ヴォクシー95系90系の違い:徹底比較【おすすめ】

ヴォクシー95系と90系の違い トヨタ

ヴォクシーの95系と90系の違い、カタログや公式サイトを見ても少し分かりにくいですよね。実はこれ、新型・旧型といった年式の違いではなく、雪道や雨の日に心強い「4輪駆動(95系)」か、街乗りでキビキビ走る「2WD(90系)」か、という駆動方式の違いなんです。

そして、この駆動方式を選ぶだけで、価格や燃費はもちろん、車高、乗り心地、さらには選べるタイヤのサイズまで変わってくる、とても重要な選択になります。

この記事を読めば、以下の点がスッキリ分かります。

  • そもそも95系と90系のスペック上の違い(車高・重さなど)
  • 価格や燃費といった具体的なコストの差
  • 雪道や高速道路での走りの体感的な違い
  • あなたの使い方に合うのはどっち?という選び方の結論

【ヴォクシー95系90系の違い】その1:基本のカタチとスペック

ヴォクシーの95系は4輪駆動、90系は2WD(FF)仕様を指し、この駆動方式の違いが、実はクルマの全高(+30mm)、最低地上高(-15mm)、車両重量(+40kg〜)、さらにはタイヤサイズにまで影響を与えます。世代の違いではなく、あくまで「駆動方式の呼び名」と覚えておくとスッキリしますよ。ここでは、まずカタログスペックで分かる物理的な違いを一つずつ見ていきましょう。

①駆動方式 E-Fourとは

心臓部とも言える駆動系の違いが、90系と95系の根本的な差です。

  • ハイブリッド車(HV)
    • 90系 (2WD):エンジンとフロントモーターで前輪を動かします。
    • 95系 (E-Four):90系の仕組みに加え、独立したリアモーターを搭載。後輪も力強くアシストすることで、滑りやすい道での安定感を高めています。
  • ガソリン車(GAS)
    • 90系 (2WD):エンジンパワーを前輪だけで路面に伝える、一般的なFF(前輪駆動)です。
    • 95系 (4WD):プロペラシャフトという部品を介して、後輪にもエンジンの力を伝える機械式の4WDです。

②車高と最低地上高の注意点

この違いは、特に立体駐車場をよく利用する方には見逃せないポイントです。

  • 全高95系は90系より30mm高い1,925mmになります。90系は1,895mmです。
  • 最低地上高:意外なことに、95系は90系より15mm低い125mmとなります。90系は140mmです。

これは、95系が後輪を駆動させるためのリアモーターや4WD機構といった部品を車体の下側に追加しているためですね。

③走りに影響する車両重量

駆動系の部品が増える分、当然ながら95系の方が重くなります。

  • ハイブリッド車:95系(E-Four)は、90系(2WD)より約40kg~50kg重くなります。
  • ガソリン車:95系(4WD)は、90系(2WD)より約60kg~70kg重くなります。

この重量差が、後ほど解説する走りや燃費にもじわじわと効いてきます。

④標準タイヤサイズの違い

人気グレードの「S-Z」では、駆動方式によって標準のタイヤサイズが変わります。

  • 90系 (2WD)17インチ(205/55R17)
  • 95系 (E-Four/4WD)16インチ(205/60R16)

見た目のカッコよさなら17インチ、乗り心地や冬用タイヤのコストを考えると16インチ、といったように、ここも選択のポイントになりそうです。

⑤8人乗りはE-Four不可

「家族みんなで乗れて、雪道も安心なハイブリッド車が欲しい!」という方に、一つ注意点があります。

  • ハイブリッド車の8人乗りは、90系(2WD)しか選べません
  • 95系(E-Four)は7人乗りのみとなります。
  • ガソリン車であれば、95系(4WD)でも7人乗りと8人乗りの設定があります。

▼ 駐車場の高さ制限、本当に大丈夫?

「わずか3cmでしょ?」と思うかもしれませんが、都市部の機械式駐車場ではこの3cmが利用できるかどうかの分かれ道になることが本当に多いんです。ご自宅や職場の駐車場が高さ1.9m制限の場合、1,925mmの95系は物理的に入らない可能性大。クルマ選びのかなり早い段階で、駐車場の寸法を測っておくことを強くおすすめします。

▼ 「95系=雪道安心」の意外な落とし穴

確かに駆動力は95系が頼もしいのですが、最低地上高が1.5cm低くなる点は少し気になります。他のクルマが通ってできた轍(わだち)が深い雪道では、車体のお腹を擦りやすくなる可能性もゼロではありません。とはいえ、総合力で雪道に強いのは間違いなく95系です。これはあくまで知識として知っておくと良い、というレベルの話ですね。

【ヴォクシー95系90系の違い】その2:価格や燃費の実用比較

ヴォクシーの95系は90系に比べて価格が約20〜22万円高く、燃費(WLTCモード)が約0.7〜1.0km/L低くなります。また、全高が30mm高くなるため駐車場の確認は必須ですが、最小回転半径や室内スペースの広さは同じで、普段使いの取り回し感覚は変わりません。ここでは、お金や日々の使い勝手に直結するリアルな違いを比べてみましょう。

