「カローラフィールダー160系の前期・中期・後期の違い」は、中古車を選ぶうえでとても大切なポイントです。2012年から長く販売されているモデルなので、どの年式を選べばいいか迷ってしまいますよね。
特に2015年と2017年に大きな改良があり、「前期」「中期」「後期」と呼ばれていますが、パッと見ただけでは違いが分かりにくいかもしれません。大きな違いは「顔つき(デザイン)」と、特に重要な「安全装備」にあります。
この記事では、専門家ではない私(車選択メモ)が、皆さんの代わりに情報を整理し、それぞれの時期の特徴や注意点を分かりやすくまとめました。
この記事では、主に以下の4つの点をまとめています。
- 前期・中期・後期の「見た目」と「安全装備」の簡単な見分け方
- 3つの時期の違いがひと目でわかる「早見表」
- ガソリン車とハイブリッド車の「エンジン」や「燃費」の傾向
- 結局どれがいい?「用途別のおすすめ」と「中古車選びの注意点」
カローラフィールダー160系前期と中期と後期の違い:初心者用説明
カローラフィールダー160系は、安全装備の進化とフロントデザイン(顔つき)の変化で「前期(2012-2015)」「中期(2015-2017)」「後期(2017-)」に大別される傾向があります。特に、中期で衝突被害軽減ブレーキなどの「Toyota Safety Sense C(TSS-C)」が選べるようになり、後期でそれが標準装備化された点が、中古車選びで大きな違いになるとされています。
前期・中期・後期の期間定義
この記事では、分かりやすさを優先して、以下のように時期を分けて呼んでいます。
- 前期:2012年5月~2015年3月頃(デビュー時)
- 中期:2015年4月~2017年10月頃(最初の大きな改良後)
- 後期:2017年10月~(安全装備が標準化された改良後)
見分け方:3つの「顔」で比較
車に詳しくなくても、見た目の違いで大まかな時期を判断しやすいのが160系フィールダーの特徴です。デザインについては、すでに見ているでしょうから、簡潔に説明していきます。
▼前期(2012~2015年頃)
デビュー当時のデザインで、比較的穏やかで控えめな顔つきが特徴とされています。
▼中期(2015~2017年頃)
2015年の大きな改良で、フロントグリルやバンパーのデザインが変わり、一気にシャープな印象になったと言われています。
▼後期(2017年~)
2017年の改良で、グリルなどがさらに精悍なデザインに更新されました。
安全装備(TSS-C)の違い
選ぶ時期によって、安全装備の充実度に大きな差があるとされています。
▼前期(2012~2015年頃)
横滑り防止機能(VSC)などは備わっていますが、TSS-Cのような先進的な予防安全パッケージは導入前でした。
▼中期(2015~2017年頃)
2015年の改良で、衝突被害軽減ブレーキ(PCS)や車線逸脱警報(LDA)などを含む「TSS-C」がオプションとして設定されました。(※グレードにより標準かオプションに分かれています)
※ここが重要で、中期のモデルすべてにTSS-Cが付いているわけではない点に注意が必要です。
▼後期(2017年~)
2017年の改良で、TSS-Cが全車に標準装備されました。
さらに、駐車時などでアクセルとブレーキを踏み間違えた際の衝突被害を軽減する「インテリジェントクリアランスソナー(ICS)」も設定され、安全性がさらに高まったと評価されています。
エンジンの違いも比較
ガソリン車の場合、2015年の中期モデルから主役のエンジンが変わった点もポイントです。
▼前期(~2015年頃)
ガソリン1.5L車は「1NZ-FE」というエンジンが中心でした。ハイブリッドは前期途中の2013年に追加されています。
▼中期・後期(2015年頃~)
ガソリン1.5L・CVT・前輪駆動(FWD)車の多くが、より燃費効率などが追求された新世代の「2NR-FKE」というエンジンに置き換わりました。
ただし、4WD車などは引き続き「1NZ-FE」エンジンが使われるなど、条件によって搭載エンジンが異なるため少し複雑です。
▼安全装備は「中期」選びがキモ?
