エクリプスクロス ガソリンモデルの購入を検討しているけれど、後悔しないか不安に思っていませんか?
高額な買い物だからこそ、デザインや性能だけでなく、買ってから気づくような欠点や、リアルな実燃費、そして将来的なリセール率まで、あらゆる角度から判断材料を集めたいですよね。特に、三菱独自の4WD技術であるS-AWCの評価や、具体的な故障・不具合の事例は気になるところです。また、自分に合ったおすすめグレードや、手放すときに有利な人気色、さらにはPHEVモデルとの比較も重要なポイントです。
この記事では、あなたのそんな疑問や不安を解消するために、エクリプスクロス ガソリンモデルの評価を客観的なデータとオーナーの声に基づいて徹底的に掘り下げます。
この記事でわかる5ポイント
- 購入後に後悔しやすい5つのポイントとその対策
- カタログ燃費と実燃費の差、満タンで走れる距離
- あなたに合ったグレードの選び方と4WD(S-AWC)の価値
- 売却時に損をしないリセール率と人気色の傾向
- ガソリンとPHEV、どちらが本当にあなた向きかの比較
エクリプスクロス ガソリンで後悔しないために:欠点と注意点を先回りして潰すチェックリスト
エクリプスクロス ガソリンモデルの購入で後悔しないためには、考えられる欠点や不満点を事前に把握し、自分にとって許容範囲内かを確認することが大切です。ここでは、オーナー評価で声が上がりやすいポイントを基に、購入前に確認すべきチェックリストを提案します。静粛性や居住性、視界といった感覚的な部分から、燃費や維持費まで、多角的に見ていきましょう。
【オーナー評価傾向】 オーナーからの評価を見ると、「ガソリンターボならではの静かでスムーズな加速」や「高速道路での安定性」といった走行性能に満足する声が多く見られます。一方で、「後席のスペースがもう少し広ければ」「独特なリアガラスの視界に慣れが必要」といった居住性や使い勝手に関する指摘も一部で見られます。これらは、乗る人の体格や家族構成、使い方によって感じ方が大きく変わるポイントと言えそうです。
このクルマの立ち位置を考察してみると、エクリプスクロスはデザイン性の高いクーペSUVという特性上、一部の実用性(例えば、後席の乗り降りのしやすさや、極端に広い室内空間)よりも、走りの楽しさやデザインを優先するユーザーに向いていると考えられます。特に、後方の視界については、2分割されたリアガラスが特徴的です。これはデザイン上のアクセントであり、視界の確保にも貢献していますが、見え方には個人差が出やすい部分です。
購入後に後悔しないためのチェックポイントとして、試乗は必須です。その際は、以下の項目を重点的にチェックすることをお勧めします。
- 視界の確認:必ず自分の運転ポジションにシートを調整し、後方や斜め後ろの視界を確認しましょう。特に、バックでの駐車を試させてもらうと、実用シーンでの見え方がよくわかります。
- 後席のチェック:実際に後席に座ってみて、頭上や足元のスペースを確認します。家族で使う予定なら、家族全員で、あるいはチャイルドシートを持ち込んで試してみるのが最も確実です。
- 静粛性の体感:一般道だけでなく、可能であれば少し速度の出るバイパスや高速道路を走り、エンジン音やロードノイズ(タイヤが路面から拾う音)が気になるレベルかを確認しましょう。
そして、試乗で一番大切なことは、デザインの格好良さだけでなく、自分の日常的な使い方を頭に思い浮かべながら、現実的な視点で各項目をチェックすることです。これが後悔を避けるための最も重要なステップです。
購入後に「後悔」しやすいポイント5選
ここでは、実際のオーナーの声や車両のスペックから、特に購入後に「思っていたのと違った」と感じやすい5つのポイントを具体的に解説します。
