エクストレイル維持費vs年収【T32T33税金ら徹底解剖】維持できない?

エクストレイルの維持費は?税金年収ら徹底解剖 日産

エクストレイルの維持費について、購入を検討しているけれど、実際のところ年間でどれくらいかかるのか気になっていませんか?新しいT33型は魅力的だけど、税金(特に自動車税)や日々の燃料費を含めると、自分の年収で本当に維持できるのか、途中で維持できない状況にならないか不安に思う方も少なくないでしょう。また、中古で人気のT32型と比べて費用面にどんな違いがあるのかも知っておきたいポイントですよね。

この記事では、そんなエクストレイの維持費に関するあらゆる疑問に、具体的な数字を交えながら徹底的に解説します。

【この記事を読めばわかること】

  • エクストレイルの駐車場代や燃料費を含めたリアルな年間維持費の総額
  • 自動車税や重量税など、エクストレイルにかかる税金の詳細
  • ローンと維持費を合わせた場合の「月々の支払い額」シミュレーション
  • 「維持できない」を避けるための具体的な年収の安全ライン
  • 現行T33型と先代T32型で維持費にどれくらいの差が出るのか

エクストレイルの維持費【年間:詳細全体像】

エクストレイルの維持費は?税金、駐車場

エクストレイルの年間維持費は、お住まいの地域や車の使い方によって大きく変わりますが、一つの目安として年間約23万円から、都心部で月極駐車場を借りる場合は年間65万円以上かかることもあります。この金額には税金や保険、燃料代、定期的なメンテナンス費用が含まれており、特に駐車場代が全体の費用を大きく左右するポイントになります。

具体的にどのような費用がかかるのか、一つひとつ見ていきましょう。

費用の内訳【一覧】

費用項目 金額の目安(年間) 備考
燃料費 約5.3万円~15.8万円 ※走行距離や燃費で変動
自動車税 30,500円 T33型(1.5L以下)の場合
法定費用 約25,200円 重量税+自賠責保険(2年分を年割)
任意保険料 約4万円~8万円 年齢や等級、車両保険の有無で変動
駐車場代 約6万円~42万円以上 地方:月5,000円~、都内:月3.5万円~で計算
メンテナンス費 約2万円~7万円 点検費用や消耗品代
合計(目安) 約23万円~78万円以上

※上記はあくまで目安です。タイヤ交換などの大きな出費は別途考慮が必要です。

年間走行距離ごとのガソリン代は?

エクストレイル(T33型)の燃費は、カタログ上の公式値(WLTCモード)で1Lあたり18.4km~19.4kmとされていますが、これはあくまで国際的な試験法に基づいた数値です。実際の燃費は、街乗りや高速道路、季節などによって変動し、平均すると1Lあたり15km~17kmあたりで落ち着くことが多いようです。

ここではレギュラーガソリン価格を1Lあたり175円として、年間の走行距離別にガソリン代を計算してみましょう。

年間走行距離 年間ガソリン代の目安(実燃費16km/Lで計算)
5,000km 約54,700円
8,000km 約87,500円
10,000km 約109,400円
15,000km 約164,100円

年間10,000km走る方なら、ガソリン代だけで月に9,000円前後かかる計算ですね。

定期的なメンテナンス費用も忘れずに

車を安全に保つためには、定期的な点検や消耗品の交換が欠かせません。

  • 12か月点検: 15,000円前後~
  • 車検の整備費用: 20,000円~70,000円程度(法定費用は別途)
  • エンジンオイル交換: e-POWERでも発電用エンジンがあるので必要です。
  • タイヤ交換: グレードによりますが18~20インチのタイヤが装着されており、交換時は4本で6万円~18万円以上かかることもあります。

日産の「メンテプロパック」のような定額プランを利用すると、こうした出費を平準化できるので、公式サイトで詳細を確認してみるのも良いでしょう。

▼車選択ガイドの考察

エクストレイルの維持費をシミュレーションしてみると、やはり「駐車場代」が最も大きな変動要因だとわかります。もしご自宅に駐車場があるなら、都心部で借りるケースに比べて年間30万円以上も負担が軽くなる計算です。これから車を持とうと考えている方は、まず月々の駐車場代がいくらかかるのかを調べてみると、全体の維持費がイメージしやすくなるかもしれませんね。

