もあります。ご自身のカーライフで本当に必要な機能か、冷静に見極めることが後悔しないクルマ選びのコツかもしれません。

VX vs ZXで違い比較

VXとZXの比較では、約105万円の価格差で「より本格的なオフロード性能」と「後席を含めた快適性・先進性」が上乗せされる点が特徴です。すでに装備が充実しているVXから、さらに一歩先の体験を求めるかどうかが選択のポイントになります。

どちらも7人乗りのディーゼル車ですが、その差は細部に宿ります。

※VXのメーターは7インチが標準ですが、ディーゼル車はメーカーオプションで12.3インチTFTを選択可能です。

※オーディオはVXが10スピーカー、ZXがJBL14スピーカーとなり、VXにJBLのメーカーオプション設定はありません。

VXでも街乗りからキャンプまで全く不満のない性能を持っていますが、ZXはそこからさらに「極める」ための装備が加わります。特に走破性に関する装備は、ランクルでなければ行けないような場所へ頻繁に出かける方にとっては、心強い味方となるでしょう。また、2列目シートの快適装備は、後席に大切な人を乗せる機会が多い方にとって見逃せないポイントです。

▼ご家族や友人を後席に乗せる機会が多いなら、ZXの2列目シートヒーター＆ベンチレーションはとても喜ばれるポイントになりそうです。長距離ドライブでの満足度が大きく変わってくるかもしれません。

▼本格的な悪路走破性を求めるならZX一択ですが、ほとんどが舗装路という方であれば、VXでも十分すぎるほどの性能と快適性を備えています。その差額で、素敵な旅行に出かけるという考え方もアリですね。

GX,VX,ZXのリセール残価率が1番高いのは？

ランドクルーザー250は非常に高いリセールバリューが期待できますが、供給状況や輸出の動向によって、時期ごとに価値の高いグレードが入れ替わるのが実情です。短期的な視点ではガソリン車(2.7L VX)が高値を記録する局面もあれば、中長期的にはパワフルなディーゼル車も安定した人気を誇ります。

【実績値】登録から1年以内の傾向

まだ新しいモデルのため、複数年の正確な実績データは蓄積されていません。現時点で確認できる登録1年未満の市場データを見ると、ガソリンエンジンを搭載する「VX」が120%を超える非常に高い残価率を記録する局面が見られます。これは、比較的納車が早いことや海外での需要などが影響していると考えられます。

【推定値】3年後・5年後の予測

複数年後の残価率は、近しいモデルであるランドクルーザープラドの実績が参考になります。あくまで推定ですが、プラドの傾向から考えると、3年後でも80～110%前後、5年後でも70%以上という驚異的な価値を維持する可能性を秘めています。

▼短期的な売却を考えるなら、市場の需要と供給のバランスが価格に大きく影響します。ガソリンのVXが有利な時期もあれば、ディーゼルのZXが注目される時期もあるでしょう。

▼長く乗ることを前提とするなら、どのグレードを選んでも国産SUVの中ではトップクラスのリセールバリューが期待できます。特にディーゼル車は燃料費が安く、力強い走りが魅力なため、数年後も安定した需要が見込めるでしょう。

※注意点
2025年半ば以降のリセールバリューは、全体軟化傾向にあり転売を主目的にするのはリスク。あくまで充実したカーライフを主目的にしつつ、リセールで得できればラッキー程度に考えることが重要。

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【ランクル250グレードのGXとVXとZXの違い】人気順・誰向け・まとめ

• GXとVXとZXの人気順と理由詳細
• GXがおすすめな人
• VXがおすすめな人
• ZXがおすすめな人
• 【まとめ】ランクル250グレード選びのポイント【GX/VX/ZX】

GXとVXとZXの人気順と理由詳細

ランドクルーザー250の人気順は、価格と装備のバランスに優れた「VX」が最も高く、次いで豪華装備の「ZX」、実用性重視の「GX」と続く傾向にあります（※販売台数の公式な内訳は非公開のため、自動車専門誌などの情報を基にした傾向です）。特にVXは、多くのユーザーが求める快適性と実用性を過不足なく両立している点が、幅広く支持されている理由です。