- 後席の居住性と乗降性 後席のスペースは、大柄な方が座ると少し窮屈に感じる可能性があります。特に、クーペスタイルのため、ドアの開口部が後方に向かって少し狭くなっており、乗り降りの際に頭を少し屈める必要があるかもしれません。 【こんな時は実車で確認を】:ご家族に身長の高い方がいる場合や、高齢の方を乗せる機会が多い場合は、実際に乗り降りを試してもらうのが一番です。
- 後方視界の特殊性 上下2分割のリアガラスは、慣れるまでは少し戸惑うかもしれません。中央のバーが視界を遮ると感じる人もいれば、上下に視界が分かれていることで逆に広く感じて見やすいという人もおり、評価が分かれるポイントです。 【不安を解消するには】:アラウンドビューモニター(車を上から見たような映像を映し出す機能)が装備されているグレードを選ぶと、駐車時の不安は大幅に軽減できます。
- 実燃費とカタログ燃費のギャップ 1.5Lターボエンジンは軽快な走りを提供しますが、市街地でのストップ&ゴーが多い乗り方だと、カタログ燃費(WLTCモード)との差が開きやすい傾向があります。 【燃費の考え方】:後述する燃費の項目で詳しく解説しますが、自分の走行シーン(市街地が多いか、郊外や高速が多いか)を考慮して、実燃費を予測することが大切です。
- 先進安全装備のグレードによる差 ヘッドアップディスプレイ(HUD:フロントガラスに速度などの情報を表示する機能)や、運転支援システムの機能は、グレードによって標準装備かどうかが異なります。【ここだけは要チェック!】:「当然ついていると思っていた」という後悔を避けるため、希望する装備がどのグレードに含まれているのか、カタログや公式サイトの装備比較表で必ず確認しましょう。
- 積載スペースの形状 荷室の広さ自体は、後席を使用した状態で405L(VDA法)と、十分な容量を確保しています。ただし、リアのデザインの影響で、開口部の高さや床の形状に少し特徴があります。大きな荷物や、特定のレジャー用品を積む予定がある場合は注意が必要です。 【実際に試してみましょう】:実際に積みたい物(ゴルフバッグやベビーカーなど)があれば、試乗の際に積ませてもらえるか販売店に相談してみましょう。
故障・不具合・リコールの実例と対処
車を長く安心して使うためには、過去の故障やリコールの情報を知っておくことも重要です。ここでは、国土交通省やメーカーから発表された公式情報に基づき、具体的な事例と対処法を解説します。
リコール・サービスキャンペーンの事例
発表日 | 対象 | 内容 | 症状の可能性 |
---|---|---|---|
2024年1月26日届出 | 燃料ポンプ | 燃料ポンプの一部の部品が変形し、作動不良となることがある。(対象は他車種含め計203,663台) | 最悪の場合、走行中にエンジンが停止する恐れがある。 |
– | ECUなど | ECU(エンジンコントロールユニット)の制御プログラムなどが不適切。 | – |
リコール情報の正しい捉え方として、リコールやサービスキャンペーンは、メーカーが品質を保証し、安全性を確保するために行う重要な対応です。これらの情報が公開されていることは、むしろメーカーがしっかりと市場の車を監視している証拠と捉えることができます。重要なのは、自分の車が対象になった際に、確実に対応を受けることです。
中古車選びでの確認ポイントとして、購入を検討している場合は、その車両がリコールの対策済みであるかを必ず確認しましょう。販売店に確認するか、車検証に記載されている車台番号をメーカーのウェブサイトで検索することで、実施状況を確認できます。
必ず確認すべきことですが、リコールやサービスキャンペーンの対象となる車両の型式や製造期間は細かく指定されています。自分の車、あるいは購入を検討している車が対象かどうかは、必ずメーカー公式サイトや国土交通省のウェブサイトで車台番号を入力して確認してください。
乗り心地・静粛性・視界は?
