ヴォクシー70系前期後期の違い…中古で人気のミニバンを探しているなら、気になる問題です。
ぱっと見はそっくりなこの2つのモデル。ですが、実は中身を詳しく見ていくと、家族での使い勝手や日々の運転の快適さに関わる、見逃せない進化がたくさんあるんです。
「値段が安いから前期でいいかな?」「やっぱり新しい後期の方が安心?」そんな風に悩んで、なかなか一台に決めきれない…僕も車選びではいつもそうだったので、その気持ち、とてもよくわかります。
この記事を読み終える頃には、きっとあなたにピッタリな一台がどちらなのか、自信を持って選べるようになっているはずですよ。
この記事を読めば、以下の4つがスッキリわかります。
- 一目でわかる、前期と後期の「見た目」の違い
- 家族が喜ぶ!「内装と使い勝手」の進化ポイント
- 運転の快適さが変わる!「走りや燃費」の決定的な差
- 【結論】結局どっちが「買い」なのか、あなたへのおすすめ
ヴォクシー70系前期後期の違い:見た目と見分け方
ヴォクシー70系の前期と後期を見分ける最大のポイントは、ズバリヘッドライト、グリル、バンパーのデザインです。2010年4月のマイナーチェンジで、後期モデルはよりスポーティで精悍な「イケメン」な顔つきに進化しました。特にフロントマスクに違いが集中しているので、中古車屋さんで見比べると一目でわかるはずですよ。
前期と後期の見た目の違い
2007年に登場した前期モデルと、2010年4月以降の後期モデル。具体的にどこが変わったのか、ポイントを絞って見ていきましょう。
変更されたパーツ | 前期からの変化 | 狙い |
ヘッドランプ | 内部のデザインがよりシャープな意匠に | 精悍さをアップ |
フロントグリル | 開口部が大きめに見えるデザインに変更 | スポーティ感を強調 |
フロントバンパー | フォグランプ周りなどの造形が立体的で力強く | 存在感をアップ |
リアコンビランプ | レンズ内部のデザインが変更 | 後ろ姿の質感を向上 |
ホイール | 新しいデザインのアルミホイールを採用 | 全体の新鮮味をプラス |
後期モデルでは、新色として「グレーメタリック」などが追加されたのもニュースでした。前期の優しい顔つきも素敵ですが、後期のキリっとした表情は、今見ても古さを感じさせない魅力がありますね。
サイズは3ナンバーと5ナンバー
「あれ、同じ70系なのに大きさが違う?」と感じたら、それは標準ボディかエアロボディかの違いです。これは前期・後期どちらにも共通するポイントで、見た目の印象を大きく左右します。
- 標準ボディ(X, Vなど)
- 全長:4,595mm
- 全幅:1,695mm
- 特徴:5ナンバーサイズに収まり、狭い道での取り回しがしやすい。見た目はスッキリとシンプル。
- エアロボディ(Z, ZSなど)
- 全長:4,640mm
- 全幅:1,720mm
- 特徴:専用のバンパーやフェンダーが付くため3ナンバーサイズに。ワイドで低重心に見え、迫力満点。
ちなみに、4WDモデルはFFモデルより車高が約25mm高くなるので、機械式駐車場に入れる方は注意が必要ですよ。
G’sという特別なグレード
後期モデルには「G’s(ジーズ)」という、走りに特化した特別なグレード(2010年6月30日発売開始)が追加されました。専用のエアロパーツやローダウンサスペンション、18インチの大きなホイールが特徴で、見た目はまさに「走る気マンマン」。一目見ればノーマルとの違いは明らかで、中古市場でも特別な存在感を放っています。
▼オーナー評価傾向
中古車を探している方の声を聞くと、やはり見た目がシャープで新しい印象の後期モデル、特にエアロ仕様の「ZS」グレードに人気が集まっているようです。リセールバリューを意識するなら、後期を選んだ方が少し有利かもしれませんね。
▼車選択メモの考察
「新しい感じ」がするのは確かに後期ですが、前期の少し丸みを帯びたシンプルな顔つきが好み、という方も実は少なくありません。特に標準ボディのすっきり感は、飽きがこないデザインとも言えます。ここは性能差というより「どちらの顔が自分の感性に響くか」で決めるのが、一番後悔しない選び方だと思います。
ヴォクシー70系前期後期の違い:内装・使い勝手・安全性