▼知っておきたいe-POWERならではのポイント

エクストレイルはe-POWERという特殊なハイブリッドシステムを搭載しています。エンジンは発電専用で、走行はモーターで行うため、一般的なガソリン車とは少しメンテナンスの勝手が違います。例えば、ブレーキの負担が少ないためブレーキパッドが長持ちしやすい傾向がある一方、発電用のエンジンオイル交換は定期的に必要です。こうした小さな違いを理解しておくと、より納得して維持していくことができるでしょう。

エクストレイルの税金【自動車税、環境性能割ら】

エクストレイル(T33型)にかかる自動車税(種別割)は、総排気量1.497Lのため年間30,500円です。これは毎年支払う税金で、排気量が1.0L超~1.5L以下の区分に該当します。また、車を所有すると、この自動車税以外にも購入時や車検時に「自動車重量税」や「環境性能割」といった税金を納める必要がありますが、エクストレイルはエコカー減税の対象なので、これらの税負担が軽減されるのが嬉しいポイントです。

車に関わる税金は少し複雑なので、それぞれどんな税金なのか見ていきましょう。

車にかかる4つの主な税金

  1. 自動車税(種別割):毎年4月1日時点の所有者が納める都道府県税です。排気量によって金額が決まります。エクストレイル(T33型)は前述の通り、年間30,500円です。
  2. 自動車重量税:車の重さに応じてかかる国税で、主に車検の時に次の車検までの期間分(通常は2年分)をまとめて支払います。エクストレイルはエコカー減税の対象ですが、その軽減率は燃費基準の達成度合いによって免税(100%OFF)から50%軽減、25%軽減、そして軽減なし(本則税率)まで幅があります。購入するモデルの仕様や時期によって適用される税率が変わる点に注意が必要です。
  3. 環境性能割:車の購入時に、その車の環境性能に応じて課される都道府県税です。税率は燃費基準の達成度に応じて0%(非課税)、1%、2%、3%の4段階に分かれています。T33型エクストレイルも、購入時期やグレードの燃費性能によって、いずれかの税率が適用されます。(最新現行のエクストレイルのe-power搭載で1%適用です。非課税ではありません)
  4. 消費税:車両本体価格やオプション品、各種手数料に対して10%かかります。

▼環境性能割
最新現行のエクストレイルはe-power搭載で、「2030年度燃費基準90%達成車」となっています。国土交通省の資料では、「2030年度燃費基準90%達成車」の環境性能割は1%適用となります。非課税は95%達成車からです。(つまりグレードや年式によって2%3%になる可能性もあります)

▼ハイブリッド車ならではの税金のメリット

ガソリン車は新車登録から13年を超えると自動車税が約15%重くなりますが、エクストレイルのようなハイブリッド車はこの重課の対象外です。長く乗り続けることを考えた場合、この点は地味ながらも大きなメリットと言えるでしょう。

▼購入時の税金は「いつ買うか」で変わる

エコカー減税の基準は定期的に見直されます。例えば2025年4月や5月から新しい基準が適用され、「これまで免税だったグレードが軽減対象に変わる」といったことが起こり得ます。そのため、ディーラーで見積もりを取る際には、「今の時期に買うと、税金は総額でいくらになりますか?」としっかり確認するのが最も確実で安心です。

エクストレイルは月々いくらで購入できる?:パターン①【維持費+ローン】

エクストレイルの新車をローンで購入する場合、車両代と日々の維持費を合わせた月々の総支払額は、地方在住で駐車場代が比較的安い方なら約10万円から、都内などで駐車場を借りる場合は約12万円以上がひとつの目安となります。この金額は、選ぶローンの種類(金利)や頭金の有無、そして何より駐車場代によって大きく変動します。

具体的なシミュレーションを見ながら、月々のイメージを掴んでみましょう。

前提となる車両と維持費

  • モデル: X e-4ORCE(5人乗り)
  • 車両価格: 4,349,400円
  • 月々の維持費(ローン以外):
    • 燃料費:約9,000円(年1万km走行想定)
    • 任意保険:約6,000円(30代・車両保険あり想定)
    • 法定費用:約2,100円(税金・自賠責の年割)
    • 消耗品費:約2,000円
    • 維持費合計(駐車場抜き):約19,100円/月