車の快適性は、スペックの数値だけでは測れない重要な要素です。特に、毎日乗る車であれば、乗り心地や静粛性、視界の良し悪しが満足度を大きく左右します。
静粛性 【オーナー評価傾向】 「ガソリン車とは思えないほど静か」「高速道路でも会話がしやすい」といった、静粛性の高さを評価する声が多く寄せられています。1.5Lターボエンジンは、必要な時だけ力強く回転し、一定速度での巡行中は非常に静かに感じられるようです。
乗り心地とシート 【オーナー評価傾向】 シートの出来が良く、長距離を運転しても疲れにくいという評価が目立ちます。足回りは、硬すぎず柔らかすぎず、しっかりとした安定感のある乗り心地を提供してくれるようです。
視界 【オーナー評価傾向】 前方や側方の視界は良好ですが、やはり後方視界は評価が分かれます。 「慣れれば問題ないし、むしろデザインが好き」という肯定的な意見と、「ピラー(柱)が太く、斜め後ろが見にくい場面がある」という慎重な意見の両方が存在します。
これらの感覚的な快適性は、まさに「百聞は一見に如かず」です。試乗で確かめたい快適性のポイントとして、以下の点を意識してみてください。
- 様々な路面を走る:きれいなアスファルトだけでなく、少し荒れた路面も走行し、不快な突き上げがないかを確認しましょう。
- 速度域を変えてみる:街中の速度(40~50km/h)と、バイパスなどでの少し速い速度(60~80km/h)で、ロードノイズや風切り音の変化を感じてみましょう。
- シートポジションを徹底的に調整する:自分の体格に合った最適なシートポジションを見つけることが、正しい視界を確保し、乗り心地を正しく評価する上での大前提です。
エクリプスクロス ガソリンの実燃費:WLTC・街乗り・高速と満タン航続距離
車の維持費で大きな割合を占める燃料代。ここでは、エクリプスクロスのガソリンモデルの燃費性能を、カタログ値と実際のオーナー報告(実燃費)の両面から徹底的に分析し、満タンでどれくらい走れるのかをシミュレーションします。
カタログ燃費(WLTCモード)と実燃費
駆動方式 | カタログ燃費 (WLTC) | 市街地モード | 郊外モード | 高速道路モード |
---|---|---|---|---|
2WD | 13.4 km/L | 10.6 km/L | 13.8 km/L | 14.8 km/L |
4WD | 12.4 km/L | 9.8 km/L | 12.6 km/L | 13.8 km/L |
【オーナー評価傾向】 ユーザーの燃費報告を見ると、実燃費は走行条件によって大きく変わりますが、概ね 9~12 km/L の範囲に収まることが多いようです。特に、信号の多い市街地走行が中心だと10 km/L前後に、高速道路や郊外の走行が多いと12 km/L以上に伸びる傾向が見られます。
なぜカタログ燃費と差が出るのか? WLTCモードは、市街地、郊外、高速道路の各シーンを想定した国際的な燃費測定基準ですが、実際の道路状況(渋滞、アップダウン、エアコンの使用、乗車人数など)によって燃費は変動します。特にターボ車は、アクセルの踏み方によって燃費が大きく変わりやすい特性があります。
年間燃料費シミュレーション
年間10,000km走行、ガソリン価格を174.2円/L(※資源エネルギー庁発表の2025年8月25日週時点の全国平均価格を参考)と仮定した場合の年間燃料費の目安は以下の通りです。
駆動方式 | 実燃費の想定 | 計算式 | 年間燃料費の目安 |
---|---|---|---|
2WD | 11.0 km/L | (10,000km ÷ 11.0km/L) × 174.2円 | 約158,400円 |
4WD | 10.5 km/L | (10,000km ÷ 10.5km/L) × 174.2円 | 約165,900円 |
カタログ燃費(WLTC)と実燃費の差をどう読むか
カタログ燃費と実燃費の差を理解し、自分の使い方に合った燃費を予測することが重要です。
自分の使い方に当てはめてみましょう。
- 市街地モードに近い方:通勤や買い物で、ストップ&ゴーの多い街中を主に走る。 → 実燃費は10 km/L前後を想定。
- 郊外モードに近い方:信号の少ない郊外の道を、一定の速度で走ることが多い。 → 実燃費は12 km/L前後を想定。
- 高速道路モードに近い方:高速道路を使った長距離移動が多い。 → 実燃費は13 km/L以上も期待できる。
より正確な燃費を予測するコツは、自分の使い方(市街地7割、郊外3割など)に合わせて、各モードの燃費に重みづけをして計算することです。これにより、より現実に近い燃費を予測できます。
