「カローラクロス 人気ない」… もしかして、あなたもそんな情報を目にしたり、実際に検索したりして、「本当のところはどうなんだろう?」と気になっているのではないでしょうか。
たしかに、たくさんのライバル車がひしめくコンパクトSUVカテゴリでは、様々な評価や口コミが飛び交いますよね。
しかし、実際の販売データを見てみると、カローラクロスは常にトップクラスの人気を誇っており、街なかでも本当によく見かける一台です。では、なぜ一部で「人気ない?」という声が上がるのか。そして、なぜこれほど多くの人に選ばれ続けているのか。この記事では、その理由をひとつひとつ丁寧に解き明かしていきます。
▼この記事でわかること
- 販売台数データから見る、カローラクロスの本当の人気度
- 多くの人に「ちょうどいい」と選ばれている具体的な3つの理由
- ライバル車と比べたときに光る、カローラクロスだけの強み
- 購入してから「しまった!」と後悔しないための注意点とチェック方法
カローラクロスは人気ない?売れ行きランキングから見る実情
カローラクロスの人気が「ない」という噂は事実ではなく、実際にはカローラシリーズ全体の販売台数で常に国内トップクラスにランクインしており、その中でも約34.1%を占める人気モデルです。SUVというカテゴリーの人気も後押しし、多くの人から選ばれている一台と言えるでしょう。
街でカローラクロスを見かける機会が増えたと感じる方も多いのではないでしょうか?それもそのはず、日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表する新車販売台数ランキングでは、「カローラ」シリーズが常に上位に入っています。
ただ、このランキングはセダンやワゴン(ツーリング)なども含めたシリーズ全体の合計台数なんです。「じゃあ、その中でカローラクロスはどれくらい売れているの?」と気になりますよね。正確な内訳は公表されていませんが、中古車市場の在庫台数から、おおよその人気度を推測することができます。
2025年10月地点での中古車市場の在庫を調べてみると、このような割合になっていました。
- カローラクロス:34.1%
- カローラツーリング:30.4%
- カローラスポーツ:24.5%
- カローラ(セダン):10.9%
このほかに、販売台数の5割以上がカローラクロスだと主張している記事もあり、いずれにしても、カローラクロスがシリーズの販売を支える大きな柱になっていることがわかります。SUVが定番となった今の時代において、しっかりと定番の選択肢として受け入れられている証拠ですね。
カローラクロスが人気の3つの理由
カローラクロスが多くの人に選ばれる理由は、コンパクトな見た目に反したクラス上位の荷室容量(公称:最大487L)、ハイブリッドによる優れた燃費性能(WLTCモードで最大26.4km/L)、そして先進の安全装備と買いやすい価格設定の絶妙なバランスにあります。日常使いから週末のレジャーまで、幅広いニーズに一台で応えてくれる懐の深さが魅力です。
たくさんのSUVがある中で、なぜカローラクロスはこれほど支持されるのでしょうか。その人気の秘密を、3つのポイントに絞って一緒に見ていきましょう。
① クラストップ級の荷室と絶妙なサイズ感
カローラクロスの最大の魅力は、なんといってもそのパッケージングの上手さです。
全長4.5m弱、全幅1.825mという大きすぎないサイズ感でありながら、荷室はクラストップレベルの最大487L(2WD車)を確保しています。
後部座席を倒せば、足元から荷室後端までの奥行きは約1,885mmにもなり、キャンプ用品や少し長めの荷物も余裕で積み込めます。
「普段の買い物では持て余さず、でも休日の趣味もしっかり楽しめる」
この”ちょうどよさ”が、多くのファミリー層から支持されている理由なんです。
②家計に優しいハイブリッドの低燃費
2025年モデルから、カローラクロスはガソリン車が廃止され、全車がハイブリッドになりました。
これにより、燃費性能はWLTCモードで23.3km/Lから26.4km/Lという、とても優れた数値を実現しています。
注目したいのは、従来の1.8Lハイブリッドに加えて、GR SPORTグレード専用でパワフルな2.0Lハイブリッドが新設定されたこと。
「燃費を最優先したい」という方は1.8L、「高速道路や坂道でもっと力強い走りが欲しい」という方は2.0Lというように、自分の使い方に合わせてパワートレインを選べるようになったのは嬉しいポイントですね。
③最新の安全装備と納得の価格設定
カローラクロスは、約276万円からという、SUVとしては比較的手の届きやすい価格設定も魅力です。
しかも、基本的な安全装備である「Toyota Safety Sense」は全車に標準装備。
さらに2025年モデルでは、トヨタとして初めて採用された雪道用の「SNOW EXTRAモード」や、国内初となるウインカーに連動して路面に矢印を投影する「シグナルロードプロジェクション」といった、ユニークで実用的な新機能も追加されました。