①燃費は2WDが有利

毎日乗る方にとっては、やはり燃費は気になりますよね。カタログ燃費(WLTCモード)の差は以下の通りです。

  • ハイブリッド車
    • 90系 (2WD):23.0 km/L
    • 95系 (E-Four):22.0 km/L (-1.0km/L)
  • ガソリン車
    • 90系 (2WD):14.8 km/L
    • 95系 (4WD):14.1 km/L (-0.7km/L)

②価格差は約20万円

安心と安定の95系ですが、その分、車両価格もアップします。2025年9月の一部改良後の価格で比較してみましょう。

  • ハイブリッド車:95系(E-Four)は、90系(2WD)よりプラス220,000円
  • ガソリン車:95系(4WD)は、90系(2WD)よりプラス198,000円

この価格差をどう考えるかが、90系と95系を選ぶ上での大きな分かれ道になりそうです。

③小回り性能は同じ?

運転のしやすさに関わる部分ですが、実は「変わらない」点が多いんです。

  • 変わらない点:全長、全幅、ホイールベース、室内寸法、最小回転半径(5.5m)
  • 変わる点
    • 全高(95系が+30mm):駐車場の高さ制限に注意が必要です。
    • 最低地上高(95系が-15mm):急な坂道や段差、輪止めなどで少し擦りやすくなるかもしれません。

運転席からの視界や小回りのしやすさは全く同じなので、試乗でどちらかに乗れば、取り回しの感覚は掴めるはずです。

④維持費・タイヤ代の差

長い目で見ると、維持費にも少しずつ差が出てきます。

  • 燃料費:当然、燃費の良い90系(2WD)の方が有利です。
  • タイヤ代:「S-Z」グレードの場合、16インチの95系の方が17インチの90系より、特に冬用タイヤを準備する際の費用を少し抑えられる傾向があります。
  • 消耗品:数十kgの重量差なので劇的な変化はありませんが、理論上は重い95系の方がブレーキパッドなどの消耗がわずかに早まる可能性はあります。

▼ 価格差約20万円をどう判断するか?

この約20万円は、まさに「安心への投資」と言えるかもしれません。年に数回しか降らない雪のためにこの初期投資をするか、それとも同じ予算で便利なオプションを付けたり、ワンランク上のカーナビを選んだりするか…。こういう二択は本当に悩みます。絶対的な正解はないので、ご自身のライフスタイルと価値観で判断するのが一番ですね。

▼ 燃費差は年間いくら変わる?

仮にレギュラーガソリンが170円/Lで、年間1万km走るとしましょう。ハイブリッド車の燃費差1.0km/Lで計算すると、年間のガソリン代の差は約3,500円ほど。ガソリン車(燃費差0.7km/L)だと約5,500円くらい95系の方が高くなります。この金額を大きいと見るか、安心料として納得できる範囲と見るか、というのも一つの判断基準になりそうです。

【ヴォクシー95系90系の違い】その3:走りや乗り心地の体感差

ヴォクシーの95系、特にハイブリッドのE-Fourは、後輪をモーターで力強くアシストすることで、発進時から高速道路まで抜群の安定感を生み出します。一方、90系は車重が軽いことからくるスイスイとした軽快な走りが魅力です。どちらが良いというより、「重厚でどっしりした走り」と「軽やかでキビキビした走り」という、乗り味の方向性が違う、と考えると分かりやすいでしょう。

①走りの安定感ならE-Four

カタログスペックだけでは分からない、運転した時のフィーリングの差です。

  • 95系 (E-Four)
    • 発進時や坂道、雨で濡れた路面など、タイヤが滑りやすい場面で後輪がグッと踏ん張ってくれるので、とてもスムーズに加速できます。
    • 驚くことに、この後輪アシストは高速道路の速度域(最高約150km/h)まで作動します。合流や車線変更時のふらつきが少なく、長距離運転の疲労を軽減してくれる効果も期待できますね。
  • 90系 (2WD)
    • 95系に比べて数十kg軽いので、走り出しがとても軽快です。アクセルを踏んだ時の反応も素直で、街中をキビキビ走りたい方には気持ちよく感じられるはずです。

②雪道の走破性を比較

雪道を走る機会がある方にとっては、最も重要な比較ポイントかもしれません。

  • 駆動力:滑りやすい登り坂などでは、4輪で路面を捉える95系の圧勝です。
  • 腹下の高さ:深い雪の轍(わだち)では、最低地上高が15mm高い90系の方がお腹を擦りにくいという側面もあります。
  • タイヤ:「S-Z」の場合、16インチの95系はタイヤの厚み(扁平率)があるため、雪道でのグリップ性能を稼ぎやすいと言われています。

総合的に見れば、やはり雪道での安心感は95系に軍配が上がります。

③乗り心地はタイヤで変わる

乗り心地は、主にタイヤサイズの違いから生まれます。

  • 95系 (16インチ)タイヤに厚みがある分、路面からの細かな振動を吸収しやすく、乗り心地がマイルドに感じられる傾向があります。
  • 90系 (17インチ)タイヤが薄い分、路面の状況がダイレクトに伝わりやすく、スポーティーでしっかりした乗り味に感じられます。

どちらも乗り心地は良いのですが、家族を乗せてゆったり走りたいなら95系、運転を楽しみたいなら90系、という見方もできそうです。

▼ 街乗りだけでもE-Fourの価値はある?