支払いシミュレーション【ローン+維持費】

パターン ローン条件 ローン月額 維持費月額 合計月額(目安)
①都内在住・銀行ローン 頭金10%・金利2.3%・60回払い +駐車場代3.5万円/月 約69,100円 約54,100円 約123,200円
②地方在住・ディーラーローン 頭金10%・金利4.9%・60回払い +駐車場代1.0万円/月 約73,700円 約29,100円 約102,800円
③都内在住・残価設定クレジット 頭金0・金利4.9%・60回払い 据置率40%+駐車場代3.5万円/月 約56,200円 約54,100円 約110,300円

※あくまで簡易的なシミュレーションです。購入時には環境性能割(0%〜3%)などの初期費用が別途かかります。

▼ローン金利についての注意点

シミュレーションで用いた金利(銀行2.3%、ディーラー4.9%など)は、あくまで市場の相場感を示す一例です。金利は金融情勢によって変動しますので、ローンを検討する際は、必ず見積書に記載されている実質年率(APR)を確認するようにしましょう。

▼残価設定クレジットを選ぶ際の心構え

残クレは月々の負担を軽く見せられるため、ついワンランク上のグレードを選びたくなってしまうかもしれません。しかし、あくまで「将来の価値を先に借りている」状態だと考えるのが大切です。契約終了時に買い取る選択をするなら、まとまった資金が必要になります。「3年後、5年後に自分はどうしていたいか?」というライフプランと合わせて検討することが、後悔しないためのポイントになりそうです。

エクストレイルは月々いくらで購入できる?:パターン②中古【維持費+ローン】

エクストレイルの現行型(T33型)中古車をローンで購入する場合、月々の総支払額は都内で駐車場を借りるケースで約11万円からが現実的な目安となります。新車に比べて車両価格を抑えられるのが中古車の魅力ですが、選ぶ車の状態や利用するローンの金利によって、月々の負担は変わってきます。

中古車の価格帯とローンの目安

  • T33型中古車の価格帯: 走行距離が少なく状態の良いもので、300万円台後半~400万円台前半が中心です。
  • 中古車ローンの金利: 銀行系なら年2~4%台、ディーラーや信販会社では年5%を超えることもあります。

中古車購入シミュレーション【ローン+維持費】

ここでは、360万円の中古車を頭金なし・60回払いで購入し、維持費は新車の場合と同じ(駐車場代を除く月々約19,100円)として計算してみましょう。

パターン ローン条件 ローン月額 維持費月額 合計月額(目安)
①都内在住・銀行ローン 360万円・金利2.3% +駐車場代3.0万円/月 約63,500円 約49,100円 約112,600円
②地方在住・信販ローン 360万円・金利5.5% +駐車場代1.0万円/月 約68,800円 約29,100円 約97,900円

新車の場合と比べると、同じような月々の支払額で、ワンランク上のグレード(例:G e-4ORCE)を狙えるのが中古車の面白いところですね。

▼中古車選びで大事な「保証」の視点

中古車情報サイトでは車両本体価格が大きく表示されていますが、本当に重要なのは「支払総額」と「保証内容」です。日産の認定中古車には、1年間・走行距離無制限の「ワイド保証」が付帯していることが多く、有料で保証期間を延長することも可能です。こうした保証の有無が、購入後の予期せぬ出費リスクを大きく左右します。見積もりを取る際には、保証の内容と期間、どこまでが保証対象なのかをしっかり確認しましょう。

▼賢い買い方のためのちょっとしたヒント

エクストレイル(T33型)は比較的新しいモデルのため、リセールバリュー(再販価値)が高い傾向にあります。これは、将来手放すときに高く売れる可能性があるということ。購入時に少し高くても、走行距離が少なく、内外装がきれいな車を選んでおくと、結果的に数年後の乗り換えがお得になる、なんてことも十分に考えられます。購入時の価格だけでなく、数年後の出口まで見据えて車選びをすると、より賢い買い物ができるかもしれません。

エクストレイルの緊急費は?【トラブルにいくらあれば安心?】

エクストレイルを安心して乗り続けるためには、タイヤのパンクやバッテリー上がりといった予期せぬトラブルに備え、最低でも5万円、できれば10万円から15万円程度の緊急費用を別に用意しておくと安心です。JAFの年会費や任意保険のロードサービスで基本的な応急処置はカバーできますが、部品交換や長距離のレッカー移動が必要になると、予想以上の出費が発生することがあります。