• 1位：VX
  • 選ばれる理由：7人乗り、本革シート、前席ベンチレーション、12.3インチの大型ディスプレイといった人気の快適装備が標準で備わり、「これを選んでおけば間違いない」という安心感があります。ディーゼルとガソリンから選べる唯一のグレードである点も、人気を後押ししています。
• 2位：ZX
  • 選ばれる理由：ワイドフェンダーによる迫力ある外観や20インチの大きなタイヤ、JBLのプレミアムオーディオなど、「所有する満足感」を最大限に満たしてくれる点が魅力です。本格的な悪路走破装備も、ランクルならではの世界観を求めるユーザーに強く支持されています。
• 3位：GX
  • 選ばれる理由：何よりも価格の安さが魅力です。ランクル250の力強い走りはそのままに、装備をシンプルにすることで、自分好みのカスタムを楽しみたいアクティブなユーザーや、維持費を少しでも抑えたい堅実なユーザーから選ばれています。

▼やはり「優等生」ともいえるVXの人気は盤石のようです。多くの人が満足できるであろう装備が標準で付いてくるのは、選ぶ側にとっても安心材料になりますね。

▼時期によっては、生産の都合で「ガソリン車の方が早く納車される」といった状況が生まれることもあります。そうした納期の問題が、一時的に人気順に影響を与えるケースも考えられますね。

GXがVXとZXより優れている点、おすすめな人

GXグレードが他より優れている点は、なんといっても**約520万円からという「価格の安さ」と、5人乗り仕様による「広大な荷室」**です。ランクル250の屈強な基本性能はそのままに、自分好みに使い倒したい、あるいはカスタムを楽しみたいという方に最適な一台と言えるでしょう。

• GXの魅力
  • 初期費用を抑えられる：最上級のZXとは200万円以上の価格差があり、最も手に入れやすい。
  • 広大な荷室：3列目シートがない分、常にフラットで広々としたラゲッジスペースを確保できる。
  • 基本性能は共通：力強いディーゼルエンジンや悪路に強い足回りは上位グレードと同じ。燃費も変わりません。
  • 維持費が安い：タイヤ交換の費用や、装備がシンプルな分、自動車保険料も抑えられる傾向にあります。
  • カスタムベースに最適：シンプルな内装だからこそ、自分好みのパーツでカスタマイズする楽しみが広がります。
• こんな人におすすめ！
  • キャンプや釣り、登山など、たくさんの荷物を積む趣味をお持ちの方
  • 乗車人数は2～4人がメインで、3列目シートは不要な方
  • 初期費用や維持費をできるだけ抑えたい方
  • 自分だけのオリジナルな一台にカスタムしていきたい方

▼3列目シートが不要な方にとっては、GXは非常に合理的で賢い選択肢と言えそうです。浮いた予算をカスタム費用やアウトドアギアの購入に充てる、という楽しみ方も素敵ですね。

▼電子装備が少ないということは、長期的に見れば故障のリスクが少ないという見方もできます。長く、タフな相棒として付き合っていきたい方にはピッタリかもしれません。

VXがGXとZXより優れている点、おすすめな人

VXグレードが他より優れている点は、多くの人が求める**快適装備と7人乗りという実用性を、高すぎない価格で両立させた「絶妙なバランス感覚」**にあります。街乗りからアウトドア、長距離旅行まで、あらゆるシーンで満足度の高いカーライフを送りたい方に最もおすすめできるグレードです。

• VXの魅力
  • 価格と装備のベストバランス：本革シートやシートヒーター＆ベンチレーションなど、満足度の高い装備が標準。
  • 選べるパワートレーン：力強いディーゼルと、静粛性に優れたガソリンの両方から選べる唯一のグレード。
  • 安定したリセールバリュー：中古車市場での需要が高く、将来的な資産価値も期待できます。
  • ちょうどいい乗り心地：18インチタイヤは、見た目の良さと乗り心地の柔らかさを両立しています。
• こんな人におすすめ！
  • 家族や友人を乗せてレジャーに出かける機会が多い方
  • 普段は街乗りがメインだけど、たまにはオフロードも走ってみたい方
  • クルマ選びで装備に妥協したくないが、価格も重視したい方
  • リセールバリューを気にする方