ヴォクシー70系の内装における前期と後期の最も大きな違いは、実は2列目シートの仕組みにあります。家族みんなが快適に過ごすための工夫が、後期モデルではさらに進化しました。特に、小さなお子さんを乗せるファミリーにとっては、安全性の向上も見逃せないポイントですよ。
進化した2列目シートアレンジ
前期・後期で、2列目シートのアレンジ方法が大きく変わりました。どちらが良いというよりは、思想そのものが変わった、というイメージです。
- 前期モデル(2007年〜2010年4月)
- 特徴:「チャイルドケアモード」
- 助手席側のシートが外側に少し回転(助手席側60度回転)し、運転席側の30度回転+ロングスライド(合計470mm)と組み合わせることで、停車中に運転席から後席のお子さんのケアがしやすいのがウリでした。画期的なアイデアでしたが、操作が少し複雑という声もあったようです。
- 特徴:「チャイルドケアモード」
- 後期モデル(2010年4月〜)
- 特徴:よりシンプルで実用的なシートへ刷新
- 7人乗り:独立した「マルチ回転キャプテンシート」を採用。ゆったり座れるのが魅力。
- 8人乗り:「6:4分割チップアップシート」を新採用。座面をパタンと持ち上げてからスライドさせることで、3列目への乗り降りや荷室の拡大がとてもスムーズになりました。
- 特徴:よりシンプルで実用的なシートへ刷新
向上した中央席の安全性
後期モデルの隠れた名進化が、安全装備のアップデートです。
- 中央席の安全装備
- 2列目と3列目の中央席に、肩から掛ける「3点式シートベルト」と「ヘッドレスト」が新しく採用されました。
- 前期モデルでは中央席のベルトが腰のみを固定する2点式だったので、万が一の際の安心感が大きく違います。これは、後席に家族を乗せる機会が多い方にとって、非常に重要なポイントではないでしょうか。
乗り心地を上げる快適装備
後期モデルでは、細かい部分の快適性もアップしています。
- シートの生地やドアの内張りのデザインが一部変更された
- 全グレードのシートに、ダニやアレルゲンを抑える加工が施された
- 一部グレードで、冬場に嬉しい「快適温熱シート(シートヒーター)」が設定された
▼なぜ分析?
後期で2列目シートの仕組みが大きく変わったのは、おそらく前期の「チャイルドケアモード」が少し凝りすぎていて、もっとシンプルで直感的に使えるシートアレンジが求められたからかもしれません。チップアップ式は、誰が使ってもわかりやすく、力もいらないのが良いところですよね。
▼提案
もしあなたが小学生以下のお子さんを持つご家庭なら、やはり中央席の安全性と使い勝手が向上した後期モデルを軸に探すのがおすすめです。中古車を見に行ったら、ぜひ実際に全てのシートを動かしてみてください。「このスライドの感じ、しっくりくるな」とか「この方が荷物を積みやすいな」といった、ご自身の使い方との相性を確かめるのが一番ですよ。
ヴォクシー70系前期後期の違い:走り、燃費、維持のこと
ヴォクシー70系の走りと燃費は、後期モデルで全グレードに搭載された「バルブマチック(3ZR-FAE)」という新しいエンジンによって、大きくレベルアップしました。これにより、前期では一部の上位グレードにしかなかった力強さと優れた燃費性能が、どのグレードを選んでも手に入るようになったんです。これは、中古でヴォクシーを選ぶ上で最も重要な違いと言っても過言ではありません。
エンジンと走りの違い
言葉は少し難しいですが、中身はシンプルです。「前期は2種類のエンジンが混在」「後期は良い方のエンジンに統一」と覚えてください。
前期(2007.6〜2010.4) | 後期(2010.4〜2014.1) | |
エンジン | ・標準的な「3ZR-FE」 ・パワフルで燃費も良い「3ZR-FAE」 の2種類が混在(主に上位グレードがFAE) | 全グレード「3ZR-FAE」に統一 |
パワー | ・143馬力(FE) ・158馬力(FAE) | 158馬力(FF車) |
ミッション | ・全車CVT ・FAE搭載車のみスポーティな7速モード付き | ・全車CVT+7速モード付き |
カタログ燃費 (10・15モード/FF車) | 13.4〜14.2km/L (FAEの方が燃費が良い) | 14.4km/Lに向上 |