どんなトラブルに、どれくらいのお金がかかる可能性があるのか、具体的な例を見てみましょう。

想定される主なトラブルと費用目安

トラブル内容 費用の目安 備考
タイヤのパンク 修理:約2,500円/本 交換:6万円~18万円/4本 損傷が激しいと交換が必要
フロントガラスの破損 リペア:約1.5万円~3万円 交換:7万円~25万円以上 飛び石などで発生。純正品は高額
スマートキーの紛失 約5万円~15万円 作成・登録に高額な費用がかかる
12Vバッテリー上がり 交換:約2万円~3万円台 JAF会員なら応急処置は無料
レッカー移動 約4万円~(非会員・30km) JAF非会員だと高額になりがち

※これらの費用はあくまで一例です。夜間や早朝、高速道路上での作業は割増料金がかかる場合があります。

備えとして有効なサービス

  • JAF(日本自動車連盟):年会費4,000円(+入会金2,000円)で、多くの応急処置が無料になったり、レッカー移動も20kmまで無料になったりします。保険のロードサービスではカバーしきれないトラブル(雪道でのスタックなど)にも対応してくれる心強い味方です。
  • 任意保険のロードサービス:ほとんどの自動車保険には、無料のロードサービスが付帯しています。レッカー距離の延長や、帰宅・宿泊費のサポートなど、手厚い特約を追加することも可能です。
  • メーカーの延長保証:新車購入時や初回車検時に加入できる有料の延長保証サービスです。故障修理は高額になりがちなので、万が一に備えておくと安心感が高まります。

▼JAFと保険付帯ロードサービス、両方入るメリットは?

「保険にロードサービスが付いているからJAFは不要では?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、両方に入っておくことにはメリットがあります。例えば、保険のサービスで無料レッカー距離を使い切ってしまっても、JAFの無料分を追加で利用できる場合があります。また、JAFは「人にかかる」サービスなので、友人の車や会社の車を運転している時のトラブルでも利用可能です。お守りとして両方に加入しておく、というのも賢い選択肢の一つかもしれませんね。

▼e-POWERの大きなバッテリーは心配しなくていい?

エクストレイルには、走行用の大きなリチウムイオンバッテリーが搭載されていますが、これについては過度に心配する必要はなさそうです。日産の公式サイトでも「劣化による交換は通常不要」と説明されており、5年または10万kmの特別保証も付いています。日頃のメンテナンスで気にかけるべきは、エンジンをかけるための「12V補機バッテリー」の方だと覚えておきましょう。

エクストレイルの維持費はt32やt33ら年式やグレードで大きく変わる要素ある?

エクストレイルの維持費は、現行モデルのT33型と、一つ前のT32型とで、主に**「①自動車税」と「②燃費」**の2つのポイントで年間数万円単位の差が生まれます。結論から言うと、新しいT33型の方が税金が安く、実燃費も優れているため、年間のランニングコストを抑えやすい傾向にあります。

具体的にどこがどう違うのか、比較しながら見ていきましょう。

T33型 vs T32型 維持費比較

比較項目 T33型 (現行) T32型 (先代) 差のポイント
① 自動車税 30,500円/年 (1.5L e-POWER) 36,000円/年 (2.0L ガソリン/HV) 年間5,500円、T33型が安い
② 燃費 WLTC:約18.4~19.4km/L 実燃費:15~18km/L前後 JC08:約16.4km/L 実燃費:11~13km/L前後 T33型の方が圧倒的に低燃費
③ タイヤサイズ 18~20インチ 17~18インチが中心 T33の上級グレードはタイヤ代が高額に
メンテナンス 発電用エンジン+モーター エンジン+CVT 構造は違うがオイル交換は共に必要

燃料代と税金を合わせると、年間でどれくらい違う?

仮に年間10,000km走行し、ガソリン価格を175円/Lとして計算してみましょう。

  • T33型(実燃費17km/L):燃料代 約10.3万円+税金 3.05万円=約13.35万円
  • T32型(実燃費12km/L):燃料代 約14.6万円+税金 3.6万円=約18.2万円

このシミュレーションでは、年間で約4.85万円もの差が出ることになります。長く乗れば乗るほど、この差は大きくなっていきますね。

▼見落としがちな大径タイヤのコスト

T33型はスタイリッシュな20インチタイヤを装着したグレードがありますが、これは維持費の観点では注意が必要です。タイヤはインチが大きくなるほど価格が上がり、交換時の出費が大きくなります。例えば、18インチなら4本で6~10万円台なのに対し、20インチでは13~18万円台になることも。T32型からの乗り換えを検討する際は、このタイヤコストも頭に入れておくと良いでしょう。

