デリカd5のリフトアップのデメリットは、実は「見た目のカッコよさ」と引き換えに、想像以上に多くのリスクを背負うことになります。
街中で見かける車高の上がったデリカは、ワイルドで迫力があり、憧れる気持ちは痛いほどわかります。しかし、メリットだけで判断してカスタムしてしまうと、「家族が車酔いで乗ってくれなくなった」「車検のたびに高額な費用がかかる」「メーカー保証が受けられなかった」など、後から大きな後悔をしてしまうオーナーさんも少なくありません。
この記事では、特定のショップやメーカーの立場ではない「中立的な視点」で、良い面だけでなく、目を背けたくなるような厳しい現実もしっかりと整理しました。
カスタムに踏み切る前に、まずは「何が起きるのか」をシミュレーションしてみてください。
この記事でわかること
- 一目でわかる!リフトアップのデメリット9項目早見表
- 「±4cmの壁」など、初心者がハマりやすい車検と法律の落とし穴
- 家族の説得に必須?乗り心地や維持費への具体的な影響
- 自分はやるべきか?後悔しないための判断基準
※この記事の情報は、2025年12月01日時点の調査データに基づいて作成しています。
デリカD:5リフトアップのデメリット9選【早見表】
デリカD:5のリフトアップは、迫力ある見た目と悪路走破性を手に入れる代償として、車検の複雑化や足回り部品への負荷増大、乗り心地の変化など、維持費や快適性に直結する多くのデメリットが発生します。
まずは、リフトアップを検討する際に知っておくべき「影の部分」を、パッと見てわかる一覧表にまとめました。
「カッコいいから」という理由だけで飛びつくと、後で「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。全体像を把握しましょう。
デメリット一覧チェックリスト
| 項目 | デメリットの概要(一言でいうと?) |
|---|---|
| 1. 法律・車検 | 車検証に記載された車高からの変化が±4cmを超えると、原則として構造等変更検査や記載変更が必要になる場合が多い |
| 2. 走行安定性 | 重心が高くなり、横風に弱くなったり、カーブでふらつきやすくなる。 |
| 3. 乗り心地 | ゴツゴツ・フワフワした揺れが増え、同乗者が車酔いしやすくなる。 |
| 4. 寿命・故障 | ドライブシャフトやゴム部品に無理な力がかかり、寿命が縮む。 |
| 5. タイヤ周り | タイヤが変な減り方をしたり、ハンドル操作で車体に当たったりする。 |
| 6. 燃費・維持費 | 空気抵抗とタイヤの重さで燃費が悪化。消耗品の交換サイクルも早まる。 |
| 7. 保証・売却 | メーカー保証が効かなくなる場合があり、売る時の査定も下がりやすい。 |
| 8. 使い勝手 | 立体駐車場に入れなくなる。子供や高齢者の乗り降りが大変になる。 |
| 9. 費用・手間 | パーツ代だけでなく、工賃や申請費用でトータル数十万円かかる。 |
このように、見た目の変化以上に「車としての基本性能」や「日常の使い勝手」に大きな影響が出ます。
次の章では、これらを初心者の方にもイメージしやすいように、もう少し詳しく解説していきます。
▼車選択メモの考察
リフトアップは、メーカーが巨額の開発費をかけて調整した「純正の黄金バランス」をあえて崩す行為とも言えます。特にデリカD:5のようなミニバン兼SUVは、元々の設計が非常に緻密です。「何かを得れば何かを失う」というトレードオフの関係にあることを、まずは心に留めておきましょう。
※本記事は2025年12月1日時点の情報を基に作成しています。実際のリフトアップによる影響や法規対応は、施工するショップや車両の個体差により異なります。詳細は必ずデリカD:5公式サイトや専門ショップにてご確認ください。
デリカD:5リフトアップのデメリット詳細解説