満タン距離の算出手順(計算式つき)と注意点
満タンでどのくらいの距離を走れるかは、長距離ドライブの計画や給油の頻度に関わる重要な指標です。
計算式:航続可能距離 = 燃料タンク容量 × 実燃費
エクリプスクロスの燃料タンク容量は以下の通りです。
- 2WD:63 L
- 4WD:60 L
この数値を使って、航続可能距離をシミュレーションしてみましょう。
駆動方式 | 実燃費の想定 | 計算式 | 航続可能距離の目安 |
---|---|---|---|
2WD | 11.0 km/L | 63 L × 11.0 km/L | 約693 km |
4WD | 10.5 km/L | 60 L × 10.5 km/L | 約630 km |
航続距離から見えることとして、この計算結果から日常的な使い方であれば、600km以上の航続が可能であり、給油の頻度で不便を感じることは少ないと考えられます。ただし、これはあくまで目安の数値です。
計画には余裕を持ちましょう。 高速道路での長距離移動など、途中でガソリンスタンドが少ない区間を走る場合は、計算上の航続距離に頼りすぎず、20~25%程度の安全マージンを見て早めに給油する計画を立ててください。
走り方と季節で燃費はどれだけ変わる?
燃費は、少しの工夫で改善することが可能です。ここでは、エコドライブのコツと、燃費に影響を与える季節要因について解説します。
明日からできる燃費改善テクニック
- 急のつく操作を避ける:「急発進」「急加速」「急ブレーキ」を避け、穏やかなアクセル・ブレーキ操作を心がけるだけで、燃費は大きく改善します。
- タイヤの空気圧を適正に保つ:空気圧が低いと、タイヤの転がり抵抗が増えて燃費が悪化します。月に一度はガソリンスタンドなどで空気圧をチェックする習慣をつけるのが、最も手軽で効果的な燃費改善策です。
- 不要な荷物は降ろす:車体が重いほど、動かすためにより多くのエネルギーが必要になります。普段使わない荷物は車から降ろしておきましょう。
季節による燃費変動の理由
- 冬場:エンジンが温まるまでに時間がかかり、暖房(特にエンジン熱を利用するA/Cオン時)の使用も増えるため、燃費は悪化する傾向があります。
- 夏場:エアコンの使用が燃費に大きく影響します。特に、外気温が高い時のフル稼働は燃費悪化の大きな要因です。
楽しみながら燃費を管理する工夫として、燃費記録アプリなどを活用して、自分の運転と燃費の関係を記録してみるのも面白いかもしれません。ゲーム感覚でエコドライブの腕を磨くことができます。
おすすめグレードと4WD(S-AWC)の強み:選び方がわかる要点整理
エクリプスクロスのガソリンモデルには、主に「M」「G」「P」というグレードが設定されています。ここでは、それぞれの特徴と、三菱が誇る4WDシステム「S-AWC」の価値を解説し、あなたに最適な一台を見つけるお手伝いをします。 (※価格は2025年9月時点の消費税10%込みメーカー希望小売価格。変動する可能性があります。)
グレード | 価格(2WD / 4WD) | 主な特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|
M | 2,773,100円 / 2,993,100円 | 基本装備をしっかり押さえたベーシックグレード | コストを抑えつつ、エクリプスクロスの基本性能を楽しみたい方 |
G | 3,118,500円 / 3,338,500円 | 先進安全装備や快適装備が充実した中間グレード | 価格と装備のバランスを重視し、満足度の高い一台を求める方(最もおすすめ) |
P | 3,300,000円 / 3,520,000円 | 最上級の装備をすべて備えたトップグレード | 本革シートなど、豪華で快適な装備を妥協なく選びたい方 |
BLACK Edition | 3,300,000円 / 3,520,000円 | Gグレードをベースに、内外装をブラックで統一した特別仕様車 | 他とは違う、引き締まったスポーティな個性を求める方 |
結論として、一番のおすすめは「G」グレードです。 多くの方にとって、安全装備と快適装備のバランスが良い**「G」グレード**が最も現実的で満足度の高い選択肢となるでしょう。ヘッドアップディスプレイや各種運転支援システムなど、後から付けられない魅力的な装備が標準で備わっています。
2WD(FF)と4WD(S-AWC)の違いはどこに出る?