情報を整理していて感じるのは、「中期(2015~2017年)」のモデルを選ぶ時が一番注意が必要そうだ、という点です。見た目は新しくなっていても、肝心のTSS-Cがオプションだったため、搭載されていない車両も中古車市場には存在すると考えられます。安全性を期待して中期を選ぶ場合は、TSS-Cの有無をしっかり確認することが大切になりそうです。
免責事項:本記事に記載されている情報は、特定の車種の一般的な傾向について言及したものであり、個々の車両の状態や性能を保証するものではありません。装備や仕様は、年式、グレード、オプション設定によって異なります。中古車をご検討の際は、必ず現車を確認し、販売店が提供する情報(車両状態評価書、整備記録簿など)を精査してください。
カローラフィールダー160系前期と中期と後期の違い:早見表
カローラフィールダー160系の前期・中期・後期の違いは、安全装備(TSS-Cの有無・標準化)、1.5Lガソリンエンジンの世代交代(2NR-FKE採用)、そしてフロントデザイン(顔つき)の変更が主なポイントです。安全装備は2015年の中期で初めて「設定」され、2017年の後期で「全車標準」になったという流れが、中古車選びで最も重要な違いとされています。
前期・中期・後期の違い「早見表」
まずは、3つの時期の違いを一覧表にまとめました。
| 観点 | 前期 | 中期 | 後期 |
|---|---|---|---|
| 期間の目安 | 2012/5〜 2015/3頃 (HVは2013/8追加) |
2015/4〜 2017/10頃 |
2017/10〜 (2019〜EX中心へ) |
| 顔つき(外観) | 穏やかなデザイン | シャープなデザインに刷新 | さらに精悍なデザインに |
| 先進安全装備 | TSS-Cなし(導入前) | TSS-C登場(設定) ※グレードにより オプションor標準 |
TSS-C全車標準 +ICS(踏み間違い時)設定 |
| 主なエンジン | 1.5L 1NZ-FE 1.8L 2ZR-FAE HV 1NZ-FXE(2013〜) |
1.5L(FWD)の主力が2NR-FKEに (4WD等は1NZ-FE継続) 1.8L・HVは継続 |
基本構成は中期を踏襲 (2NR-FKE主体) |
| 燃費の代表値(JC08) | HV:33.0〜33.8 km/L頃 | HV:33.8 km/L頃 1.5(2NR-FKE):23.0 km/L頃 |
HV:34.4 km/L頃(微改善) |
(出典:トヨタ自動車株式会社の2012年、2015年、2017年の各公式発表、および2015年・2017年の主要諸元PDF等の情報を基に作成。燃費は代表的なグレード・条件のカタログ値(JC08モード)を抜粋。)
エンジンの違いを詳しく比較
時期によって、どのエンジンが主力だったかが異なります。
- 前期(~2015年頃)
- 1.5L 1NZ-FE:ガソリン車の基本。FWD(前輪駆動)と4WDがありました。
- 1.8L 2ZR-FAE:よりパワーを重視する人向けの選択肢でした。
- HV 1NZ-FXE:2013年8月に追加され、低燃費モデルの主役となりました。
- 中期(2015年頃~)
- 1.5L 2NR-FKE:2015年の改良で、FWD・CVT車の主役に。アイドリングストップなどが採用され、実用燃費や静粛性の向上が図られたとされています。
- 1.5L 1NZ-FE:4WD車や一部のMT車などでは継続して採用されました。
- 1.8L / HV:継続して設定されました。
- 後期(2017年頃~)
- 基本的には中期の構成を継続しています。HVモデルは制御の最適化などで、カタログ燃費が34.4km/L(JC08モード)へとわずかに向上したとされています。
安全装備の進化(TSS-C)
中古車選びで最も重要なポイントになることが多い、安全装備の進化です。
- 前期(~2015/3頃):先進的な予防安全パッケージはありません。
- 中期(2015/4頃~):TSS-Cが登場(設定)されました。ただし、あくまでオプション設定だったため、搭載していない車両も多く存在します。(グレードにより標準)
- 後期(2017/10頃~):TSS-Cが全車標準装備になりました。さらに、駐車時などに役立つICS(インテリジェントクリアランスソナー)も設定されました。
サイズと燃費(ハイブリッド)
- ボディサイズ:全長約4,400mm × 全幅1,695mmと、3つの時期を通じて日本の道路事情にマッチした5ナンバーサイズが維持されているのが大きな特徴です。
- 燃費(JC08モード代表値):ハイブリッド車は、中期で33.8km/L、後期で34.4km/Lへと微改善しています。ガソリン車は、中期の1.5L(2NR-FKE)で23.0km/Lとされています。
▼2019年以降の「EX」グレードへの移行
情報を整理する中で、もう一つ補足すべき点が見つかりました。後期モデルの中でも、2019年8月頃からはラインアップが整理され、「EX」「HYBRID EX」といったグレードが中心になっていったようです。これは、主に法人需要やビジネスユースを意識した装備内容に簡素化されている傾向があると言われています。もし後期モデルで個人向けの豪華な装備(例えば「W×B」グレードなど)を探す場合は、2019年8月より前の年式を中心に探すか、2019年以降の「EX」系の装備内容をしっかり確認する必要がありそうです。
免責事項:本記事に記載されている情報は、特定の車種の一般的な傾向について言及したものであり、個々の車両の状態や性能を保証するものではありません。装備や仕様は、年式、グレード、オプション設定によって異なります。中古車をご検討の際は、必ず現車を確認し、販売店が提供する情報(車両状態評価書、整備記録簿など)を精査してください。
カローラフィールダー160系前期と中期と後期:おすすめは?