「雪道はほとんど走らないし…」という方でも、E-Fourの恩恵を感じる場面は意外とあります。例えば、ゲリラ豪雨で濡れた高速道路の合流や、カーブが続く山道など、「ちょっと怖いな」と感じるような場面で、クルマがピタッと安定してくれる感覚は、日々の運転に大きな心の余裕をもたらしてくれるかもしれません。これはカタログだけでは分からない、隠れた価値と言えそうです。

▼ 見た目重視なら17インチ?

やはり大径の17インチホイールを履いた90系は、足元が引き締まって見えてカッコいいですよね。デザインを最優先するなら90系を選ぶ、というのも立派な理由だと思います。ただ、16インチの95系も乗り心地の良さというメリットがありますし、後から好きなデザインのホイールに交換する、なんていう楽しみ方もアリですね。

【ヴォクシー95系90系】どっちがいい?あなたに合うのはコレ!

ヴォクシーの95系と90系で迷ったら、まず**「①駐車場の高さが1.9m以下か」「②ハイブリッドで8人乗りが必須か」「③雪道を日常的に走るか」**の3つの質問に答えてみてください。もし1つでも「はい」と当てはまれば、あなたの選択肢はほぼ決まります。すべて「いいえ」だった場合は、燃費や走りの好み、そして約20万円の価格差をどう考えるかで、あなたにピッタリの一台が見つかるはずです。

1) まずは絶対条件で絞る

以下の条件に当てはまるか、チェックしてみましょう。

  • 駐車場の高さ制限が1.9m → 90系 (2WD) 一択95系の全高1,925mmでは、物理的に駐車できない可能性が非常に高いです。
  • ハイブリッドの8人乗りが必須 → 90系 (2WD) のみ残念ながらE-Four(95系)には8人乗りの設定がありません。
  • 積雪地帯在住・冬の峠越えが日常 → 95系 (E-Four/4WD) を推奨発進から高速走行まで安定した走りをみせる95系は、冬の運転の強い味方になってくれます。

おすすめはどっち?

絶対条件に当てはまらなかった方は、こちらの表でご自身のカーライフと照らし合わせてみてください。

シーン・価値観 90系(2WD)が向いている人 95系(E-Four/4WD)が向いている人
普段の路面 都市部中心で、雪はほとんど降らない 積雪や凍結の可能性があり、雨の日もよく運転する
燃費・コスト 初期費用や日々の燃料費を少しでも抑えたい 安心感のためなら、燃費や価格の差は許容できる
駐車環境 高さ1.9m制限の立体駐車場を利用している 平面駐車場やハイルーフ対応の駐車場がメイン
乗り味の好み キビキビとした軽快な走りが好き どっしりとして安定感のある重厚な走りが好き
家族構成 ハイブリッドで8人乗りが必要 7人乗りで十分。それより雪道性能を重視
見た目 17インチホイールのシャープな見た目が好き 乗り心地や冬タイヤの運用しやすさを重視

③後悔しないための判断フロー

まだ決めきれない…という方は、この順番で考えてみるのはいかがでしょうか。

  1. 駐車場の高さはクリアできていますか? → 1.9m以下なら90系へ。
  2. 冬道を走る機会は年にどれくらいありますか? → 年に数回以上、坂道が多いなら95系がおすすめです。雨の日の高速安定性も魅力です。
  3. 燃費はどれくらい重視しますか? → 長距離を走る機会が多いなら、経済的な90系が有利です。

▼ 結局、決め手はどこにある?

スペックやデータを比較してきましたが、最後は「自分のカーライフにとって、どちらが後悔しない選択か」という感覚が大切かもしれません。「たまにしか降らない雪のために、普段の燃費を少し我慢する」という選択もあれば、「万が一の安心感には代えられない」という選択もあります。ぜひ、ご自身の運転シーンを思い浮かべながら、じっくり悩んでみてください。それもまた、クルマ選びの楽しい時間だと思います。

▼ 手放す時のことも考えてみる?

少し気が早いかもしれませんが、数年後にクルマを売却する時のこと(リセールバリュー)を考えてみるのも一つの視点です。一般的に、雪国では4WD(95系)の需要が高く、査定で有利になる傾向があります。逆に都市部では、燃費が良く価格も安い2WD(90系)の方が人気、というケースも。もし気になるようでしたら、お住まいの地域の中古車情報サイトなどで、どちらのモデルが多く流通しているか、ちらっと覗いてみるのも面白いかもしれませんね。