▼まさに「優等生」と呼ぶにふさわしいグレードですね。特別なこだわりがなければ、VXを選んで後悔する可能性は最も低いのではないでしょうか。誰にでもお勧めできる、中心的な存在です。

▼静かでスムーズな走りを重視するなら、ガソリン車を選べるのはVXだけの特権です。年間走行距離がそれほど多くない方や、ディーゼル特有の音や振動が気になる方にとっては、最高の選択肢になるはずです。

ZXがGXとVXより優れている点、おすすめな人

ZXグレードが他より優れている点は、他を圧倒する**「悪路走破性能」と、内外装の質感から先進装備に至るまでの「最上級の所有満足感」**です。ランクル250が持つポテンシャルを最大限に引き出し、最高のカーライフを体験したいという方にこそ選んでほしい一台です。

• ZXの魅力
  • 最高の悪路走破性：スイッチ一つで走破性を高める「SDM」や「電動リヤデフロック」、「マルチテレインセレクト」を標準装備。
  • 豪華で快適な室内空間：後席にもシートヒーター＆ベンチレーションが備わり、JBLの本格オーディオが標準です。
  • 先進安全装備の充実：夜間の視界をより安全に確保するアダプティブハイビームシステム（AHS）などを搭載。
  • 圧倒的な存在感：ワイドフェンダーと20インチの大径タイヤ、225mmの最低地上高がもたらす迫力あるスタイリング。
• こんな人におすすめ！
  • 本格的なオフロード走行や雪深い地域へ頻繁に出かける方
  • 後席に乗る家族やゲストにも最高の快適性を提供したい方
  • 「どうせ乗るなら最高のものを」という価値観をお持ちの方
  • 最新・最高の先進装備や安全装備を重視する方

▼「いつかはクラウン」という言葉がありましたが、「いつかはランクル、それも最高のZX」という憧れを抱かせるだけの魅力が詰まっていますね。価格は上がりますが、それに見合うだけの特別な体験が得られそうです。

▼注意点として、全幅が1,980mmとかなり大きくなるため、都市部の古い立体駐車場などではサイズ制限に引っかかる可能性があります。購入前には、ご自身の駐車環境をしっかりと確認しておくことをお勧めします。

【まとめ】ランクル250グレード選びのポイント【GX/VX/ZX】

• グレードは3種類: シンプルな「GX」、バランスの「VX」、最上級の「ZX」。
• 乗車定員: GXは5人乗り、VXとZXは7人乗りで、これが最初の選択肢。
• 価格差: GXを基準に、VXは約+110万円、ZXは約+215万円（ディーゼル比）。
• GXの魅力: 約520万円からと最も安価で、広い荷室とカスタムの楽しさが魅力。
• VXの魅力: 装備と価格のバランスが最も良く、幅広いユーザーにおすすめ。
• ZXの魅力: 最高の悪路走破性と豪華装備で、所有満足感が最も高い。
• 人気No.1: 快適装備と実用性を両立した「VX」が最も人気を集める傾向。
• ガソリン車: 静粛性を求めるなら、VXでのみ選択可能なガソリンエンジンが狙い目。
• オフロード性能: 本格的な悪路を走るなら、専用装備を持つ「ZX」が必須。
• 見た目の迫力: ワイドフェンダーと20インチタイヤを装備する「ZX」が圧倒的。
• リセールバリュー: どのグレードも高水準だが、VX（特にディーゼル）が安定傾向。
• シートの違い: GXはファブリック、VXとZXは本革シートで質感が大きく異なる。
• 快適装備: 夏冬に活躍するシートベンチレーションはVXとZXに標準装備。
• 先進装備: フル液晶メーターやJBLオーディオは「ZX」だけの特別な装備。
• 結論: ライフスタイル（乗車人数・走る道）を明確にすれば最適な一台が見つかる。

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• 以下、参考出典
• トヨタ自動車株式会社 | トヨタ ランドクルーザー“250” | 室内空間
• トヨタ自動車株式会社 | SDM（スタビライザーディスコネクト機構） | LAND CRUISER 取扱説明書