エクリプスクロスを選ぶ上で、大きな判断ポイントとなるのが駆動方式です。特に4WDに搭載されるS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)は、単なる4WDとは一線を画す三菱独自の技術です。
S-AWC(車両運動統合制御システム)とは? 4輪の駆動力とブレーキを電子制御で統合的にコントロールし、「曲がる」「止まる」といったあらゆる操作で、ドライバーが意図した通りの車の動きを実現し、高い安定性を生み出すシステムです。
あなたに合うのはどちらでしょう?
- 2WDがおすすめな人
- 降雪地帯以外に住んでおり、主に市街地や舗装路を走行する。
- 少しでも購入価格や燃費を良くしたい。
- 4WD(S-AWC)がおすすめな人
- 降雪地帯に住んでいる、またはウィンタースポーツなどで雪道を走る機会がある。
- 雨の日の高速道路や、カーブの多い山道などを、より安心して気持ちよく走りたい。
- エクリプスクロスならではの「走りの質」を最大限に体感したい。
S-AWCの真価は、滑りやすい路面だけでなく、乾いた舗装路でのカーブでも発揮されます。車がまるで路面に吸い付くように曲がっていく感覚は、運転の楽しさと安心感を一段と高めてくれます。Gグレードの場合、220,000円の価格差でこの走りの質と安全性が手に入ると考えれば、十分に検討の価値があると言えるでしょう。
どのグレードを選ぶべき?装備と価格の現実解
最終的にどのグレードを選ぶべきか、あなたの使い方に合わせて考えてみましょう。
使い方別・おすすめグレード診断
- パターン1:コストパフォーマンス重視 → 「G」グレードの2WD(3,118,500円) 必要な安全・快適装備はほぼ揃っており、価格も抑えられます。S-AWCが不要な環境であれば、最も賢い選択です。
- パターン2:走りと安全性の両立 → 「G」グレードの4WD(S-AWC)(3,338,500円) 充実した装備に加え、S-AWCによる全天候型の高い走行安定性を手に入れられます。エクリプスクロスの魅力を最もバランス良く味わえる組み合わせです。
- パターン3:最上級の満足感 → 「P」グレードの4WD(S-AWC)(3,520,000円) 予算に余裕があり、本革シートなどの豪華装備を求めるならこの選択。所有する喜びを最大限に満してくれます。
後悔しないグレード選びの鉄則として、後から追加できないメーカーオプション(特に安全装備)を基準に考えるのがコツです。
ライバル(カローラクロス/ヴェゼル等)との要点比較ダイジェスト
エクリプスクロスが属するコンパクトSUVクラスは、多くの人気車種がひしめく激戦区です。
ライバルと比べた時の立ち位置 ライバルと比較した際のエクリプスクロスの強みは、以下の点に集約されると考えられます。
- 際立ったデザイン性:クーペスタイルを取り入れた、個性的でスポーティなデザイン。
- 高い走行性能:1.5Lターボエンジンによる力強い加速と、S-AWCがもたらす卓越した操縦安定性。
- 優れた静粛性:クラスの中でも静粛性は高く評価されており、上質な移動空間を提供。
一方で、燃費性能や室内空間の広さといった実用面では、カローラクロスやヴェゼルのハイブリッドモデルに分がある側面もあります。 走りの楽しさやデザインの個性を重視するならエクリプスクロス、燃費や実用性を最優先するならライバル車、という視点で比較検討するのが良いでしょう。
エクリプスクロスのリセール率・人気色・残価:売却時に後悔しないための基礎知識
車は購入時の価格だけでなく、手放すときいくらで売れるか、という「リセール率」もトータルコストを考える上で非常に重要です。
【オーナー評価傾向】 中古車市場のデータを見ると、エクリプスクロスは比較的に安定したリセール率を維持しているようです。特に、後述する人気のボディカラーや、装備の充実したグレード、そして4WDモデルはプラス査定の要因となりやすい傾向があります。