デリカD:5のリフトアップに伴うデメリットは、単にお金がかかるだけでなく、家族の快適性や安全マージンを削るリスクを含んでいます。
ここでは、先ほどの9項目を具体的に掘り下げていきます。
専門用語はなるべく使わず、私たちの生活にどう影響するのかという視点で見ていきましょう。
車検に通らない?構造変更と高さ4cmの壁
日本の車検制度には「車高の変化が4cm以内ならそのままOK、超えるなら届け出が必要」というルールがあります。
デリカD:5の場合、リフトアップ用のバネを入れることで車高が上がり、さらに大きなタイヤを履くことでまた車高が上がります。
- 1インチ(約2.5cm)アップ: タイヤサイズ次第ですが、比較的車検に通りやすい範囲です。
- 2インチ(約5cm)以上アップ: 車検証に記載された車高からの変化が**±4cmを超えると、原則として構造等変更検査や記載変更が必要になる場合が多い(ただし4cmを超えても指定部品など例外品も)
また、車高が上がると「運転席から直前と左横の死角が見えるか(直前側方視界基準)」というテストに引っかかりやすくなります。
これに通らないと、カメラを追加したりミラーを付け足したりと、車検のたびに対応に追われる可能性があります。
高速道路でのふらつき・横風の影響
背の高い車は、ただでさえ風の影響を受けやすいものです。
リフトアップでさらに重心が高くなると、以下のようなシーンでヒヤッとする場面が増えるかもしれません。
- 高速道路でトンネルを出た瞬間の横風
- 急な車線変更や、危険回避の急ハンドル
- カーブを曲がるときの大きな傾き(ロール)
「純正でも背が高い」デリカD:5をさらに高くすることは、車としての「踏ん張る力」を弱めることにつながります。
乗り心地悪化と家族の車酔いリスク
サスペンションを変えると、路面の凸凹を拾いやすくなったり(ゴツゴツ)、逆に揺れが収まらずに船のように揺れたり(フワフワ)する傾向があります。
運転している本人は「視界が高くなって気持ちいい!」「カスタムカーを操っている満足感」で気にならないことが多いですが、後部座席の家族(特に子供)にとっては、不規則な揺れが増えて車酔いの原因になることがあります。
「パパの車、カッコいいけど乗りたくない」と言われないよう、注意が必要です。
ドライブシャフト故障や寿命への影響
これはデリカD:5において特に深刻な問題です。
車高を上げると、タイヤに動力を伝える「ドライブシャフト」という棒の角度に無理が生じます。
この角度がきつくなると、関節部分を覆っているゴムカバー(ブーツ)が引っ張られて破れやすくなったり、ベアリングから異音が出たりします。
実際、リフトアップ後に「ドライブシャフトブーツが破れた」「異音がする」というトラブルは珍しくありません。
タイヤの片減り・干渉・はみ出し問題
デリカD:5のリアサスペンションは構造上、車高を上げるとタイヤが「逆ハの字(Vの字)」、つまり上側が外に開くような形(ポジティブキャンバー)になりやすい特徴があります。
これをしっかり調整しないと、タイヤの外側だけが極端に早く減ってしまいます。
また、大きなタイヤを履かせるために、ハンドルを全開に切ったときに車体の内側にタイヤが擦れてしまうこともあります。
燃費悪化と維持費増大のリアル
見た目を重視したゴツゴツしたオフロードタイヤは、ゴムが厚くて重く、転がり抵抗も大きいです。
リフトアップとゴツゴツしたタイヤの組み合わせで燃費が悪化する傾向があり、1km/L前後悪化したという声が多く、仕様や使い方によっては2km/L以上落ちるケースもあります。
ガソリン代だけでなく、タイヤ自体も高価で減りが早く、重いタイヤを止めるためにブレーキの消耗も早くなります。長い目で見ると、維持費は確実に高くなります。
ディーラー入庫拒否やメーカー保証対象外
これが意外と盲点です。