ポイントは、後期モデルはエンジンだけでなく、CVT(無段変速機)の制御も改良されている点。アクセルを踏んだときの反応がより自然になり、運転しやすくなっています。
カタログ値と実燃費の比較
カタログの数字も大切ですが、気になるのは実際の燃費ですよね。
- カタログ燃費の差:後期の方が前期より少しだけ良い数値になっています。
- リアルな燃費:乗り方や道路状況で大きく変わりますが、オーナーさんの声を聞くと、大体こんなイメージです。
- 街乗り中心:7〜11km/L
- 流れの良い郊外や高速:11〜14km/L
「後期の方が燃費が良い」のは確かですが、その差は走り方ですぐに逆転してしまうレベルかもしれません。それよりも、アクセルをあまり踏まなくてもスムーズに走れる、後期のエンジンの「余裕」が、結果的に燃費に優しくなる、と考えた方が良いでしょう。
維持費と故障リスク
中古車を買う上で、維持費はとても重要ですよね。70系ヴォクシーのメカニズムに関するポイントをいくつかご紹介します。
- タイミングベルト交換は不要
- エンジンにはタイミング”チェーン”が使われているため、10万kmごとのタイミング”ベルト”交換は必要ありません。これは維持費の面で大きなメリットです。
- エンジンオイル
- 「0W-20」という、燃費に優しいサラサラしたタイプのオイルが指定されています。
- タイヤサイズ
- 標準ボディは15インチ、エアロボディは16インチが基本。当然、インチが小さい方がタイヤの価格は安くなる傾向にあります。G’sの18インチはカッコいいですが、タイヤ交換時の費用は覚悟しておきましょう。
- 中古車ならではの注意点
- 電動スライドドア:この年代のミニバン全般に言えることですが、モーターやワイヤーの劣化で動きが渋くなることがあります。
- エンジン:特にバルブマチック機構は少しデリケートな部分もあるようです。アイドリングが不安定だったり、異音がしたりしないか、しっかり確認しましょう。
▼車選択メモの考察
スペック上のパワーの差はわずか十数馬力ですが、これが実際に運転してみると体感できる違いなんです。特に家族や荷物をたくさん積んで坂道を登るような場面では、後期のエンジンの「もうひと踏ん張りできる余裕」が、運転のストレスを軽くしてくれるはずです。もし試乗できるなら、ぜひ少し負荷のかかるシチュエーションで乗り比べてみることをおすすめします。
▼注意点
中古のミニバン選びで、一番気にしてチェックすることの1つが電動スライドドアの動きです。お店で見るときは、必ず自分の手で、エンジンをかけた状態で、何度も何度も開け閉めを試してみてください。少しでも「ん?動きが重いな」「変な音がするな」と感じたら、販売店さんにしっかり確認しましょう。修理となると意外と高額になることもあるパーツなので、ここは慎重すぎるくらいが丁度いいですよ。
【ヴォクシー70系の前期と後期の違い】要点まとめ
ヴォクシー70系の前期と後期の違いをここまで見てきましたが、情報を整理するために、「見た目」「2列目シート」「エンジン」の3点が大きな進化ポイントだと覚えておきましょう。後期モデルは、前期モデルのユーザーの声に応えるように、内外装をリフレッシュし、よりパワフルで燃費の良いエンジンを全車に搭載。さらに、シートの使い勝手と安全性もきっちり向上させてきた「完成形」と言えるモデルです。
ひと目でわかる前期・後期の差
前期モデル(2007〜2010) | 後期モデル(2010〜2014) | |
見た目 | やや丸みのある優しい顔つき | シャープで精悍な顔つきに |
エンジン | 2種類が混在(標準/高性能) | 高性能なエンジンに全車統一 |
走り | グレードによって差がある | どのグレードでも力強くスムーズ |
2列目シート | チャイルドケアモードが特徴 | よりシンプルで実用的な機構に刷新 |
安全性 | (中央席は2点式ベルト) | 中央席が3点式ベルト&ヘッドレスト付に |
燃費 | カタログ値(FF):最大14.2km/L | カタログ値(FF):14.4km/Lに向上 |
覚えておきたい維持のポイント
- エンジンはタイミングチェーン式なので、高額なタイミングベルト交換は不要。
- オイルは**燃費の良い「0W-20」**が指定。
- 中古車を選ぶ際は、電動スライドドアの動きとエンジンのアイドリング状態は必ずチェック!