リセール価値を高める3つの要素
- グレード:装備が充実している「G」グレード以上や、特別仕様車の「BLACK Edition」は人気が高い傾向にあります。
- 駆動方式:4WD(S-AWC)は、中古車市場でも需要が高く、特に降雪地域ではリセールに有利に働きます。
- 走行距離と年式:当然ながら、年式が新しく、走行距離が短いほど高値がつきやすくなります。
年式別リセール率と変動要因
エクリプスクロスのリセール率は、年式やモデルチェンジのタイミングによって変動します。
売却額はいつ、どう変わる? 一般的に、新車登録から3年後、5年後が売却の一つの目安とされます。複数の買取情報サイトなどを見ると、3年落ちで60~70%、5年落ちで54%前後といった買取価格の事例が見られます(※算出方法や車両状態で大きく変動する参考値)。 リセールを特に重視するなら、需要が高まる1~3月の少し前に売却を検討するなど、タイミングも考慮に入れると良いでしょう。
少しでも高く売るためのヒントとして、特別仕様車である「BLACK Edition」は、標準モデルにはない専用の内外装パーツが装備されており、中古車市場での希少性が高まるため、リセールで有利になる可能性が高いと考えられます。
人気色ランキングと色選びのコツ
ボディカラーは、車の印象を大きく左右するだけでなく、リセール率にも影響を与える重要な要素です。
リセールに強い王道カラーはこれ! 一般的に、中古車市場で最も人気が高く、リセールで有利なカラーは**「ホワイト系」と「ブラック系」**です。これは、流行に左右されにくく、誰にでも受け入れられやすい定番カラーであるためです。エクリプスクロスの場合、具体的には以下のカラーが該当します。
- ホワイトダイヤモンド(有料色:77,000円)
- ブラックマイカ
色で査定額が変わる理由 人気色と不人気色では、将来の査定額に10万円から、場合によっては20万円以上の差がつくことも珍しくありません。これは、中古車販売店が「次の買い手がつきやすい=在庫リスクが低い」と判断するためです。
「リセール」vs「好み」色選びの考え方
- リセールを最優先するなら:ホワイトダイヤモンドかブラックマイカを選ぶのが最も堅実な選択です。有料色であるホワイトダイヤモンドは、初期費用はかかりますが、その分の価値は査定時に評価される可能性があります。
- 自分の好みを優先するなら:エクリプスクロスのイメージカラーである**レッドダイヤモンド(有料色:77,000円)**も、この車を指名買いする層には人気があります。ただし、白・黒に比べると買い手の層は少し狭まる可能性があります。
最終的には、自分が最も気に入って、愛着を持って乗れる色を選ぶことが一番ですが、リセールという視点も頭の片隅に置いておくと、より後悔のない選択ができるでしょう。
残価設定ローンの仕組みと注意点
月々の支払いを抑えられる「残価設定ローン」は、人気の支払い方法の一つです。三菱では「スーパーマイカープラン」という名称で提供されています。
仕組みの概要 数年後(例:3年後、5年後)の予想下取り価格(=残価)をあらかじめ車両本体価格から差し引き、残りの金額を分割で支払う方法です。
【計算例:Gグレード 4WD(3,338,500円)を5年プランで購入する場合】
- 残価の設定:仮に残価率を40%とすると、5年後の残価は 1,335,400円 と設定されます。
- 分割払いの対象額:車両価格 3,338,500円 – 残価 1,335,400円 = 2,003,100円
- 月々の支払い:この2,003,100円に金利を加えた額を、5年間(60回)から頭金や初回支払額を引いた回数で分割して支払います。