▼中古車選びの視点

「じゃあ中古で買うなら絶対にT33型がお得なの?」と思うかもしれませんが、一概にそうとは言えません。T32型は中古車市場での価格がこなれてきており、車両本体価格を大きく抑えることができます。購入時の価格差と、数年間乗った場合の維持費の差を天秤にかけて、「自分の使い方なら、トータルでどちらがお得か?」を計算してみるのが賢い選択と言えそうです。街乗り中心であまり距離を走らない方なら、車両価格の安いT32型という選択も十分に考えられます。

エクストレイルは大学生で維持できる?

エクストレイルほどのサイズのSUVを、一般的なアルバイト収入で生活している大学生が単独で維持することは、残念ながら実質的に不可能と言わざるを得ません。月々の維持費だけで数万円に達し、アルバイト収入の大部分、あるいはそれを超える金額が必要になってしまうからです。特に、年齢が若いドライバーにとって非常に高額な任意保険料が、大きな壁として立ちはだかります。

なぜ学生がエクストレイルを維持するのが難しいのか、具体的な数字で見てみましょう。

学生にとっての厳しい現実【月々の最低維持費】

仮に車両をローンなしで手に入れたとしても、最低限かかる維持費は以下のようになります。

  • 任意保険料: 約17,000円~30,000円(10代・20歳の「全年齢補償」の場合)
  • 燃料費: 約8,000円~(そこまで乗らなくてもかかる)
  • 自動車税の月割: 約2,500円
  • 法定費用の月割: 約2,100円
  • 駐車場代: 約5,000円~(地方でも最低限このくらいは見ておきたい)
  • 最低維持費の合計: 月々 約34,600円~

大学生のアルバイト収入の平均が月々約6万円というデータを考えると、この維持費はあまりにも重い負担です。さらに、これはトラブルが一切ない場合の金額。一度パンクでもすれば、数万円が飛んでいってしまいます。

▼なぜ学生の保険料はこんなに高いの?

自動車保険料は、事故を起こすリスクの高さによって決まります。統計的に、運転経験の浅い若いドライバーは事故率が高いため、保険料が非常に高く設定されているのです。21歳、26歳と年齢を重ねるにつれて保険料は下がっていきますが、10代や20歳の方が自分名義で契約すると、驚くほどの金額になってしまうのが現実です。

▼クルマを持つ前に検討したい、賢い選択肢

「それでもドライブを楽しみたい!」という気持ちはとてもよく分かります。そんな時は、車を「所有」する以外の方法を検討してみてはいかがでしょうか。

  • カーシェアリングやレンタカーを利用する:必要な時だけ車を借りるスタイルなら、維持費を気にすることなくドライブを楽しめます。
  • 家族の車を運転させてもらう:もしご家族が車を持っていて、保険の運転者条件を追加できるのであれば、それが最も現実的な選択肢かもしれません。運転の練習にもなります。

車を持つことは素晴らしい経験ですが、生活を圧迫してしまっては元も子もありません。まずは運転経験を積みながら、将来自分の力で好きな車に乗るための準備期間と考えるのが、賢明な判断と言えるかもしれませんね。

エクストレイルをギリギリ年収で維持することで発生するリスクって?

エクストレイルを「なんとか買えそう」というギリギリの年収で維持することには、金銭的な問題だけでなく、安全面や生活全体の満足度を低下させてしまう大きなリスクが伴います。車は購入して終わりではなく、そこから始まる維持費という長い付き合いが発生します。余裕のない資金計画は、せっかく手に入れたカーライフの喜びを奪いかねません。