- 購入前には、トヨタ公式サイトのリコール情報検索で、検討している車が対象になっていないか、対策済みかを確認するとより安心です。
▼車選択メモの考察
こうして客観的に比較すると、多くの面で改良されている後期モデルに軍配が上がるのは事実です。その分、中古車市場での価格も後期の方が高くなる傾向にあります。大切なのは、この性能差に、価格差分の価値を感じられるかどうか、ですよね。
▼提案
もしあなたが中古車選びで迷っているなら、「自分は車のどこに一番こだわりたいか」を一度リストアップしてみるのがおすすめです。「見た目のかっこよさ?」「坂道をスイスイ走る力?」「とにかく初期費用を抑えたい?」。その優先順位と予算を天秤にかけることで、あなたにとっての「最高の選択」がきっと見えてくるはずですよ。
【ヴォクシー70系の前期と後期】どっちが買い?あなたへのおすすめは
ヴォクシー70系の前期と後期、結局どちらを買うべきか、迷いますよね。結論から言うと、基本的にはエンジン性能や安全性が着実に向上している後期モデルがおすすめです。ただ、あなたの車の使い方や予算によっては、コンディションの良い前期モデルが最高のパートナーになることも、もちろん十分にあります。
あなたのタイプ別おすすめ診断
もしあなたがどちらのタイプに近いか、チェックしてみてください。
1)小さなお子さんがいる、街乗り中心ファミリー
→ おすすめは「後期・標準ボディ(5ナンバー)」
後期モデルなら全グレードでエンジンがパワフルなので、ストップ&ゴーの多い街中でもストレスなく走れます。なにより、後席中央の安全性が高まっているのは大きな安心材料。5ナンバーサイズなら、スーパーの駐車場や狭い路地でも運転しやすいですよ。
2)週末はフル乗車!高速や山道も走るアクティブ派
→ おすすめは「後期・エアロボディ(ZSなど)」
多人数で坂道を走るなら、エンジンに余裕のある後期モデルが断然有利です。エアロボディの安定感は、高速道路でのロングドライブで疲れにくさにも繋がります。雪道を走る可能性があるなら、4WDを選ぶとさらに安心ですね。
3)見た目が一番!カッコよさで選びたい
→ おすすめは「後期ZS」または「G’s」
キリっとした顔つきの後期モデル、特にエアロ仕様の「ZS」は今見ても魅力的です。さらに特別な存在感が欲しいなら、専用エアロとローダウンで固めた「G’s」という選択肢も。ただし、乗り心地は少し硬めになるので、家族の同意も得ておきましょう。
4)とにかく初期費用を抑えたい!でも走りも妥協したくない
→ おすすめは「前期モデルの“ZS”や“Z”グレード」
もし予算を最優先するなら、前期モデルが狙い目です。その中でも、高性能な「3ZR-FAE」エンジンを搭載したグレード(ZSやZなど)を選べば、走りの満足度は後期モデルにかなり近くなります。状態の良い個体を見つけられれば、非常にお買い得な選択と言えるでしょう。
迷ったときのチェックフロー
- 家族を乗せて坂道や高速を走る機会が多い?
- YES → 後期モデルがおすすめ
- NO → 次の質問へ
- 運転のしやすさ(取り回し)を最優先したい?
- YES → **標準ボディ(5ナンバー)**がおすすめ
- NO → 次の質問へ
- 走りや見た目の迫力も欲しい?
- YES → **エアロボディ(ZSなど)**がおすすめ
- NO → 標準ボディで十分満足できるはず
最後に、中古車選びで一番大切なこと
▼手軽な解決の可能性
もし前期モデルで「これだ!」という一台に出会えたら、販売店さんに「この車のエンジンはバルブマチックですか?」と聞いてみてください。もしそうなら、それは走りの面で「当たり」の前期モデルです。それだけでも、選ぶ価値はグッと上がりますよ。
▼なぜ分析?
結局のところ、中古車は一台一台コンディションが違う「一点もの」です。いくら年式が新しくても、前のオーナーさんがどんな乗り方やメンテナンスをしていたかで、車の状態は全く変わってしまいます。前期か後期かという枠組みも大切ですが、それ以上に、目の前にある一台が、大切にされてきたかどうかを見極める「目」を持つことが、何よりも重要だと僕は思います。焦らず、じっくりと、あなたの最高のパートナーを見つけてくださいね。