最新の機能が詰まっていながら、価格はしっかり抑えられている。このコストパフォーマンスの高さが、多くの人を惹きつけています。
▼車選びのヒント
3つの理由を見てみると、カローラクロスはどれか一つの性能が突出しているというより、価格、実用性、燃費、安全性といった要素がとても高いレベルでバランスしている車だと言えそうです。特定の趣味に特化するというより、「一台で何でもこなしたい」と考える人にとって、非常に満足度の高い選択肢になるのではないでしょうか。
カローラクロスのライバル車比較:3つの主要な強み
カローラクロスが、ホンダ・ヴェゼルやマツダ・CX-30といった強力なライバルたちと比べて特に優れている点は、**「公称487Lという数値で示される分かりやすい荷室容量」「AWD(E-Four)を選んでも23-24km/Lを維持する燃費性能」「トヨタ初のSNOW EXTRAモードといった冬道への新しい提案」**の3つです。これらの強みは、特に実用性を重視するユーザーにとって大きな決め手となるでしょう。
コンパクトSUVは人気のカテゴリーだけに、魅力的なライバルがたくさんいます。
ここでは、特に比較されることの多い3台とカローラクロスの違いを見ながら、その強みを深掘りしてみましょう。
▼ ライバル車との基本スペック比較(2025年モデル基準)
項目 | カローラクロス | ホンダ ヴェゼル | マツダ CX-30 | スバル クロストレック |
---|---|---|---|---|
全長× 全幅× 全高 (mm) |
4455–4460× 1825× 1600–1620 |
4340× 1790× 1580–1590 |
4395× 1795× 1540 |
4480× 1800× 1575 |
WLTC燃費 (km/L) | 23.3 – 26.4 (HEV) | 21.3 – 26.0 (e:HEV) | 15.5 – 20.2 (ガソリン/ディーゼル) | 15.8 – 18.9 (e-BOXER/S:HEV) |
リアサスペンション | トーションビーム(FF) / DW(E-Four) | 車軸式(FF) / ド・ディオン(4WD) | トーションビーム | ダブルウィッシュボーン |
ライバル比較①:数値で示す荷室の広さ
カローラクロスの最大の武器は、2WD車で487L、E-Four(4WD)でも407L(※販社公表)という、具体的な数値で示された荷室容量です。
意外に思われるかもしれませんが、ライバル車の多くは日本仕様のカタログで荷室容量を「〇〇L」と明記していないケースがあります。
寸法図などで広さを示してはいますが、パッと見て比較しやすいカローラクロスの「分かりやすさ」は、大きなアドバンテージです。
また、地面から荷室の床までの高さが約720mmと低めに設計されているのもポイント。
重いスーツケースやベビーカーを載せるときに、腰への負担が少なくて済むのは嬉しい配慮ですよね。
ライバル比較②:AWDでも落ちない燃費
雪道を走る方や、アウトドアレジャーが趣味の方にとって、AWD(4WD)は心強い装備です。
しかし、一般的にAWD車は燃費が悪くなる傾向があります。
その点、カローラクロスのハイブリッドAWDである「E-Four」は非常に優秀です。
1.8Lモデルで24.6km/L、パワフルな2.0Lモデルでも23.3km/Lと、2WDモデルと比べても落ち込みが非常に少ないのが特徴です。
ライバル車を見てみると、AWD化による燃費の低下がもう少し大きい車種もあります。
「安心感は欲しいけど、毎日の燃費も気になる…」そんな欲張りな願いに応えてくれるのが、カローラクロスの強みと言えるでしょう。
ライバル比較③:雪道対応と先進機能
2025年モデルのカローラクロスには、2つのユニークな新機能が搭載されました。
一つは、E-Four車に設定されたトヨタ初の「SNOW EXTRAモード」。
これは雪道での発進時や走行時に、より安定した走りをサポートしてくれる機能です。スバルのX-MODEのような本格的な悪路走破とは少し違いますが、日常的な雪道での安心感を高めてくれます。
もう一つが、ZグレードとGR SPORTに搭載された国内初の「シグナルロードプロジェクション」。
ウインカーを出すと、曲がる方向を示す矢印が路面に投影されるというもので、後続車や歩行者からの視認性を高めてくれます。
これらの「あったら嬉しい」先進機能が、ライバルとの差別化ポイントになっています。
▼車選びの視点
こうして比べてみると、カローラクロスは「家族みんなが安心して、快適に使えること」をとても大切にしている車だと感じます。デザインの好みや走りのフィーリングでライバル車に惹かれることももちろんありますが、「荷室の広さ」や「AWDの燃費」といった実用的な面を重視するなら、カローラクロスが非常に有力な候補になってきそうですね。
カローラクロスの後悔しうるポイントは?