具体的にどんなリスクがあるのか、一つずつ見ていきましょう。

家計を圧迫する「見えないリスク」たち

  • ① メンテナンスを後回しにしてしまうリスク「今月は厳しいから、タイヤ交換はまた今度にしよう…」溝が減ったタイヤや、効きの悪くなったブレーキを放置することは、事故に直結する非常に危険な行為です。お金に余裕がないと、こうした安全に関わる重要なメンテナンスをつい先送りにしてしまいがちになります。
  • ② 急なトラブルに対応できないリスクパンク、バッテリー上がり、飛び石によるガラスのひび割れ…。車には予測不能な出費がつきものです。ギリギリの家計では、数万円の修理費が捻出できず、車を動かせなくなってしまったり、高金利のローンに頼らざるを得なくなったりする可能性があります。
  • ③ 残価設定クレジットの「最終回」リスク月々の支払いが安い残価設定クレジットは、最終回にまとまった金額の支払いが待っています。その時に「買い取るお金がない」「乗り換える頭金もない」という状況に陥ってしまうと、車を手放さざるを得なくなります。また、走行距離の超過や内外装のキズで追加料金を請求されることも。
  • ④ 保険料の値上がりに対応できないリスクもし事故を起こして保険を使うと、翌年からの保険料は等級が下がって大幅にアップします。ただでさえギリギリの維持費が、さらに家計を圧迫するという悪循環に陥ってしまいます。
  • ⑤ 生活全体の質が低下するリスク車の維持費を捻出するために、友人との交際費や趣味、旅行など、本来楽しむべきことまで我慢しなければならなくなります。「車はあるけど、ガソリン代が気になってどこにも行けない…」というのは、とても悲しい状況です。

▼クルマは「持てた」後が、本当のスタート地点

車選びをしている時は、どうしても月々のローン返済額に目が行きがちです。しかし、本当に大切なのは「ローン+維持費」を無理なく支払い続け、さらに「緊急時の出費」にも対応できる資金的な余裕があるかどうかです。この記事で紹介したような年間の維持費や緊急費を参考に、ご自身の収入と照らし合わせて、「これなら安心して楽しめる」と思える範囲で計画を立てることが、失敗しない車選びの最大のコツと言えるでしょう。

▼**「乗らない節約」が招く、意外なデメリット**

維持費を節約するために「あまり車に乗らないようにしよう」と考える方もいるかもしれません。しかし、車は長期間動かさないと、バッテリーが上がってしまったり、タイヤなどのゴム部品が劣化しやすくなったりと、かえってコンディションを悪くしてしまうことがあります。適度に走らせてあげることが、車を良い状態に保つ秘訣でもあるのです。

エクストレイルの維持できない年収は?【安全ラインはどこ?】

エクストレイルを無理なく維持するための年収ラインは、2つの指標で考えるのがおすすめです。FP(ファイナンシャルプランナー)などが推奨する経験則的な目安として**「①車関連費が手取り月収の15%以内」、そして金融機関が用いるより厳密な指標として「②DTI(年間総返済額÷年収)が25%以内」**があります。

たとえば現行エクストレイル(X e-4ORCE)を都心(駐車場3.5万円/月)で維持する場合、快適なラインとして手取り月収約82万円(額面年収目安1,160万円~)、家計に余裕が少なくなる成立ラインで**手取り月収約61.6万円(額面年収目安870万円~)**がひとつの試算となります。

では「自分の年収で大丈夫?」と気になる方のために、具体的なシミュレーションを見ていきましょう。

▼シミュレーションの前提条件

この記事での計算は、以下の条件を基準としています。

  • 対象モデル: エクストレイル X e-4ORCE(車両価格 4,349,400円)
  • ローン条件: 銀行ローン(金利2.275%)、60回払い、頭金10%
  • ガソリン価格: 175.2円/L(2025年9月16日時点の全国平均)
  • その他維持費:
    • 任意保険:月6,000円(※30代・車両保険ありの一般的な例。年齢、運転歴、等級、補償内容で大きく変動します)
    • 法定費用:月2,100円
    • 消耗品:月2,000円
    • 燃料費:月9,000円(年間1万km走行想定)

▼**【安全ライン】車関連費を手取りの15%に収めるには?**

家計に占める車関連費(ローン+全ての維持費)が手取りの15%以内だと、余裕を持ったカーライフが送りやすいと言われます。 この基準で考えると、必要な年収は以下のようになります。

駐車場代の場所 月々の総費用(目安) 必要な手取り月収 (総費用÷15%) 必要な額面年収(目安)
都心(3.5万円/月) 約123,200円 約82.1万円 約1,160~1,310万円
郊外(2.0万円/月) 約108,200円 約72.1万円 約1,018~1,153万円
地方(1.0万円/月) 約98,200円 約65.5万円 約924~1,047万円

※額面年収は、手取りを額面の75%~85%として算出。
※駐車場代は、都内23区の相場データや実際の募集事例を参考に設定しています。
ご覧の通り、特に駐車場代が年収ラインを大きく左右します。この試算では、都心と地方で安全ラインとされる額面年収に200万円から260万円前後の差が生まれることもあります。