リフトアップをしていると、ディーラーでの点検や修理を断られるケースがあります(違法改造でなくても、設備上の理由やトラブル防止のため)。
また、足回りのトラブルが起きても「改造が原因」とみなされ、新車保証(メーカー保証)が適用されず、高額な修理費が実費になる可能性が高まります。
立体駐車場NGや乗り降りが大変な件
デリカD:5の純正全高は約1875mm
ここからリフトアップ+キャリア装着などをすると、都市部に多い「高さ2.1m制限」の立体駐車場に入れなくなることがあります。
また、床面が高くなるため、小さなお子さんやお年寄りは「よっこいしょ」と登るような乗り降りになります。
日常の買い物や送迎で使う場合、地味ですが毎日のストレスになりかねません。
リフトアップ費用・工賃のトータル相場
「バネ交換だけなら数万円でしょ?」と思いきや、それだけでは済みません。
- パーツ代+取り付け工賃
- アライメント調整費用(タイヤの向き調整)
- 構造変更の手続き費用
- 視界確保のためのカメラ追加費用
2〜3インチ以上の本格的なリフトアップ(足回り一式+補正パーツ+構造変更や視界対策まで含めたケース)では、30〜50万円になることも珍しくありません。
▼車選択メモの考察
デリカD:5のリフトアップで特に気をつけたいのは「リアのキャンバー角」と「ドライブシャフト」の問題です。これらは車種特有の弱点とも言える部分で、単にバネを変えるだけでなく、補正パーツを入れるなど「対策」にお金をかけないと、後々高い修理代を払うことになります。「安く上げる」ことよりも「安全に上げる」ことを優先すべきです。
※本記事は2025年12月1日時点の情報を基に作成しています。車両の状態やカスタムの内容によってリスクの度合いは異なります。詳細は必ずデリカD:5公式サイトや専門ショップにてご確認ください。
デリカD:5のリフトアップで後悔しないために
ここまで多くのデメリットを挙げてきましたが、決して「リフトアップは悪だ」と言いたいわけではありません。
大切なのは、メリットとデメリットの天秤を正しく見極めることです。
後悔しないための判断基準
もしあなたが、以下のような考えなら、リフトアップは少し慎重になったほうが良いかもしれません。
- 家族での快適な移動が最優先
- 維持費や燃費はなるべく抑えたい
- 車検やメンテナンスの手間を増やしたくない
逆に、以下のような覚悟があるなら、リフトアップは最高に楽しい相棒を作ってくれます。
- 多少の乗り心地悪化や出費よりも、自分だけのスタイルを貫きたい
- 本格的な悪路を走る趣味がある
- 信頼できるプロショップと相談しながら、メンテナンスもしっかり行う
初心者は1インチのちょい上げがおすすめ
「どうしても見た目を少し変えたいけれど、リスクは怖い」
そんな方には、「1インチ程度(約2〜3cm)のマイルドなリフトアップ」という選択肢もあります。
これなら構造変更が不要な範囲に収まりやすく、ドライブシャフトへの負担や乗り心地の悪化も最小限に抑えられます。
まずは「タイヤの銘柄を変えてみる」だけでも、オフロード感はずいぶん変わります。
デリカD:5は、ノーマルでも十分すぎるほど高性能でカッコいい車です。
「何のために上げるのか?」をもう一度自分に問いかけ、家族とも相談してから決断することをおすすめします。
▼車選択メモの考察
デリカD:5は「家族を乗せてどこへでも行ける」ことが最大の魅力です。もしリフトアップによって「家族が乗りたくない車」になってしまったら、その魅力が半減してしまいます。奥様やお子様の理解を得るためにも、「乗り心地が悪くなるかもしれないけど大丈夫?」と事前に相談し、場合によってはショップのデモカーに試乗させてもらうのが、家庭円満の秘訣かもしれません。
※本記事は2025年12月1日時点の情報を基に作成しています。カスタムの判断は自己責任で行ってください。詳細は必ずデリカD:5公式サイトや専門ショップにてご確認ください。