残価設定ローンの落とし穴
- 走行距離制限:例えば「月間1,000kmまで」といった契約の場合、5年後の満了時に60,000kmを超えていると、超過した距離に応じて精算金が発生します。仮に超過料金が 1kmあたり8円 で、10,000km超過した場合、80,000円の支払いが必要になります。
- 車両の状態:事故による修復歴や、内外装の大きな傷・汚れ、改造などは、返却時の査定額が下がり、残価との差額を支払う必要があります。
- 金利:残価として据え置いた金額にも金利がかかるため、総支払額は通常のローンより多くなる場合があります。
こんな人に向いています 「スーパーマイカープラン」は、数年ごとに新車に乗り換えたいと考えている人や、ライフスタイルの変化が予想される人にとっては、月々の負担を軽くできるメリットの大きいプランです。一方で、長期間同じ車に乗り続けたい人や、走行距離が多くなる人は、通常のローンの方が合っている場合もあります。自分のカーライフプランに合わせて慎重に検討しましょう。
エクリプスクロス ガソリンとPHEV比較:どちらが合うか【後悔しない】
※公式サイトによるとPHEVモデルは生産終了となっています(2025年9月時点)。新規での注文や在庫状況については、お近くの販売店へ直接ご確認ください。
エクリプスクロスには、ガソリンモデルの他に、PHEV(プラグインハイブリッドEV)モデルもラインナップされていました。ここでは、ガソリンモデルとの違いを比較し、後悔しないための選択をサポートします。
ガソリン vs PHEV 主要スペック比較表
項目 | ガソリンモデル (G/4WD) | PHEVモデル (G) | 違いとポイント |
---|---|---|---|
車両価格(目安) | 約334万円 | 約465万円 | 約131万円の価格差 |
燃費(WLTC) | 12.4 km/L | 16.4 km/L (ハイブリッド時) | PHEVはEV走行が主体 |
EV航続距離 | – | 57 km | 日常の多くの移動を電気だけでカバー可能 |
荷室容量(VDA) | 405 L | 359 L | バッテリー搭載のためPHEVはやや狭い |
燃料タンク容量 | 60 L | 43 L | PHEVはタンクが小さい |
車両重量 | 1550 kg | 1920 kg | PHEVはバッテリー搭載で約370kg重い |
S-AWC | 電子制御4WDベース | ツインモーター4WDベース | PHEVはより緻密で力強い制御が可能 |
PHEVのEV航続・電費と充電時間
PHEVモデルの最大の魅力は、電気モーターだけで走行できることです。
PHEVの心臓部をチェック カタログ上のEV航続距離は57kmです。これは、片道20km程度の通勤であれば、往復をガソリンを一切使わずに走行できる計算になります。 充電時間は、自宅に設置するAC200Vの普通充電で約4.5時間、外出先の急速充電器なら約25分で80%まで充電可能です。
PHEVのメリットを活かすための必須条件として、自宅に充電設備(AC200Vコンセント)を設置できることがほぼ必須となります。マンションなどの集合住宅では、充電設備の設置が難しい場合があるため、事前に確認が必要です。
使い方別の向き不向き
あなたの使い方では、ガソリンとPHEV、どちらが向いているでしょうか。
- PHEVが向いている人
- 毎日の走行距離が50km以内で、主に通勤や買い物に使う。
- 自宅に充電設備を設置できる(戸建てなど)。
- モーターによる静かで力強い加速フィールに魅力を感じる。
- 災害時などの非常用電源として車を活用したい。
- ガソリンモデルが向いている人
- 初期費用をできるだけ抑えたい。
- 長距離ドライブや高速道路の走行がメイン。
- 自宅に充電設備を設置できない。