▼**【成立ライン】手取りの20%で維持する場合**

もう少し基準を広げ、車関連費が手取りの20%を占める場合を「成立ライン」として考えてみましょう。この水準でも維持は可能ですが、家計の余裕はかなり小さくなり、急な出費などに対応しづらくなるため慎重な判断が必要です。

駐車場代の場所 月々の総費用(目安) 必要な手取り月収 (総費用÷20%) 必要な手取り年収(目安)
都心(3.5万円/月) 約123,200円 約61.6万円 約739万円
郊外(2.0万円/月) 約108,200円 約54.1万円 約649万円
地方(1.0万円/月) 約98,200円 約49.1万円 約589万円

このケースで都心在住の場合、必要な手取り年収は約739万円、これを額面年収に換算すると**約870万円~**がひとつの目安となります。

▼別の視点:ローン審査の基準「DTI」で考える

DTI(Debt to Income Ratio)とは、額面年収に占める年間総返済額の割合のことで、金融機関がローン審査で用いる客観的な指標です。 一般的に20%~25%が理想とされ、上限は35%程度です。

  • 銀行ローン(金利2.275%)の場合
    • 年間返済額:約82.9万円
    • DTI 25% → 必要な額面年収は 約332万円
    • DTI 20% → 必要な額面年収は 約415万円
  • ディーラーローン(金利4.9%)の場合
    • 年間返済額:約88.4万円
    • DTI 25% → 必要な額面年収は 約354万円
    • DTI 20% → 必要な額面年収は 約442万円

この計算はあくまで**「車のローンしかない」という前提です。もし住宅ローンや他の借り入れがある場合、それらを合計した金額でDTIが計算されるため、エクストレイルのローンを通すためには、さらに高い年収が求められます。

※シミュレーションで用いた金利はあくまで一例です。実際の金利は申込時の金融情勢や個人の審査条件によって変動します。複数の金融機関を比較する際は、保証料や手数料を含んだ実質年率(APR)**で確認することが重要です。

▼結論:「維持できない年収」は人それぞれ

ここまで見てきたように、エクストレイルを維持できる年収ラインは、お住まいの地域(特に駐車場代)、利用するローンの種類、他に借り入れがあるか、といった多くの要因によって大きく変動します。

「年収〇〇万円だから大丈夫/無理」と一つの数字で判断するのではなく、ご自身の状況に合わせて「月々の総費用はいくらか」「それは手取りの何%か」を計算してみることが、後悔しない車選びの第一歩と言えるでしょう。

エクストレイルの維持費のまとめ

日産エクストレイルの年間維持費は、駐車場の有無や使い方によって大きく変動しますが、一つの目安として年間約23万円から、都心部で駐車場を借りる場合は65万円以上かかることもあります。この金額には自動車税(現行T33型で年間30,500円)、燃料費、任意保険料、メンテナンス費用などが含まれており、特に駐車場代が全体の費用を大きく左右する最大の要因です。車両ローンを含めた月々の総支払額で考えると、地方在住で約10万円から、都心部では約12万円からが現実的なラインとなり、安心して維持するためにはご自身の年収やライフプランに合わせた綿密な資金計画が重要になります。

  • 維持費の中で特に大きな割合を占めるのが駐車場代と燃料費で、これらをいかに抑えるかがポイントになります。
  • 年収の安全ラインを考える際は、FPが推奨する**「車関連費が手取り月収の15%以内」**という指標が参考になります。
  • ローン審査では**「DTI(総返済負担率)が25%以内」**かが重視されるため、住宅ローンなど他の借り入れも考慮して計画を立てましょう。
  • 年収の目安は、都心在住・安全ラインで額面1,160万円以上と高めですが、地方在住ならより低い年収でも十分に維持が可能です。
  • 先代T32型は車両価格を抑えられますが、燃費と税金でT33型が有利なため、年間で5万円近いランニングコストの差が出ることもあります。
  • タイヤ交換や予期せぬ故障に備え、通常の維持費とは別に最低5万円、できれば10万円以上の緊急費用を準備しておくと安心です。
  • 「維持できない」事態を避けるためには、購入前にこの記事のシミュレーションを参考に、ご自身の状況に合わせた資金計画を立てることが何よりも重要です。