カローラフィールダー160系は、安全性を重視するなら後期(2017年〜)、コストパフォーマンスとのバランスなら中期(2015〜2017年)、価格重視なら前期(2012〜2015年)が選択肢になる傾向があります。ただし、中期は安全装備「TSS-C」がオプション設定だったため、同じ中期モデルでも個体によって装備の有無が異なる点に、最大の注意が必要とされています。
結局どれがいい?用途別に比較
あくまで情報の整理ですが、用途ごとにどの時期が合いそうか、まとめてみました。
- 家族の安全や通勤を最優先するなら→後期(2017年~)が第一候補になるかもしれません。TSS-Cが全車標準である安心感に加え、ICS(踏み間違い時被害軽減)も設定されているためです。ハイブリッドの燃費も最も良い数値(34.4km/L)とされています。
- 安全も価格もバランス良く選びたいなら→中期(2015~2017年)が選択肢になりそうです。ただし、「TSS-C搭載車」であることを厳密に確認することが大前提です。1.5Lの主力エンジンも新しくなっているため、価格と性能のバランスが取れていると評価されることが多いようです。
- 初期費用をとにかく抑えたいなら→前期(~2015年)が候補になるでしょう。装備はシンプル(TSS-Cなし)ですが、その分、中古車価格は抑えめな傾向があります。安全装備の違いを理解したうえで、整備記録がしっかりした個体を選ぶのが良さそうです。
- 街乗りや低燃費を重視するなら→HYBRID(ハイブリッド)が良いかもしれません。特に後期はカタログ燃費も最良です。
- 雪道などで4WDが必須なら→1.5 4WDモデルになります。ただし、4WDは中期以降も旧来の「1NZ-FE」エンジンが継続されたとされています。安全性を考えるなら、後期の4WDがより安心かもしれません。
前期(2012-2015)の中古注意点
価格が魅力的な前期ですが、いくつか知っておきたい点があります。
- TSS-C(予防安全)がない:この時期のモデルには、TSS-Cが装備されていません。この点をどう考えるかが、前期を選ぶかどうかの最大の判断材料になりそうです。
- ハイブリッドは2013年8月から:前期の中でも、ハイブリッドが選べるのは2013年8月以降のモデルです。
- HVバッテリー冷却フィルターの確認:ハイブリッド車の場合、年式が進んでいるため、HVバッテリーの冷却用ダクトやフィルターがホコリなどで詰まっていないか、清掃履歴などを確認できると安心材料になるかもしれません。
中期(2015-2017)の中古注意点
バランス型の中期は、装備の「有無」の確認が重要です。
- TSS-Cが「設定」であること:最も重要な注意点です。TSS-Cが付いていない個体も普通に流通しているため、メーター内の表示やフロントガラス上部のカメラユニットの有無などで、必ず「TSS-C搭載車」かを確認する必要があります。
- フロントガラス交換歴の確認:TSS-C搭載車の場合、もしフロントガラスを交換していると、前方カメラの再調整(エーミング)という作業が必要とされています。整備記録簿などで、ガラス交換歴と再調整の実施履歴が確認できると安心です。
- バッテリー規格の違い:1.5L(2NR-FKE)はアイドリングストップが搭載されています。このため、バッテリー交換時にアイドリングストップ車専用のバッテリーが必要となり、従来のバッテリーより交換費用が少し高くなる傾向があるようです。
後期(2017-)の中古注意点
完成形ともいえる後期ですが、注意点がないわけではありません。
- ICS(踏み間違い時)は「設定」:TSS-Cは全車標準ですが、ICS(パーキングサポートブレーキ/静止物)はオプション設定だったとされています。バンパーの超音波センサーの有無などで、装備されているかを確認するのが良いでしょう。
- リコールや改善対策の確認:年式が比較的新しいモデルでも、リコールや改善対策の対象となっている場合があります。トヨタの公式ウェブサイトなどで、検討中の車両が対象かどうか、また、対策が実施済みかを確認することが重要です。
▼リコール・改善対策の確認は必須
情報を集めていて強く感じたのは、どの年式であっても「リコール・改善対策」の履歴確認は非常に重要だということです。特に安全装備に関わる部分や、燃料ポンプなど走行の根幹に関わる部分の対策が未実施だと、後々大きなトラブルや出費につながる可能性もゼロではありません。トヨタや国土交通省の公式ウェブサイトでは車台番号で検索できる仕組みが提供されているようなので、購入を決める前には必ず確認しておきたいプロセスだと感じました。
免責事項:本記事に記載されている情報は、特定の車種の一般的な傾向について言及したものであり、個々の車両の状態や性能を保証するものではありません。装備や仕様は、年式、グレード、オプション設定によって異なります。中古車をご検討の際は、必ず現車を確認し、販売店が提供する情報(車両状態評価書、整備記録簿など)を精査してください。
この記事の情報収集で参考にした主な出典
記事を作成するにあたり、以下の公式情報を主に参考にしました。
- 2012年FMC(前期)公式ニュース(トヨタ自動車株式会社)
- 2015年MC(中期)公式ニュース(トヨタ自動車株式会社)
- 2017年MC(後期)公式ニュース(トヨタ自動車株式会社)
- 2015年 主要諸元PDF(トヨタ自動車株式会社)
- 2017年 主要諸元PDF(トヨタ自動車株式会社)