- 車の重量が軽いことによる、軽快な走りを重視する。
1年あたりの総保有コスト比較の作り方
初期費用はPHEVの方が高いですが、燃料代(ガソリン代+電気代)や税金の優遇を考慮すると、年間の維持費はPHEVの方が安くなる可能性があります。
「本当のコスト」を計算してみましょう どちらが本当にお得かを判断するには、ご自身の年間の走行距離や、ガソリン価格、電気料金プランなどを基に、年間のランニングコストをシミュレーションしてみることが重要です。
ランニングコストの比較(年間10,000km走行と仮定)
項目 | ガソリン (4WD) | PHEV (8割EV走行) |
---|---|---|
燃料・電気代 | 約165,900円 | 約74,100円 |
自動車税 | 34,500円 | 43,500円(※初年度は免税) |
重量税 | 12,300円/年 相当 | 16,400円/年 相当(※購入時・初回車検時免税) |
合計(税金含む初年度以外) | 約212,700円 | 約134,000円 |
計算式の例(1年間で10,000km走行、うち8,000kmをEV走行する場合のPHEVの燃料代)
- 電気代:8,000km × 0.213kWh/km × 31円/kWh ≒ 約52,824円 (※電気料金はご家庭の契約プランや使用状況により大きく異なります。ここでは例として31円/kWhで計算していますので、ご自身の契約単価に置き換えてシミュレーションしてください。)
- ガソリン代:2,000km ÷ 16.4km/L × 174.2円/L ≒ 約21,244円
- 合計:約74,068円 (約74,100円)
一方、ガソリンモデル(実燃費10.5km/Lと仮定)で10,000km走行した場合のガソリン代は、約165,900円となります。 このシミュレーションはあくまで一例ですが、走行距離が長く、その多くをEV走行でカバーできる人ほど、PHEVの経済的なメリットは大きくなります。
【エクリプスクロス(ガソリン)の後悔】総括:最重要ポイント10選
- 購入前の試乗は必須:後席の広さや後方視界など、カタログだけでは分からない感覚的な部分は必ず実車で確認する。
- 実燃費は9~12km/Lが目安:年間1万km走行で燃料費は約16万円前後。市街地中心か高速中心かで大きく変動することを理解しておく。
- ベストバランスは「G」グレード:先進安全装備と快適装備、価格のバランスが最も良く、多くの人にとって満足度の高い選択肢となる。
- S-AWCは価格差以上の価値あり:約22万円の追加投資で得られる走行安定性と安心感は、雪道や雨天時だけでなく、日常の走りも上質にする。
- リセールを考えるなら「白・黒」「G以上」「4WD」:将来的な売却価格を高く保ちたいなら、人気の色・グレード・駆動方式の組み合わせが有利。
- 後悔ポイントは「後席・視界・燃費」:この3点は評価が分かれやすい。自分や家族にとって許容範囲か、試乗時に重点的にチェックする。
- PHEVは生産終了、在庫車のみ:PHEVは自宅充電できる短距離通勤ユーザーには最適だったが、今後はガソリンモデルが現実的な選択肢となる。
- 航続距離は600km超で十分:満タンでの航続距離は実用上十分。給油頻度で困ることは少ない。
- 残価設定ローンは走行距離に注意:月々の支払いは楽になるが、年間走行距離が多い人は契約条件(超過料金など)をよく確認する必要がある。
- 強みは「デザインと走り」:実用性でライバルに劣る部分もあるが、それを補って余りある個性的なデザインと走行性能がこの車の最大の魅力。
【参考・出典】
- 三菱自動車工業株式会社 公式サイト
- 国土交通省 自動車のリコール・不具合情報
- 経済産業省 資源エネルギー庁
- 東京電力エナジーパートナー
- 株式会社カーセブンディベロプメント