カローラクロスを選ぶ際に注意したい点は、加速時のエンジン音、ライバルより少し広い車幅(1825mm)、駆動方式で変わる荷室容量、FFとE-Fourでの乗り心地の違い、そしてクラス相応のロードノイズの5つです。これらは車の欠点というより、使う人との相性の問題がほとんど。事前に知っておき、試乗でしっかり確認することが、後悔しないための何よりの対策になります。
どんなに人気の車でも、すべての人にとって完璧なわけではありません。
ここでは、購入してから「思っていたのと違った…」とならないように、カローラクロスの注意しておきたい点を正直にお伝えしますね。
デメリット?加速時のエンジン音の評判
カローラクロスのハイブリッドシステムは、強くアクセルを踏み込むと、エンジン回転数が先にグンと上がってからスピードが乗ってくる、という独特の感覚があります。
静粛性は高いのですが、この「ブーン」というエンジン音が少し気になる、という声も時々耳にします。
【対策】
これはもう、試乗で体感してみるのが一番です。特に高速道路への合流や、坂道など、強めに加速する場面をぜひ試してみてください。パワフルな2.0Lモデルと乗り比べてみるのも良いでしょう。
車幅が広い?駐車場で注意したいサイズ
カローラクロスの車幅は1825mm。これは、ヴェゼル(1790mm)やCX-30(1795mm)と比べると、3cmほど広くなっています。
たった3cmですが、都心部の狭い路地や、昔ながらの機械式駐車場などでは、この差が効いてくることも。
【対策】
自宅の駐車場や、普段よく使うスーパーなどの駐車スペースは、事前に幅を確認しておくと安心です。試乗の際には、オプションの「パノラミックビューモニター」がどれくらい見やすいかもチェックしておきましょう。
荷室が狭い?4WD選択時の注意点
「大容量の荷室が魅力!」とお伝えしましたが、注意点が一つ。
最大の487Lを確保できるのは2WDモデルです。E-Four(4WD)を選ぶと、後輪を駆動させるモーターなどを搭載する関係で、荷室容量は407Lになります。
それでも十分な広さですが、「487L」を期待していると、少し狭く感じてしまうかもしれません。
【対策】
自分が検討しているグレード、駆動方式の試乗車で、実際に荷室の広さを確認しましょう。もし可能なら、いつも積むもの(ベビーカーやゴルフバッグなど)を持っていって、実際に積んでみるのが確実です。
乗り心地は悪い?駆動方式による違い
実はカローラクロスは、前輪駆動(FF)とE-Four(4WD)で、後輪のサスペンション(路面からの衝撃を吸収する装置)の構造が異なります。
一般的に、E-Fourに採用されている「ダブルウィッシュボーン」という形式の方が、乗り心地が良いと言われています。
【対策】
乗り心地の感じ方は人それぞれなので、これもやはり乗り比べがおすすめです。特に後部座席に乗ることが多いご家族がいる場合は、一緒に試乗して、段差を乗り越えた時の突き上げ感などをチェックしてもらうと良いでしょう。
高速走行中のロードノイズは気になる?
最近のトヨタ車は静粛性が大きく向上していますが、高速道路を走る際の「ゴーッ」というロードノイズ(タイヤが路面を転がる音)は、やはりクラス相応と感じる方もいるようです。
もちろん、会話ができないほどうるさいわけではありませんが、ハリアーのような上級SUVと比べると、少し音が大きく聞こえるかもしれません。
【対策】
試乗コースに高速道路を入れてもらい、80km/h~100km/hくらいで走った時の車内の静かさを確認してみてください。音楽をかけたり、後部座席の人と会話をしたりして、普段の使い方をシミュレーションしてみると分かりやすいですよ。
▼ 後悔しないための数値チェック表
項目 | カローラクロス | ヴェゼル | CX-30 | クロストレック |
---|---|---|---|---|
全幅 (mm) | 1825 | 1790 | 1795 | 1800 |
リアサス形式 | TB (FF) / DW (E-Four) | 車軸式(FF) / ド・ディオン(4WD) | トーションビーム | ダブルウィッシュボーン |
荷室容量 (L値) | 2WD: 487 / E-Four: 407 | 404L | 430L(サブトランク含む) | 315L |
▼車選びのまとめ
これらのポイントは、カローラクロスが「悪い車」だということでは決してありません。むしろ、これだけ多くの人に選ばれているからこそ、細かい部分が気になる人も出てくる、ということです。大切なのは、自分の使い方や価値観と、車の特性がマッチしているかどうか。事前にこれらの注意点を知っておけば、試乗の時に見るべきポイントが明確になり、より納得のいく一台を選べるはずです。